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(回答先: 「フィアット創業家、ユベントス売却を」2002/10/23 【日本経済新聞】 投稿者 hou 日時 2002 年 10 月 27 日 12:50:21)
【ミラノ=小林明】イタリアで労使対立が先鋭化してきた。同国最大の民間企業フィアット・グループが大規模な人員削減策を発表したのがきっかけだ。十八日には最大労組のCGIL(組合員約五百五十万人)が全土でゼネストを決行し、経済への打撃を懸念する声も出ている。
CGILは全国約百二十都市で抗議デモを開き、ゼネストにより鉄道の約四割が運休した。空港も八時間にわたり業務を中断し、国営アリタリア航空はほぼ半分の二百七十五便が欠航した。銀行や郵便局も窓口業務を縮小し、混乱が続いた。
十七日には閉鎖が予定されているシチリア島のフィアット工場の従業員と家族千五百人以上がローマの首相府周辺に押し寄せ、警官隊と向かい合った。三大労組傘下の金属労組も十一月上旬までに八時間ゼネストを打つ計画で、労働争議は長期化しそうな雲行きだ。
フィアットは国内従業員の約二割に当たる八千百人を削減する計画を表明した。大手銀行のリストラ発表も相次ぎ、この数週間で二万人以上の削減計画が表面化したことから労組は対決姿勢を強めている。政府はフィアットの工場閉鎖を回避するため資本注入を検討しているが、十六日に大手銀四行から協力を拒否され、救済策は暗礁に乗り上げている。
【図・写真】17日、ローマでデモ行進するフィアットの労働者たち=AP