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金日成主席は語る 投稿者 チェチェ研 日時 2002 年 10 月 02 日 21:06:50:

(回答先: 訪朝記 未来に挑戦する国 小田実 投稿者 チェチェ研 日時 2002 年 10 月 02 日 21:05:40)

金日成主席は語る
毎日新聞1976年11月27日

小田実 まず「坂門店事件」について「事件」後、日本をはじめとして世界のあちこちでいろんな報道がなされているが、たいていは一方的で、共和国に不利なものだ。ときには、臆測に近い報道に基づいて露骨な反共和国キャンペーンが行われたりする。まず、主席自身が事件の真実をどのように見ておられるか。
金日成主席 板門店事件は敵の挑発策動によって起こった。事件は思いもよらぬ出来事だった。敵は事件を計画的に挑発し、われわれの兵士はその挑発に乗せられた。そのことは事件の経過を見てよく考えてみれば判るはずだ。敵はさる八月十八日、板門店共同警備区域内の木が監視の妨げになるといって、いきなり切り倒そうと襲いかかった。それは二十年以上も同じ場所にあった木だ。何十年も双方が向かいあって歩哨に立ちながらもそれが監視の妨げとならなかったので、そのまま手をつけなかった。いまになって、じゃまになるというのは、挑発を起こす一つの口実にすぎなかった。
米軍はとてつもない口実をもうけて、南朝鮮軍と労働者を強制的に狩りだし、木を切り倒そうとした。しかし、わが方の兵士はそれを許さなかった。わが方の兵士は、非常に愛国心が強く、高い民族的自負をもっている。かれらは、木を切り倒そうとする敵に、共同警備区域内の木を切るには双方の合意が必要であり、協議もせずに一方的に切ってはならないと説得した。わが方の兵士がとめると、南朝鮮軍と労働者はたすすべを知らず、わが方の兵士と米兵の顔色をうかがい、動揺した。すると、米軍の一人が南朝鮮軍が手にしていた斧を奪い、わが方の兵士をめがけて投げつけた。米兵が投げた斧に当たり、わが方の兵士が鼻血を流した。この時、事件現場に敵兵十余人もいたが、わが方の警備要員は四人しかいなかった。こうした状況で、わが方の兵士は自衛措置をとらざるをえなかった。わが方の兵士は米兵の投げた斧を彼らに投げかえした。米兵一人がそれに当たって倒れた。それから、敵味方の間で乱闘がくりひろげられた。南朝鮮軍と労働者はみな逃げだし、乱闘はわが方の警備要員四人と米兵の間でおこなわれた。その結果、米人二人が死亡し、わが方の警備要員数人が負傷した。わが方には死亡者はなかった。
……

小田 問題の根本は、韓国に米国の軍隊が存在していることだと思う。早い話、米国の軍隊が存在していなかったら、こんな事件は起こり得るはずはなかった。「事件」後、いろんな臆測が日本で乱れ飛んだ。軍事力が弱いから穏当に処理する道をえらんだのではないかというのはそのひとつだが、他にも、「事件」後、処理の方法で内輪もめがあったのではないかとか、あるいは、これは健康でピンピンしている主席をまえにして言いにくいことだけど、後継者の問題でもめたとか(笑い)もうひとつ、外貨事情が悪化して、経済がうまく行っていたいのではないかとか、いろんな臆測が乱れ飛んで来た。いや、今も乱れ飛んでいるが、そういう臆測についてどう思われるか。
主席 わが国における後継者間題についてもうわさをしているそうだが、私がまだ若く、これからいくらでも仕事ができるというのに、いまから後継者の問題を論議する必要があるだろうか。まして、革命家は後継者の問題を論議しないものだ。また、わが国に経済的困難があるという説もあれば、軍事力が弱いという人もいるそうだが、こういうことにたいしては、いいたいようにいわせておけばよいと思う。
もちろん、世界的な経済恐慌によって、現在わが国の外貨事情が少々苦しい点はある。わが国の外貨事情がよくないのは、商品が売れないからだ。資本主義市場の景気がよかった時は、われわれの商品がよく売れたが、今は不景気なので、われわれの商品が売れない。つぎにわが国の外貨事情がよくない原因は、売りさばける商品も、船腹不足のため輸出できないところにある。
……

現在、世界の多くの国が、農業不振で食糧難におちいっているが、わが国は豊作がつづいている。今年わが国では、昨年に比べて穀物を百万トン以上増産した。おおまかに計算して百万トンの増産と見ていたが、地方に出向いてみたところ百二十〜百三十万トンは増収したようだ。農業は、ほうっておいてもよくできるというものではたい。農業生産を高めるためには、各種の肥料と農薬をほどこし、近代的な農業機械も供給しなければならない。それゆえ、経済が後退すれば、農業の発展などありえない。現在、わが国の経済は社会主義大建設によって力強い前進をとげている。最近の党中央委員会総会では、寒冷前線の影響を防ぐため、四十万町歩の畑にかんがい工事をおこなう決定を採択した。平野地帯の水利化はすでに完成したので、これからは山間地帯の畑かんがいまで終えるための闘争をくりひろげている。すべての工場、企業所が社会主義大建設をおこなっている。現在わが国では、建設があまり多すぎるほどだ。今年はわが国の六カ年計画期間が終わる年だ。現在、われわれは新しい展望計画を立てている。
……

