日立製作所は28日、02年3月期連結決算の当期損失は4800億円(前期は1043億円の黒字)の赤字となる見通しだ、と発表した。赤字額は99年3月期の3276億円を大きく上回り、過去最悪となる。不採算事業からの撤退や早期退職優遇制度の導入に伴う特別退職金の計上などの費用がかさんだ。売上高はIT(情報技術)不況による販売不振で7兆8000億円(前期比7%減)となる。
円安にもかかわらず、通信機器や半導体など国内向け製品出荷の大幅な減少と単価下落が影響し、営業損失は1550億円となる。特に半導体やディスプレー(画面)などの電子デバイス事業の業績が落ち込んだ。
日立は今年6月までに2万930人(うち国内1万1100人)をリストラする予定で、今期決算に特別退職金として1460億円を計上。また、米国のディスプレー子会社のブラウン管製造の停止などで1340億円かけて事業構造を改善する。(18:06)