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(回答先: Re: 米国が食糧輸入国になれば... 投稿者 招き猫 日時 2002 年 8 月 22 日 11:17:33)
自然収奪的農法による農業生産性の劣化はともかく、経済論理からも、米国が農産物輸入国になる可能性を書きましょう。
スティグリッツ教授も指摘しているように、米国の農産物輸出は、輸出価格の半分に相当する補助金で成り立っているのです。
この意味を考えてください。
補助金がなければ、農産物輸出では利益が出ず、不況下では国内向け販売でも利益を出すことが難しくなります。
利益が出ない財の生産は縮小されるのが市場原理の定めです。
6兆ドルの連邦政府債務と今年度1600億ドルの連邦政府赤字という財政状況で、不況が深刻化しドルの還流も思うように行われなければ、社会保障関連費用の増額が必要になるなかで各種補助金などその他の財政支出を削減しなければならなくなります。
(軍事行動を拡大すれば、増加する戦費とのトレードオフという問題も出てきます)
農業資本に国家が所得補償することで輸出や内需の農産物を生産し続けるほうがいいのか、米国農産物よりもネットで安いアルゼンチンなど外国から輸入したほうがいいのかをまじめに考えなければならなくなります。
日本の統治者は、食糧自給率が40%になっている自国の生存基盤を維持するために、現状だけではなく、中長期的な視点で様々な問題を考察しなければならないのです。