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今秋、倒産ラッシュが襲来? 竹中平蔵経済財政担当相が8日、発表した8月の月例経済報告。「景気は依然厳しいが、一部に持ち直す動きが見られる」とし、景気判断を据え置くノー天気な見方を示した。だが、ちょっと待った!米国の株安など世界経済は混迷を極め、「一部に持ち直す」という好材料は皆無に等しく、景気の実態は腰折れ状態。株価下落で金融9月危機説も取りざたされるなか、大倒産時代が懸念され、未曾有の失業者さえ出しかねない。
まさに耳を疑う報告だった。竹中経財相が関係閣僚会議に出した景気判断の基調は、「一部に持ち直す動き見られる」とし、「景気の底入れ」宣言から「底離れ」とする7月とほぼ同様の考えを示し、据え置いた。
だが、この月例報告は主に6月の経済指標を基準にしている。そこから類推すれば、こんな楽観的な判断など口が裂けても言えないはずだ。
米中枢同時テロに加え、ワールドコムやエンロンなど米超大手企業の不正会計、破綻(はたん)など、米国の信用不安は次から次へと噴出し、株安、ドル安の「米国売り」はまだ終息しない。
「米国がくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」ように、そのまま日本経済を直撃し、平均株価はこのところ、1万円割れの状態が続く。
8月6日には、2月6日につけたバブル後最安値(9420円85銭)に18円56銭にまで迫る9501円02銭まで落ち込んだ。
銀行株を例にとると、平均株価が1000円下落すると、大手銀行の保有株の含み損は2兆円増えるとの試算があり、1万円割れ水準で、大手行の含み損は2兆5000億円に達しているともいわれる。
内閣府発表の景気ウオッチャー調査(7月)でも、3カ月前と比較した景気の判断指数が3カ月連続で下落している。
こんな状況だから、家計の消費動向も上向くはずがない。国民の金融資産が約1400兆円もあっても、財布のヒモは固く、今夏のボーナス支給額が著しく減ったため、買い控えは収まらない。
「台風が2度直撃したことも影響した」(大手百貨店)こともあって、小売りの消費は回復の兆しすら見えない。
案の定、完全失業率は史上最悪の5.5%に次ぐ5.4%と、横バイの高止まりで推移、368万人に達した。前年6月比で実に30万人も増加したことになる。
景気底入れを支える原動力の輸出も、米国経済の恒常的悪化で不安定要素が付きまとい、先行きは五里霧中…。
竹中経財相は8日の会見で、「(米国の株安について)日本の実物経済に決定的な影響を与えているわけではない」と話し、影響は限定的なもの見方をした。
だが、冷え込み続ける景気と、あふれつづける失業者の現実をどう解釈してのことなのか。
国際通貨基金(IMF)も8日、対日経済審査の年次報告で、平成14年の日本実質GDP(国内総生産)の伸び率を政府の見通しである0.0%を下回る0.5%のマイナス成長−という厳しい予測を示している。
デフレが進行するなか、政府が今すぐに抜本的な景気対策を打ち出さない限り、今秋にも企業のドミノ倒し的な大倒産・失業ラッシュが起こらないとも言えかねない。