(回答先: 千速鉄連会長:不当な決定、自由貿易に脅威−米鉄鋼セーフガード(東京 3月6日ブルームバーグ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 06 日 11:03:06)
【ワシントン逸見義行】
ブッシュ米大統領が5日、主要鉄鋼製品全般に対しセーフガード(緊急輸入制限)の発動を決定したことは、米政府の利益を最大限に考える「一方的外交」路線が続いていることを示す結果となった。
昨年の米国の鉄鋼輸入は前年比20・6%減の2735万トンにとどまっており、景気も昨年末から回復基調を取り戻しつつある。昨年6月に米政府自らが、国際貿易委員会(ITC)に、鉄鋼業界が輸入製品の急増で被害を受けているかどうかの調査を要請した時とは状況が変わってきたにもかかわらず、輸入制限に踏み切った。
この背景には、中間選挙や次の大統領選挙の勝敗の行方を握る中西部の州に鉄鋼メーカーが集中し、政治的パワーが大きいためだ。大統領は、セーフガードの発動により、大統領に通商交渉で強い権限を与えるファスト・トラック(一括承認手続き)を付与する貿易促進権限法案(TPA)の議会での可決にも道を開いたことになる。
大統領は8年ぶりにファスト・トラックを手にするかもしれない。しかし、今回の鉄鋼問題への決定は、様々な通商分野で米国への不信感や反発を広げそうで、内政重視のツケは高くつくことになるかもしれない。