ダイエー、金融支援4600億円・再建計画最終案(日経マネー&マーケット)
ダイエーと主取引銀行3行(UFJ、三井住友、富士)が策定した再建計画の最終案が22日明らかになった。主力3行の金融支援額を400億円上積みし4600億円とする。当初50%の予定だった普通株の減資幅を99%に拡大、リストラ原資をねん出する。閉鎖する赤字店舗は10店舗増やし、60店舗とする見通し。ダイエーと主力3行は取締役会で決定したうえで27日に発表する。
ダイエー再建計画の最終案は、UFJなど主力3行が経済産業省や金融庁など関係省庁に報告した。
最終案ではダイエーの赤字店舗の閉鎖数を2割程度拡大する。これに伴う損失負担のため、金融支援を400億円程度増額する。
金融支援では主力3行が今年8月までに1700億円の債権を放棄する。同時に1700億円の債権(ダイエーにとっては債務)の株式化により、1兆7500億円のダイエーの連結有利子負債(カード事業を除く)の圧縮を加速する。債務の株式化は1600億円を優先株で、100億円を普通株で実施する方向で検討する。
一般株主が保有する普通株の減資幅については1月に固めた50%を大幅に拡大。520億円の資本金のうち515億円(99%)を減資する。
有利子負債圧縮と同時に、ダイエー再建の資金繰りを支援するため1000億円の融資枠(コミットメントライン)の新設で調整を進める。日本興業銀行などの準主力以下の銀行については融資の返済前倒しなどを求めないよう資金協力を要請する見通しだ。日本政策投資銀行が主導している企業再建ファンドも活用する考えで、ファンドの出資受け入れを検討する。
ダイエーは1月18日に4200億円の金融支援をテコに有利子負債を1兆円以下に圧縮する再建計画の概要を発表、同社と主力3行が最終案を策定していた。市場関係者には店舗の整理や有利子負債圧縮が不十分との声もあり、最終案では金融支援や店舗閉鎖を上積みすることになった。