現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
http://kabu.zakzak.co.jp/
小泉純一郎首相の得意の公約違反がまた1つ増える。小泉構造改革の象徴的存在である「国債発行30兆円枠」の維持が不可能になったのだ。デフレ不況の深刻化で税収が大幅に落ち込んでおり、国債の追加発行が避けられなくなったためだ。もっとも、小泉首相は依然、緊縮財政路線に固守しており、現在の臨時国会でデフレ対策として補正予算を編成する考えはない。「公約違反ではない」と得意の言い逃れで乗り切ろうとの魂胆が透けて見えるが、そのとばっちりを受けるのは、われわれ国民なのだ。
「30兆円枠」は、昨年4月の首相就任当初から掲げてきた一枚看板だ。「構造改革なくして、景気回復なし」と繰り返し、緊縮財政路線を突っ走ってきた。
ところが、デフレ不況の深刻化で、法人税や消費税、所得税が落ち込み、今年度の税収は当初予算の見込みを約2兆円も下回ることが確実となった。さらに、医療費などの社会保障費や災害復旧費も予想以上に膨らみ、「予算の使い残しなどではとても追いつかず、国債の追加発行が避けられない」(財務省筋)状況となったのだ。
このため、来年1月の通常国会に国債の追加発行と税収の減額修正を盛り込んだ補正予算を提出する方向だ。
もっとも、ここにきて小泉首相は「税収の落ち込みなどでその必要が出てくれば、(枠には)こだわらない」などと発言。さらに、山崎拓・自民党幹事長も「30兆円枠は、財政規律を守っていくという精神。柔軟に対応する」などと首相の考えを代弁し、さかんに予防線をはっている。
30兆円枠を突破しても、「財政構造改革路線に変更はなく、公約違反ではない」と言い逃れしようという魂胆がありありだ。
実際、小泉首相は意固地なまでに緊縮財政に固守している。与党内から現在開催されている臨時国会で、デフレ対策としての補正予算を編成するよう求める声が高まっているが、首相は「3兆円、4兆円の公共事業で景気がよくなるような簡単な話ではない」と、臨時国会での補正をかたくなに拒否。政府が今月末にまとめるデフレ対策に必要な予算措置については、来年の通常国会で対処する構えだ。
しかし、デフレ対策が遅れる一方、不良債権処理の加速だけが強行されることにより、デフレ不況が一段と深刻化するのは確実だ。
高木勝明治大教授は「不良債権処理によるデフレ圧力を緩和するため、5兆円規模の減税などを柱とした補正予算を早急に編成すべき。不良債権処理でハードランディング路線へ政策転換した以上、財政構造改革路線についても大転換する必要がある」と批判する。
小泉首相のメンツを守るための、犠牲になるのはまっぴらだ。