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(回答先: WTOとの関連では? 投稿者 楽観派 日時 2002 年 10 月 15 日 19:47:53)
まず、余計なお世話かも知れませんが気になったので、
>経常収支のうちの資本収支の部分が少し見えるようになりました。
資本収支ではなく、経常収支のうちの“所得収支”の部分ではないかと思われます。
(日本は資本収支が赤字で、中国は黒字です)
中国問題を考えるときには、外国資本を活用しながら輸出拡大を通じて自国の近代化を推し進めたい中国政府と13億人という潜在的巨大市場を持つ中国を近代的に育てて後で刈り取りたい世界経済支配層の“同床異夢”が奇妙なバランスで存在すると見ています。
米国が元安を非難しないのも、成熟しきって刈り取り対象となってしまった日本に代えて、中国を「世界の工場」として育成したいからだと考えています。
直接投資がメインで、輸入は航空機やソフトウェアなど非競争分野のものだけでいいと割り切っているので、“元安”は気にならないどころか歓迎すべきものです。
“元安”であれば、中国産の財が安く輸入できる一方で対中投資が有利に行えます。
(軍事力についても、中国は米国に脅威に対抗するために必死になり、米国は中国の脅威を述べ立てることで軍事力強化を進められるというおかしな“同床異夢”です。米国にしてみれば、新世代はともかく、世代落ちの兵器を中国に買ってもらいたいというのが本音でしょう。そのような動きが現実になったときは米中同盟の成立で、日本は片隅に追いやられます)
>この点に関して、WTOに中国が加入したことはどう関係してくるでしょう?WTO
>は加入後5年以内に人民元を外国銀行が扱えることを条件に中国の加入を認めたわけ
>ですが、その加入5年後の時点まで経常収支の悪化が続き外貨準備がへれば、アルゼ
>ンチン化が現実の問題となると思います。
中国のWTO加盟を恩着せがましく認めた米欧はしたたかだと思っていますし、最恵国待遇の更新問題でいらつかされていたことからWTO早期加盟を志向した中国は愚かだと見ています。
巨大販売市場としての中国の魅力はあるものの、米国などの究極的な狙いは中国に対する金融支配です。
経常収支が黒字であれば、日本も高度成長期の70年までは赤字と黒字の間をふらふらしていたわけですからそれほど厳しい状況にはならないと思っています。
>同時に、中国政府は無制限に政府支出を増やし続けることはできないわけで、こちら
>もどこかで限界がくると思います。ところでこの政府支出は軍事予算が増えている以
>外に何があるのでしょう?それほど公共事業をやってるのでしょうか?
経済成長至上主義、とりわけ、輸出や外資の恩恵を受けにくい内陸部の経済活動を促進するために公共事業を拡大しています。
チベットのラサから青海省までの鉄道建設(世界最高地点の駅ができる)も始まりました。
鉄道と道路そしてダムの建設が中心の公共事業です。
もう一つ大きいのは、8千万人とも言われている失業者に対する政府支出(地方政府を含む)です。
国有企業への銀行融資も政府支出のようなものですが、これは少しずつ減少しているようです。
中国政府は、このような政府支出を続けて内陸部対策や失業者対策を行うためにも、輸出主導による経済拡大を維持しなければならないと考えているようです。
>WTOとの絡みで見ると急激な経常収支の悪化は大きな問題になるような気がします
>がいかがでしょうか?WTO加入=市場経済化の進展+外資=中国の独立路線の終焉
>と考えていいんでしょうか?
経常収支が悪化しなくとも、このまま進んでいけば、中国の経済的独立が脅かされる(外資の差配で経済活動が規定される)ようになることも想定できます。
基幹銀行までが外資に買収されかねないという現在の日本と同じような状況になったときに、左派がどのような動きを見せるかということになります。
中国政府=中国共産党が、世界経済支配層の狙いをどこまで理解した上で現在の政策を続けているのかはちょっとわかりかねます。(ほとんど理解していないとしたら、経済的独立を失うという状況が現実化するかもしれません)