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(回答先: Re: 米国１ドル紙幣について教授陣の前で説明し、しらけさせたわたし 投稿者 超現実 日時 2002 年 9 月 14 日 04:38:37)
ついでですのでアメリカの中央銀行の特殊性について書き足しておきます。
米国中央銀行Federal Reserve Bankを日本では「連銀」などと表記しますが、不適切です。固有名詞ですから、「フェデラル＝リザーブ銀行」と表記する必要があります。小包便で有名なFederalExpress を連邦速達便などと呼ばず、Fedexあるいはフェデックスと呼ぶのがふさわしいのと同じ意味で。FederalExpressをFederalとついているからといって、アメリカ人はこれを連邦政府の機関とは思っていませんが、Federal Reserve Bankについては連邦政府の機関と信じていいます。Federalは単なる名前、商標の一部に過ぎないのですが。
Federal Reserve Bankは商業銀行ですが、アメリカを１２の地区に分けて、それぞれに支店をおいています。驚くのは、公定歩合をそれぞれの地区・支店が独自に決めていること、及び、紙幣をそれぞれの支店が印刷発行していることです。日経新聞などによくアメリカの公定歩合と称して，「ニューヨーク連銀」などの数字をあげていますが，これはあくまで一つの指標にすぎません。また，お手元にドル紙幣をおもちのかたは，表面を見て下さい。左側に輪があり，その中にアルファベット大きく一文字はいっていますが，その周りに，この紙幣がどの支店で発行されたか，地名が書かれています。例えば，シカゴ支店とか，アトランタ支店とか，という具合に。
Federl Reserve Board（FRB） 連邦準備理事会 と呼ばれるのは，支店長によって構成される、まあ、取締役会のことです。その議長を務めるのが，現在はグリーンスパン氏です。この議長は１２年任期。FRB側で推薦した人物を大統領は任命しなければなりません。大統領は議長を罷免する権利を持っていません。また，議会はこのFRBに対し，国勢調査権をもっていません。一年に一度１枚程度のレポートを議会に出すだけが義務です。したがって、行政権からも，立法権からもコントロールできません。実際中で何をやっているのか，誰も知らないのです。アメリカの超権力的民間機関です。日本政府は日本銀行の株を５１％持つことが決められていますが、FRBの株を連邦政府はもっていません。議長は大統領より権威がある，と見られても仕方がない余地があります。
この機関FRBと他の銀行は契約することがあります。それは、このFRBankの株を購入すれば、その銀行が資金不足に陥ったとき，資金手当てをしてくれるのです。ただし，このBoardの査察を許可するのが義務となっています。従って，すべての銀行がこうした契約を結んでいるわけではありません。株を買うメリットがなく，査察を受けコントロールされるをいとう銀行は，この契約を結んでいません。銀行によって，バラバラで，８０年代の前半は多くの銀行がこの契約を離脱したことがありました。つまり、このBoardのコントロール下にない独立系の銀行が実にたくさんアメリカにはあります。
１９１３年FederalReserveActという法律ができるまで，各々の銀行が独自の紙幣を発行していました。Bank of America, Wells Fargo Bankなど，それぞれ紙幣を出していたのです。これは預かっている金との交換を約束する預かり証証券なのです。今でも表面に、Federal Reserve Noteと印刷されていますが、これはFederal Reserve Bankが発行した預かり書（Note)だという名残りです。連邦政府が持っている貨幣博物館で，１９１３年以前の紙幣を展示しているのを見て，感慨を覚えたものです。
アメリカに旅行される機会があったら，この中央銀行の視点に立ち寄ってみて下さい。どれも壮大な建物で，広いロービーをもっており、そこにFRBank/Board似ついてのパンフレットがたくさんおいてあり，いくらでも持ってかえることができます。
自国の中央銀行が連邦政府機関ではなくて、商業銀行であることを，知らされていないアメリカ市民。連邦政府はその事実を伝えようとする努力は全く見えません。アメリカという国の特殊性を思わざるをえないのです。日本の金融関係のかたがたも，ほとんどご存知ないのが実態の模様です。
事実上、アメリカは一部の金持ち家族が株所有いより中央銀行を持っており，金融政策を仕切っています。金融マフィアに乗っ取られています。アメリカ市民は騙されつづけているのです。ここまで大胆にウソをつかれると，それをウソと気付かず、ウソと感じなくなる，シュールな感覚に陥るのです。
アメリカという国の異常性，特殊性を思わざるをえません。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。