小田 次の質問は「板門店事件」以後も祖国統一問題についての考え方に変わりはないのかという点である。簡単に言えば「七・四共同声明」とそれを共和国の例から具体化して七三年六月二十三日に発表された構想に変わりはないということだが、その点についてお訊きしたい。構想のひとつに、米国と平和協定を締結するという提案があったが、米国との関係についてもうかがいたい。
主席 われわれは、祖国統一問題に対する従来の原則的立場を堅持している。われわれは、米国と平和協定の締結問題で会談する意向を持ちつづけている。われわれは今も扉をたたいているのだが、米国人はそれを開こうとしていない。
……

小田 米国とのことはそれぐらいにして、当の交渉相手である韓国のことに移りたい。どのような条件がこの場合、必要なのかを確認しておきたいと思う。
主席 朝鮮の統一を実現するためには、南朝鮮で民主化闘争を強めることが重要だ。南朝鮮社会の民主化が実現し、朴政権が退けば朝鮮の統一間題は容易に、平和的に解決することができる。われわれは、朴正煕個人に反対するものではない。われわれは、朴政権の政策に反対するのだ。朴政権は、金太中のような民主人士を弾圧してはならず、「勝共統一」のスローガンを捨てるべきだ。われわれが、南朝鮮に共産主義をおしつけないというのに、彼らはなんのために「勝共統一」を叫ぶのだろうか。朴政権がひきつづき南朝鮮人民を弾圧し、「勝共統一」のスローガンを叫ぶ条件のもとでは、対話をおこなう必要はない。もし、今からでも朴政権がその政策をかえるならば、対話することができる。われわれは、大民族会議の開催を主張している。われわれの主張は、統一を願う人とはすべて団結しようということだ。われわれは、いかなる信仰をもつ人であろうと「仏」を信じる人であれ「神」を信じる人であれ、なにを信じる人であろうとそれにかかわりなく、祖国の統一を願う人とはすべて団結する立場だ。
……


小田 国際情勢の動きに関連することだが、私は日本と共和国、いや、朝鮮全体との関係において、もっとも緊急で重要なことのひとつは、日本が共和国を承認することだと思っている。私自身、この問題をこれからの私の運動の展開の視野のなかに入れて行こうとしているのだが、この私や私と志を同じくする人たちが求める承認は、もちろん「二つの朝鮮」をつくり出そうとする動きや「クロス承認論」とまっこうから対立する、自主的平和的南北統一とじかにかかわりあう承認だ。
また、ここで付言しておきたいのは、南北の自主的平和的統一は朝鮮人の問題であるとともに日本人の問題であるということだ。私自身、そんなふうに考えるからこそ、韓国の民主化闘争とも連帯し、南北統一をめざす朝鮮の人びとの行動とも結びついて行こうとしている。この立場で、私は、日本の人びとと朝鮮の人びとがいろんな結びつきをつくり出して行くことが必要だと思う。
主席 朝日両国の関係についてのあなたの見解に全面的に同意する。あなたが、二つの朝鮮でっちあげやクロス承認論を認めない前提に立って、日本政府が朝鮮民主主義人民共和国を承認するようにさせる運動を展開するというのはりっぱな考えだ。この問題は、朝鮮の平和的統一問題と結びつけずには解決できない問題だと思う。私は、日本人民と朝鮮人民の闘争が運命を共にしているというあなたの意見に対しても完全に同意する。アジアの平和を保つためには、朝日両国人民の親善を強めることが非常に大切だ。日本政府がわが国を承認するかしないかが重要なのではなく、日本人民がわれわれを支持し承認することこそ重要な問題なのだ。われわれは、日本人民を重く見るのであって、日本の執権者を重視するものではない。執権者は政権の座についたり去ったりするが、人民はつねに存在するものだ。それゆえ、朝日両国人民の親善団結を強化するために努力することが重要であると考える。われわれは今後とも、日本人民の闘争をあらゆる面から積極的に支持する。朝日両国間の民間ベースの交流を拡大しょうとのご意見だが、文化交流をはじめ各分野の交流を盛んにおこなうのは有益なことだ。
小田 文化交流にからむ問題だが率直に言って、共和国の対外宣伝、日本をふくめて資本主義国にむけての宣伝には欠陥がめだつ。これは「韓国問題緊急国際会議」に来たいろんな国の代表からもきいたことなので率直にいうが、共和国の現実をもっと具体的に示すことがまず必要だと思う。朝鮮の革命の根本原理である主体思想を私も偉大な思想であると考えるが、今のやり方では、全部がそうだとは言わないが、具体的な思想の展開や過程の十分な説明なしに、ただやみくもにこの思想は偉大であると言っているような気がして来る場合がある。これは主席自身のことについても同じで、これでは外部の人間にはよくのみ込めないどころか、往々にして逆効果になるおそれがあると思う。
主席 われわれの対外宣伝活動にはまだ欠陥が少なからずある。多くの国の人たちがわが国を訪問して現実に触れ、われわれの対外宣伝が現実の百分の一も紹介していないと言う。対外宣伝がうまくいっていたいのはそれなりに事情がある。われわれには外国語にたけた働き手がまだ多くない。今のところ通訳を養成した程度にすぎず、幅広く対外活動をおこなうところまでいっていたい。あなたはわが国の対外宣伝の方法を改善すべきだと話されたが、私はその意見にも同意する。今後、あなたの意見を対外宣伝活動にいかそうと思う。

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