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ニューヨーク 7月21日(ブルームバーグ):米長距離通信大手ワールドコムは21日、連邦破産法11条(会社更生法)の適用を申請したと発表した。同社は、粉飾決算が表面化、経営難に陥っていた。資産総額は1070億ドル(約 12兆4300億円)、負債総額は410億ドル(約4兆8000億円)で、昨年12月に破産申請したエネルギー大手エンロンを上回り、米企業史上最大規模の経営破たんとなった。
ワールドコムは先月、過去5四半期にわたり総額38億5000万ドルの費用を隠し利益を水増ししていた事実を認め、決算を再計上すると発表。ニューヨーク大学スターン校のアルトマン教授は「会計問題が発覚して以降、恐らくワールドコムは企業顧客を失い、供給業者には債務の期限内返済を求められ、負の連鎖反応が起きた」と指摘する。
しかし、破産申請により、再建への道が開ける可能性もある。デルテック投資顧問のヒンデス氏は「ワールドコムにとっては破産の方が好都合だ」と指摘、「これまでは現金の浪費が激しかった。破産法が適用されれば、債務は再編成され、借金過多が解消される」と語った。
ワールドコムの設立は1983年。ミシシッピ州の中小企業としてスタートした同社は、75社以上の企業買収を通じ、わずか20年足らずで米国2位の長距離通信会社に成長。インターネットの情報伝送では世界全体の半分以上のシェアを握った。
業界最大手AT&Tに挑むため、相次ぐ企業買収で事業を拡大していたワールドコムの経営環境が急変したのは1999年以降のこと。売り上げ減少と債務拡大が業界に重くのしかかるなか、同社の株式時価総額は1000億ドル(約11 兆6000億円)以上目減りした。
19日の株価終値は前日比変わらずの0.09ドル。粉飾決算を発表した6月 25日以降、株価はすでに90%以上下落している。最高値は99年に記録した62 ドル。