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【ワシントン竹川正記】
米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、日本がデフレによる経済危機に陥る過程を分析した「デフレ回避―90年代の日本の経験からの示唆」と題する論文を公表した。論文は日銀など日本の政策当局が「本格的なデフレ状態に陥ることを予期していなかった」と説明。そのうえで、91〜95年初めに日銀が行った利下げに関し、「日銀が実際に実施したよりも2%多く政策金利を引き下げていれば、デフレは回避された」と、小出しの対応が失敗を招いたとの見方を示している。
さらに、論文は「インフレ率がマイナスとなり短期金利がゼロ水準に近づけば、金融政策対応で景気を回復させるのは一層困難になる」と、デフレ下では金融政策による景気刺激効果が機能しなくなると説明。「日本の経験から、デフレリスクが高まる局面での金融・財政政策は、通常時に正当化されるレベルを超えた対応が必要だ」と結論づけている。
FRBでは、今回の論文について「公式見解を示したものではない」としているが、執筆にはスタッフ13人が参加する大掛かりな研究。日本の失敗の経験を「他山の石」として米国の金融政策に生かそうとする意図もうかがえる。
一方、市場関係者の間では「低水準の金利を修正するため早期利上げを求める声もある中、FRB執行部が現行のフェデラル・ファンド(FF)レート年1・75%の水準を長期に維持することを正当化する意図も込められているのでは」(米国野村総研)との見方も出ている。