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竹中平蔵経済財政・金融担当相が3日の速水優日銀総裁との会談で、中央銀行に一定の物価上昇を目指した金融政策を義務づける物価目標(インフレターゲット)制度の導入を求めていたことが分かった。日銀は否定的だが、金融相は不良債権処理加速で生じるデフレ圧力を和らげるにはインフレターゲットが有効、との認識とみられる。政府は日銀と一体で総合デフレ対策をまとめる方針で、10日から日銀が開く金融政策決定会合でも議論になりそうだ。
関係者によると、竹中金融相は3日の会談で、不良債権処理の加速を表明したうえ、「公的資金が必要なら注入する」と明言、「日銀にもやってほしいことがある。インフレターゲットだ」と速水総裁に求めた。同席した日銀幹部が「タブーではないが、合理的な論議が必要だ。勉強している」と応じると、竹中氏は「勉強の成果を早くみせてほしい」と畳みかけた、という。
インフレターゲットは、英国やニュージーランドが物価高騰を抑える手段として採用している。日本では逆に、将来のインフレ予想を広めて消費や設備投資を刺激し、需要を高める仕組みとして導入に積極的な声がある。竹中氏も金融相を兼務する前から採用を提案していた。
金融相を兼任して間もない竹中氏が日銀に導入を求めたのは、不良債権の処理に伴うデフレ圧力の高まりを心配しているためとみられる。
竹中氏は、銀行の資産査定を厳しくして、貸し倒れに備える引当金の積み増しを迫る方針を打ち出している。銀行が、引当金増の対象となった融資先への貸し出しを絞ったり、打ち切ったりすれば、企業倒産が急増して需要が一段と冷え込む可能性がある。
一方、日銀は、金融市場に潤沢に資金供給していても実体経済にお金が回っていない現状を踏まえ、「いまの物価をすぐに上げられるような金融政策手段はない」と、インフレターゲットには一貫して否定的だ。物価を上昇させるために株や不動産を購入することにもつながりかねず、「日銀財務の健全性をゆがめ、通貨の信認を損なう」と強く反発している。 (03:00)