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(回答先: Re: 設定モデルとGDP 投稿者 あっしら 日時 2002 年 8 月 15 日 14:40:20)
あっしらさん、丁寧なご回答有難うございました。
「国民経済にとっての利益は、経常収支の黒字によって得られるもののみである」
という命題に反論するために、次のようなモデルを考えたいと思います。
まず、この命題に基づくと、利益を得る国民経済があるとしたらその裏には損失を
被る国民経済があることになり、それらの総和はゼロサムということになりますね。
そこで、全ての国民経済を合算し、グローバルな経済計算をすると(GDPならぬ、
GGP=GROSS GLOBAL PRODUCTとでも言うんでしょうか)、GGPの実質ベースは
永遠に増えもしないし、減りもしないということになりませんか?
(GGP実質成長に不可欠とされる)退蔵貨幣が存在する、と言う事は、過去のある時期にその貨幣が経済に還流して
行かなかったことを示すのであり、その期のGGPは実質でマイナスになっているはずですね。
つまり、このモデルにおいては、グローバルベースでGGPが伸びるということは、その分過去に
同額だけGGPが減っているところがある、ということになってしまいます。
以上のような論理は、明らかに現実とは異なるものです。500年前のGGPと現在の
それを比較すると、明らかに(実質ベースで)現在の方が大きい事は間違いありません。
なぜこのような誤った結論になるのか、と考えてみると、最初の命題が誤っているからだ
ということにならないでしょうか。国民経済の利益の源泉は他国にあるのではなく、
あっしらさんのよくおっしゃる労働価値の増加にあると考えるのが正しいと思います。
そうすると、輸出入均衡した一国の経済(実はこれは全ての国を合算したグローバル経済と同じことですね)
であっても実質GDP(=GGPと言い換えても同じ)が増加して行く余地はある。それは
労働価値の上昇によりもたらされる。この間、貨幣量が一定であったとしたら、
一単位あたりの価格が下落しているはずであり、実質ベースに置き返るとGDPは増加している。
このように考えるのですが、何か致命的な勘違いをしておりましょうか?