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(回答先: 「拉致」と「オルグ」は、「強姦」と「スケコマシ」ほど違う 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 25 日 23:01:03)
犯罪被害者の「自己責任」に関する問題、あるいは事前の処世訓としてあっしらさんの意見にまったく文句はありません。そのとおりでしょう。しかし、議論に値するとは思えません。
交通事故の例を最後に出されているので、それを引き合いにすると国によっては保険保障の考えが異なり、ほとんどの事故で当事者双方が一定の割合で損害負担する国もあります。そうなると、10対0の損害補償はほとんどないということになりますね。これには一理あって、道路使用者には常時最低限の自己責任を課すという考えでしょう。
しかし、これは過失による事故だからこのような論理が成り立ちます。
たとえば、詐欺において加害者は十二分に故意で、悪意です、そもそも。
北朝鮮の場合も、他の情報や金正日の発言にもとづけば、違法行為をさせるために拉致したようです。
別の例を出せば、銀行に預金するものには預金者としての自己責任があります。しかし、預金保険制度がなぜあるかというと、銀行と個人の預金者の情報、立場の非対称からです。「預金者に銀行の財務、経営を詳しく調査してリスクを判断せよ」とはいえないからです。一預金者にそれを完全に行うことは不可能だからです。いっぽう、銀行には個人の財務その他のプライバシーを一定程度知る能力があります。この非対称によって、預金者は一定程度保護されるべきだというのが、常識だと思います。
さて、北朝鮮という小さいなりにも一定規模の国家、しかもその謀略機関と一日本人の場合です。しかも、前者は少なくとも善意ではありません。両者の非対称は明らかです。北朝鮮という全体主義国家のために、利するために日本人を拉致しました。
やはり、それはすべて法的に拉致だと言えるでしょうし、多数の日本人妻などがほとんど自発的に帰国できなかった経緯を考えると監禁も含めて、国家犯罪であり、違法行為です。
あっしらさんの意見は、処世訓としてはそのとおりでも、有益な議論になるものとは考えられません。世の中には、「生き馬の目を抜く」ようなヤツが多いので、気をつけろ、というような意味では正しいですけど。そりゃ、ガラの悪いバーに透けすけ服で行っちゃいけません、だれでも。
ちなみに、英米法では、契約時点での非対称関係を厳しく見、公平でない場合の契約を無効または違法とする考えが強くあります(立場上強いほうが情報公開などの公平を期す手段を取るべき、という考え)。先日のUCSBの中村教授の裁判なんかは、英米法下では中村教授の有利になったでしょう。