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(回答先: 「最後のまやかし屋」「やけ」「大失敗」と酷評 銀行保有株買い取りで 共同 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 9 月 21 日 20:36:15)
日銀が銀行保有株の買い取りを決定したことについて、欧米の市場やメディアでは「まやかしの短期的な株価維持策」との批判が目立つ。一方で、金融当局や知日派のエコノミストからは「公的資金の再投入などによる不良債権の抜本処理への動機づけになり得る」との期待感も出ているが、期待派も日銀の“奇策”が「日本政府が問題の先送りを続ければ、意味がない」との見方で一致している。欧米は、日銀の決断を受けた、小泉純一郎政権の次の一手の行方を注視している。
【ワシントン竹川正記、ロンドン福本容子】
20日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙は社説で、「『レンダー・オブ・ラストリゾート(最後の貸し手)』でなく、銀行のモラルハザード(倫理感の欠如)を助長する『最後のごまかし屋』に墜ちた」と日銀の決定を酷評。「デフレ終息にも不良債権処理にも寄与しない捨てばちの行為は、大失敗に終わるだろう」と突き放した。
「世界第2位の経済大国は、今やバナナ共和国のようだ」。20日付の英タイムズ紙も、「日本のルビコン」と題した社説で、厳しく批判した。バナナ共和国とは、政治・経済の運営能力がなく外貨に操られるばかりの小国を表す蔑視用語。今回の日銀の決定に最も似通った過去の事例として、中国返還後の香港政府による相場押し上げ狙いの株買い上げを挙げて「日本はだめな企業が、政治家と公的資金によって救済される国だという印象を改めて世界に与えるだけだ」と論評した。
ロンドン・エコノミスト誌も「一時的な株価押し上げ以上の効果はなく、今や日銀の独立性は疑わしい」と、日銀の信任失墜を警告している。
一方、米政府は、政府が銀行と企業部門のリストラを加速させることを前提に「(不良債権処理の環境整備として)重要な一歩になりうる」(ダム財務副長官)と評価している。
日本経済に詳しい米国際経済研究所のアダム・ポーゼン上級研究員も「当局が現在の日本が金融危機にあると認めた点では意味がある」と指摘。そのうえで(1)銀行への公的資金再注入と不良銀行の一時国有化(2)政府が不良債権を買い上げ、民間に迅速に売却する(3)減税を含む景気刺激策――など「経済再生のビッグパッケージの“起爆剤”になればいい」と期待する。ただ、同研究員は、不良債権処理の抜本策を避ければ、「9月中間決算を繕うだけの無意味な政策になるだろう」と警告している。