UFJ銀行とUFJ信託銀行を傘下に置くUFJホールディングスは14日、臨時株主総会を開き、自己資本の一部である法定準備金1兆円を今年度内に取り崩すことを正式に決めた。取締役の任期を従来の2年間から1年間に短縮することも決め、経営者としての責任を明確にする。
不良債権処理や保有株価の下落で経営体力が低下しているUFJグループは、02年3月期で6000億円の最終赤字となる見通しのため、UFJホールディングスは法定準備金2兆8800億円のうち1兆円を取り崩し、自社株の取得や配当原資に充てる。取締役の任期短縮は「銀行を取り巻く経営環境の変化に経営陣が迅速に対応できる体制にするため」。
総会では旧役員の経営責任を問う声もあり、小笠原日出男社長は旧経営陣の退職慰労金の返還について「一定のルールを定めており、お願いした全役員から自主的に返還することで了承を得ている」と理解を求めたが、具体的な対象者や金額は明らかにしなかった。 【川口雅浩】
[毎日新聞2月14日] ( 2002-02-14-21:15 )