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[転載]
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日本脱藩のすすめ 第77号
国破れて山河在り(1)
2002/10/01
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■■■ 「ブエノスアイレス、夢のかけら」
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■■■ http://www.netlaputa.ne.jp/~kagumi/articles02/0209-4.html
『LE MONDE Diplomatique』(ル・モンド・ディプロマティーク)という月刊の新聞
紙の存在を知る読者は多いと思います。
http://www.netlaputa.ne.jp/~kagumi/index.html
最近、その『LE MONDE Diplomatique』から「ブエノスアイレス、夢のかけら」と
いう邦訳記事が載りました。かつて十代の頃に半年かけて南米大陸を放浪した編集子
の場合、およそ3000キロにわたってヒッチハイクでアルゼンチンを縦断した体験
があります。その編集子が、「ブエノスアイレス、夢のかけら」を一読して特に印象
に残った箇所があります。
…子供たちは空腹のため、学校で倒れてしまう。たいていの生徒に
とってその日唯一の食事となる食糧を食べそこねないようにと、小
学校の欠席率が減少したのは予期せぬ効果だった。子供が病気で学
校を休むと、その日の給食をもらって帰るために母親がお皿を持っ
て学校にやって来ることがある。これは今年の1学期に国内でも非
常に貧しいトクゥマン州で起こった話だが、今では国中で見られる
ようになった。ブエノスアイレス州も例外ではなく、州内の小学校
100校では2002年7月の冬休み中、食堂だけは開けておくという
前例のない措置をとった。青少年が充分に栄養をとっていないとい
う問題が目に付くようになったのは2年ほど前からだが、ここ数カ
月でいよいよ顕著になってきた。今では小学校だけでなく、中高生
にも影響が出ている。…
編集子の場合、アルゼンチンには心の父母とも言うべき人たちがおり、その孫娘の
ゴッドファーザー(代父)にもなっているだけに、貧困な生活に喘ぐ第2の故郷アル
ゼンチンの今後が心配で仕方がありません。
それはさておき、「ブエノスアイレス、夢のかけら」全体に目を通していただけれ
ば一目瞭然ですが、あたかも現在のアルゼンチンは敗戦直後の日本を彷彿させるので
はないでしょうか。かつてはあれほど豊であったアルゼンチンを今日のような姿にし
たのは、無能なアルゼンチンの中央政府・州政府もさることながら、アルゼンチン経
済を牛耳ってきたIMF(国際通貨基金)の存在を見逃すわけにはいきません。
IMF等によって国の経済をずたずたにされたアルゼンチンに、投資家という名の
ハイエナが群がっています。ハイエナが狙っているのは、アルゼンチンの豊かな大草
原地帯(アルゼンチンのラプラタ川流域、ブエノスアイレスを中心にウルグアイまで
広がる大草原。土壌は肥沃で大農牧地帯。小麦・トウモロコシなどの産が多く、牛・
豚・羊の牧畜が盛ん。アルゼンチンの大草原のことをパンパスとも言う)なのです。
そうした投資家たちの動きは、21世紀のキーワードの一つが農業であることを教え
てくれます。ちなみに、テッド・ターナー、ベネトン、ソロスといった大物の投資家
も名を連ねているのです。
以上、アルゼンチンの財政破綻とその後について簡単に述べましたが、翻って日本
の場合はどうでしょうか。一言で言えば、小泉首相が進めている倹約政策は、あたか
も徳川吉宗を彷彿させる政策であり、このような倹約政策が続けば、間違いなく数年
の内に日本の財政が破綻することは目に見えています。果たして、日本の財政破綻を
避ける妙手は残されているのでしょうか。