現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 【補足】供給と需要 − 「政府紙幣」発行論者の陥穽 − 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 12 日 21:09:18)
供給=需要が妄言、と暴言を吐いたのは、自由主義経済下で好き勝手に供給をコントロールすることが可能ではないと言いたかったためである。
供給が増えるのは、需要が高まると予測できる環境にあり、新規投資がペイすると企業部門が考える時のみである。海外国内市場ともに
そんな状況にはないことは明らかだ。
需要が先か供給が先かというのは鶏と卵の議論みたいなものだが、少なくともデフレ下においては需要を刺激することが正しいのは間違いない。供給を無理矢理増やしても売れない在庫が積みあがるだけだし、優良企業の社員の給料を増やしてそれをもって供給増と定義したところで、定義しただけの話で誰もそんなことは実行しない。
政府紙幣を発行しても、生産拠点が海外へシフトすればその分、国内で上げられたであろうGDPと雇用が小さくなるのは事実である。
しかし、なぜ海外生産シフトが進んでいるかというと、デフレによる低価格化競争激化の面が相当ある。日本の経営者は、そこそこの
経営が成り立つのなら国内でクビきりもしたくないし、文化の異なる外国で余計なリスクなど抱え込みたくない、と考えているのである。
海外移転を行い、社員のクビを切るには莫大なコストがかかる。それでもやるのは、これがいわばラスト・リゾートだからである。後がないわけだ。
そういう状況に追いこまれる企業が過半を占める前に政府は即座にこの政策を決断する必要がある。今ならまだ大したことにはならない。
政府紙幣により景気刺激を十分に行えたなら、海外生産シフトが加速度的に高まるようなことは考えられない。要は、デフレを
直ちに止め、需要を増大させることが喫緊の課題なのである。構造改革だの、不振企業の整理統合だのを進めると、これまで良かった
企業までがどんどん悪くなってゆく。
許容範囲のインフレなり円安なりが進行するまで政府は紙幣を刷るべきだ。全てを需要増に使う必要はない。一部は累積財政赤字の
穴埋めや銀行の不良債権問題解消に使っても良かろう。「政府紙幣の活用」をキーワードに正統派デフレ経済学を早急に打ち立てる
べきではあるまいか。