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jimmyさんへのレス:1929年「大恐慌」の解消過程と現在との対比 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 09 日 18:16:48:

jimmyさん、こんにちわ。

私の説明をわかりやすいかたちでまとめていただきありがとうございます。


>ところで、1929年から、米は空前のデフレ経済、大恐慌に見舞われましたが、米政府
>はどのようにしてこの難局を克服したのでしょうか。そして、その手法は、現在でも
>有効なのでしょうか? 愚問かとも思いますが、是非あっしらさんの解説をお願いし
>ます。

1929年から始まった「大恐慌」は、現在の小泉政権と類似的なフーバー政権の政策でさらに加速化し、1933年が大底になりました。
1933年に就任したルーズヴェルト政権は、ニューディール政策という97年まで日本政権のような公共事業投資の拡大で「デフレ不況」を解消しようとしましたが、緩和という程度の効果でした。
以降も、法人税の引き上げ、富裕税の導入による所得移転効果で「デフレ不況」を少しずつ緩和していきましたが、「デフレ不況」を解消するには至りませんでした。

第一次世界大戦とその後のバブル景気で拡大した供給力と沈滞した需要のギャップを埋めることができなかったわけです。
世界経済の中心になっていた米国が大不況に陥ったのですから、先進諸国もそのあおりをもろに受け、自国の生き残りをかけたブロック経済政策に移行しました。
世界の通貨的“富”の多くを持つ米国に思うように輸出ができなければ、米国から輸入をすることもできません。
これは、米国経済にとっても、国内の需要不足を輸出で補えないことを意味します。

米国が「デフレ不況」を解消するきっかけになったのは、1939年に始まった第二次世界大戦です。それが軍需物資や生活物資の欧州向け輸出拡大につながり、1941年末の対日戦により、「国家総動員体制」の戦時経済構造が確立することで「デフレ不況」から好況に転じました。

これは、国家が生き残りという大義名分で借金をしまくって需要を拡大し、経済活動をフル活動にもっていくという手法です。

日本を含む現在の先進諸国は、戦後長期に渡って公的債務を拡大させながらのケインズ政策を実施して財政危機に陥っていますから、同じ手法が使えるわけもありません。
戦後の世界的な経済成長は、間延びさせた薄めた「戦時体制」(財政赤字をいとわないという意味で)を支えとした国際交易の拡大によるものです。

国家の需要拡大策による需給ギャップ(デフレ・ギャップ)の補填ができないのですから、別の手法に頼るしかありません。

いまできる唯一の合理的な政策は、民間の手にある“余剰通貨”を給与というかたちで使わせることです。
国家という主体が需要を拡大できなくなったり、国際交易で黒字を上げられなくなったら、「供給=需要」というセイ的法則が現実化することになります。

同じ量の財や用役の供給を高いコストで行って需要を拡大するしかないのです。

そして、それを「近代経済システム」でスムーズに行える先進国は、5兆円を超える貿易黒字を計上している日本だけです。
貿易黒字である先進国だけが、“余剰通貨”を資本化させることによって、「供給<需要」という近代的発展条件を維持することができます。
(貿易赤字ということは、端から「供給>需要」です)

好条件を維持している日本という国民経済で「デフレ不況」を解消できない統治者は、無能か売国者だと断じます。


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