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(回答先: 供給=資本=投資の増加??? 投稿者 baka 日時 2002 年 8 月 12 日 21:27:50)
bakaさん、こんばんわ。
>賃金を上げるというのは、結局のところ、国民個人個人に投資することと、それら個
>人個人に投資の機会(原資)を与えることによって、経済を維持しようという発想な
>のでしょうか?
端的には、財の供給量を増加させないで通貨ベースの供給を拡大しようとする政策です。
賃金を上げることは個人個人に投資の機会を与えることにもなりますが、第一義的には、産業連関的に財の消費額を増やして、財の価格を上昇傾向に転換させ、過剰設備(固定資本)をスムーズに稼働できるようにしようというものです。
(そのために、消費性向が高い中低所得者を中心とした賃上げを提唱しています。それが無理なら、所得税ベースで中低所得者の可処分所得増加を行うべきだと提唱しています)
過剰気味な生産設備状況で、設備投資を呼び掛けても乗ってくる経済主体は少ないはずです。そして、破綻寸前の経済主体は別として、債務のほとんどが、設備投資(店舗などを含む)に形を変えているはずです。
過剰債務というのは、固定資本になっている資本部分がまともに利益を生み出していないことを意味します。人は解雇もできますが、債務が転化したものである固定資本の廃棄は命取りです。現在の経済状況が続けば、過剰債務がさらに膨らんでいきます。
賃金を増やしても財の供給量が増えなければ、サービス業などに支出される部分もあるとしても、まわり回って財の購入に向く通貨量が増加して、財の価格を上昇させます。
サービス業など非直接的労働成果財に向けられる通貨が増加すれば、新規事業も興ってきます。
競争力を誇っている労働成果財経済主体の供給=資本が増加することで、競争力に欠ける農業経済主体やサービス業も所得を増加させてきたというのが戦後日本の歴史過程です。
設備投資ではなく従業者への投資を増加させることで(従業者にとっては所得増加を意味する)、産業連関的に様々な業種の所得を増加させ、財の価格を上昇させ、新規投資機会も増やすという方策しか、日本を含む先進諸国が採りうる残されたまっとうな手だてはないと考えています。