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(回答先: 米ワールドコム、破産法の適用を申請−米史上最大規模の破たん【ブルームバーグ】 投稿者 招き猫 日時 2002 年 7 月 22 日 14:43:41)
米長距離通信大手のワールドコム <エンロンに続く破たんで不安が増幅する恐れ> みずほ証券シニアマーケットエコノミスト、原敏之氏は、エンロンに続く今回の米巨大企業の破たんについて「エンロン破たんのときは、まだ1社だけということで、米社債市場から大規模な資金流出は起きなかった。ただ、今回は2回目であり、不安が増幅する恐れはある」という。 <米経常赤字ファイナンスを大きく左右するのは対米社債投資> 関係者によると、米経常赤字のファイナンスを大きく左右するとみられているのが対米社債投資だ。
ただ、原氏は、「長期的には、ドルに代わる受け皿がない現状では、ドル資産からの大規模な資金流出があるとは考えにくい。また社債から流れた資金がエージェンシー債や米国債に移動することもある」としながらも、社債市場からの資金流出がドル資産からの資金逃避につながれば、米経常赤字のファイナンスに問題が生じる可能性は小さくない、と指摘している。
米国の2002年第1・四半期の経常赤字(季節調整済み)は、1124億9000万ドルで、過去最大の数値となっている。
これまで強いドルを背景に米国に資金が流入し、その巨額経常赤字をファイナンスする、という構図が続いていた。しかし、経常赤字がGDP比で約4%と空前の高さとなるほか、米国経済や企業に対する不信がつのっているなか、米国への資金流入量が減少して経常赤字のファイナンス構造そのものが崩れる懸念が浮上してきた。今回のワールドコム破たんは、そういった懸念を助長しかねない要素をもっている。
対米同時多発テロ事件をきっかけに、資本収支もしくは米経常赤字のファイナンス構造は大きく変化した。M&Aといった対米直接投資が落ち込んだほか、対米証券投資自体はほぼ横ばいだが、株式投資が落ち込んでいる。対米債券投資は、その差を埋める形で増加していた。
具体的には、2001年1─3月期、4−6月期と約73%であった債券投資の比重が、テロ事件のあった7─9月期に89%に増加。10─12月期も79%、2002年1─3月期も81%と高水準を維持している。
とくに、債券投資のなかでも、世界で最も流動性の高い米国債はディーリング用に用いられるため、売買額の変動が大きいが、高格付けの社債や日本の財投機関債にあたるエージェンシー債は安定した需要があり、対米証券投資のコアとなっている。
2002年1─3月期の対米証券投資は、株式176億ドルの買い越し、米国債30億ドルの売り越し、エージェンシー債301億ドルの買い越しに対し、社債は486億ドルの買い越しと最も規模が大きかった。
国際証券チーフエコノミスト、水野和夫氏は、基本的に需要が存在するドルという基軸通貨を持つ米国と他の非基軸通貨国を同列に議論できないとしたうえで、「株式投資と直接投資が減少するなかでは、経常赤字が空前の規模になる状況下で、対米債券投資がファイナンスの大きなカギを握る」と述べる。
こうした状況にあるだけに、みずほ証券の原氏らは、今回のワールドコムの破たんで米社債市場への不安が増幅すれば、社債市場からの資金流出を通じて、米経常赤字のファイナンスに懸念という結びつきになって影響が避けられなくなるリスクがある、という。