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(回答先: 平等と不平等 投稿者 /ユー 日時 2002 年 9 月 09 日 11:17:30)
私は、「社会主義」という言葉から「平等主義」を抜い
て、「政治(社会的権力)による経済管理」という内容に
定義しなおすべきだと考えているのです。
そういう意味ならば、前近代的な封建的システムや絶対
主義王政国家はかなり「社会主義的」であるということに
なります。商業上の特許やギルド、労役、今でも続いてい
る租税などは社会主義的な事象ということになります。
逆にマルキシズムに代表されるような平等主義を理想と
するものは、社会主義の特殊なグループに属するものとい
うことになります。
国家社会主義(ファシズム)もまた平等主義・特権階級
への憎悪や攻撃の傾向を持っていますが、マルキシズムほ
ど徹底したものではありません。
ナチスはヨーロッパの伝統的(王侯貴族の)階級構造を
否定もしくは軽視しましたが、とくにそれを弾圧するでも
なく自分たち独自の階級・階層・社会的差別を作りました
。
それでも彼らは「社会主義」を自分たちの運動の名前に
冠していたのです。社会主義という言葉をあまり狭い意味
に解する必要はないことがここにも表れているのではない
でしょうか。
これは、マルクスの理論そのものに内包されている問題
でもあるのでしょうが、結局ロシアのボルシェヴィキ・メ
ンシェヴィキは一部のエリート共産党幹部がエリート国民
たる共産党を率い、さらに階級的エリートたるプロレタリ
ア(工場労働者)は共産党に従い、他の農民等より政治的
に優位に立つということになってしまいます。
マルキシズムの理想はどうであれ、現実には必要性・必
然性からどうしてもそうならざるをえないのでしょう。建
前として存在が否定されたものは、歯止めがなくなります
から逆に暴走し拡大します。それがソ連で広く見られた社
会的現象なのです。理論的に国家を否定しましたが、現実
では国家は逆に肥大化・強大化しました。階級を否定しま
したが、逆に前近代的な国家が個々人を扱う上での不平等
が生じたようです。