(回答先: 最終赤字2兆円に迫る 大手電機7社〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 01 日 00:20:21)
日立製作所が2月28日に発表した業績修正では、3月期連結赤字が当初予想の2倍以上に膨らむことになった。その額は過去最悪の4800億円。ITばかりかエレクトロニクスが全般にわたり不振であることを裏付けた。電機大手はゲーム機に支えられているソニーを除き軒並み赤字拡大の渦中で、今期は大手7社だけで2兆円もの赤字になる。“大日立”もその渦の流れに完全に飲み込まれ、いまや先行きには黒々とした暗雲が広がるばかりだ。
5カ月前には2300億円だった連結赤字が倍増予想に修正されたのは「下期に黒字を見込んだ営業損益が大幅赤字となった」(八木良樹副社長)ため。通期で300億円にとどめる予定だった赤字は1550億円と5倍に膨らむことになった。
半導体や通信機器を中心にした日立本体の主要7事業のうち4事業が黒字をキープするが、その利幅は先細り。家電事業や汎用ディスプレーなどの電子デバイス事業は業績不振が拡大し、日立金属、日立建機、日立電線など主要グループ会社が赤字転落。競売入札妨害事件の汚職も影響した。
八木副社長は「想像を超える環境変化」を修正の理由に掲げたが、アナリストからは昨年10月の見通し発表の時点で「見通しが甘いのでは」の指摘が出ており、実際その通りに。
庄山悦彦社長=写真=は「いかに早く情報を集め、早く対応するかが勝負。それに遅れた」と見通しの甘さを認めた。
同社では、海外の部分生産撤退を含めた事業再編や6月末までに全体で2万930人となる人員削減を実施するが、5.3%にやや改善した今年1月の完全失業率の先行きの出鼻をくじくのは間違いない。また課長級以上の管理職の5%賃金カットも実施するが、春闘相場の下げ圧力に加担する。
八木副社長は「今回の谷は深い。それだけに(リストラの実施で)V字回復はするとは思うが、問題はその規模。どこまで顔を出せるか」と、水面までの距離をはかりあぐねているようだ。