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東京 10月9日(ブルームバーグ):総合スーパー大手、イオンの岡田元也社長は9日午後、都内のホテルで開催したアナリスト向け説明会で、「デフレは継続する。当社のPB(独自企画商品)も経済状況に合わせて、もう一段、二段、価格を下げていかなければならないだろう」との見解を示した。
同社長は、1989年の「ベルリンの壁崩壊」以降、世界の経済体制が自由経済に収束しつつあると説明したうえで、「共産圏や中国圏が加わり、サプライヤーが増えている一方で、日本ほど他国との価格差が大きい国もない。デフレは必然だ」と述べた。
同社長はまた、イオンが開発した高品質PB群「セレクト」の販売は好調だと説明したうえで、低価格商品と高付加価値商品の「組み合わせが大事だ」と語った。
マイカル更生計画の提出−「若干遅れる」
説明会に出席したアナリストからは、イオンがスポンサーとして経営再建を支援するマイカルについて、情報開示を求める質問が寄せられた。マイカルの事業管財人を務める岡田社長は、マイカルの営業状況について、「順調に行っていると思う。すべては裁判所のもとにあるが、リスクは想定していない」と答えた。
ただ、今年末が計画されていた更生計画案の提出時期については、「若干遅れるだろう」と指摘した。マイカルの経営再建に詳しい関係者などによると、更生計画案の提出は半年程度ずれ込む見通しだ。
5000人を削減へ
同説明会で営業部門を担当する古谷寛副社長は、今年4月8日の2002年2月期決算発表時に公表した「営業改革」に関する具体的な進ちょく状況と、人件費圧縮のための今後の施策を説明した。
会社側は4月8日時点では、「2005年度までに販管費を600億円削減したい。現在(2002年2月期)26%の売上高販管費率を2005年度に22%に引き下げる」(岡田社長)としていたが、今回は「2004年度までの3年間で人件費を既存店で226億円削減する。人員数で言えば、5000人減る」(古谷副社長)と説明。前回に比べて、詳細な人件費抑制策を示した。
同社は4月以降、スーパー事業にかかわる中間管理職(販売課長や販売主任など)を順次、廃止。店長と従業員のフラットな組織に変更した。
またIT(情報通信)化の推進によって店舗後方支援業務を簡略化したほか、レジを1カ所に集中させることで従業員の労働効率を高めている。一連の施策により、「785人を新店に振り向けることができたほか、962人を業務見直しのための特別プロジェクトに配置できた」(古谷副社長)という。
店舗レベルでの人員削減策は、秋田県八郎潟にある「五城目店」を実験店として、組織体制の改編を練った。同店舗では、商品陳列や商品補充のプロフェッショナル集団「店出しオペレーションチーム」と、顧客案内などを務める「サポートチーム」を編成。総体として従業員数を減らすものの、売り場での業務を専門化することで顧客との会話の機会を増やしているという。
古谷副社長によると、店頭に設置した「問い合わせカード」(顧客アンケート)の回答数は、今回の制度改正により従来の3倍に増加、反応も良いという。今後は全国で同制度を導入していく方針だ。
イオンの株価の午前終値は前日比40円(1.3%)安の2915円。