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(回答先: ワールドコム破たんで米社債に不安、米経常赤字のファイナンスに懸念=専門家[東京22日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 22 日 14:50:21)
【ニューヨーク21日=夕刊フジ特電】
巨額粉飾決算に揺れる米長距離通信2位のワールドコム=写真=は21日夜(日本時間22日午前)、米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を、ニューヨーク連邦破産裁判所に申請した。資産総額は日本円にして12兆円を上回り、昨年末に破たんしたエンロンをこえる米史上最大の経営破たんとなった。
総資産は約1038億ドル(約12兆400億円、3月末)と、昨年12月に破たんしたエネルギー卸売り最大手エンロンの634億ドル(破たん当時)を大幅に上回り、負債額は300億ドルを超える。米史上最大の破たんになっただけでなく、世界的にもまれに見る巨大倒産となった。
ワールドコムは、長引く通信不況による業績低迷で、企業買収などに伴う膨大な債務が経営を圧迫するなど経営環境が悪化していた。
しかし致命傷となったのは、6月末に大規模な利益の水増しが発覚したこと。今年1−3月期までの5四半期にわたり、通常費用を設備投資費として不正計上し、償却費などを控除する前の実質利益を総額で約38億ドル(約4400億円)水増ししていた事実を6月25日に公表した。その後、銀行団が新規融資枠の供与に難色を示し、資金繰りが悪化していた。
また粉飾決算の発覚で米国証券取引委員会(SEC)など米当局が本各調査に着手、機関投資家による損害賠償請求も相次いでいた。
同社のシジモア最高経営責任者(CEO)はマスコミのインタビューに対し、ワールドコムは会社更生手続きの適用を申請したあと、「より健全な企業として9カ月から12カ月以内に会社更生手続きの適用から抜け出せると思う」と発言。事業も20億ドルの事業再生融資を確保できる見通しとなったことを理由に、「継続できる」と話している。
しかし先行きの不透明感は高まるばかり。米国ではエンロンの不正会計発覚以来、不正が相次いで発覚しており、ワールドコムの破たんで、「不正会計発覚→破たん」の進行表が定着化しつつある。米株価低迷に拍車を掛けているだけでなく、ドル売りを呼ぶなど世界経済への影響も著しいため、議会では新法制定などの動きも激しくなっており、秋の中間選挙への影響も取りざたされるなど、波紋が広範囲に及ぶことが避けられない情勢となっている。
◆邦銀債権423億円、市場への影響は?
経営破たんした米通信大手ワールドコムに対してみずほコーポレート銀行や東京三菱銀行など国内大手4行が融資を行っており、融資残高は、日本円換算で総額約423億円に上っている。これらの融資が焦げ付く可能性もあり、今後も米企業の不正会計や経営悪化が続けば、不良債権がさらに増えて邦銀の経営に思わぬ痛手となる懸念が強まりそうだ。
柳沢伯夫・金融担当相は9日の衆院財務金融委員会で、「主要行12行のうち、融資を実施している大手4行の与信残高の合計は6月時点で、約3億6500万ドル」と明らかにした。1ドル=116円で計算すると、423億円となる。
ワールドコムへの融資残高は、みずほコーポレートと東京三菱銀が150億−200億円、UFJ銀行が数十億円。このほか、住友信託銀行が数千万円程度とみられる。
昨年末に破綻した大手エネルギー会社エンロンのケースでは、日本の主要行が総額1000億円弱を貸し付けていた。また、同社債を組み入れていたMMFが元本割れし、大きな損失が出るなど日本の金融市場にも大きな影響があった。
今回のケースでは、ワールドコムの社債や株式を組み入れた商品を扱う投信会社はあるものの、ファンド全体に占める比率は低い。不正会計の表面化と同時に全株を売却済みの会社もあり、「エンロンショック」の二の舞となる可能性は小さそうだ。
また、各邦銀は海外資産を急速に削減しているため、ワールドコムの破綻で損失が出ても格付け自体に影響はないとみられる。
しかし、米国企業の不正会計疑惑はとどまるところを知らず、株価も低迷するなど、自己資本比率の維持に苦しむ邦銀にとって環境は厳しい。
今後も経営破綻が続けば、邦銀も対岸の火事では済まされなくなることも予想される。
ZAKZAK 2002/07/22