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※週刊現代 2020年10月24・31日号 紙面クリック拡大
二階俊博vs麻生太郎のバトルが過熱…「おい麻生、お前はもう死んでるぜ」「『大宏池会』だって? 笑わせんな」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77069
2020.11.08 週刊現代 :現代ビジネス
まさに前代未聞、史上最高(齢)の戦いが始まった。生まれも育ちも、政治家としての歩みも、まったく違うこの二人。竜虎相搏つ、それが宿命だったのだ—。(※ただし、勝負はすでに決しています)
流行する「二階のマネ」
最近、霞が関界隈にこんな「通達」が出た。
〈内閣総務官室連絡 (自)幹事長室からの要請(幹事長への説明について)〉
「読後廃棄」と注意書きされたこの文書、件名の通り、自民党幹事長室からのある要請を周知するための内部文書だ。そこには、「官房幹部とも共有の上、今後の対応をお願いします」との文言に続き、こんなことが書かれていた。
〈今後、各府省庁から二階幹事長への説明については、原則、事務次官対応としていただきたい〉
中堅キャリア官僚の一人が嘆息する。
「つまり、二階(俊博自民党幹事長)さんのところに、局長とか課長程度の『下っ端』を寄越すな、ということです。
政策や法案の説明の必要が生じた際は、トップの事務次官が幹事長室に出向いて来い、と。『対応に迷うときは、幹事長室とご相談をお願いします』などと追記もしてある。何もかも幹事長室=二階さんを通せということですね」
自民党史上最長任期、いまや「極大幹事長」と化した二階が一声発すれば、どんな山でも動く。菅義偉総理は、自ら標榜した改革に四苦八苦しているが、二階には対岸の火事。
総理や河野太郎行革相らの苦戦を尻目に、二階がチラリと睨みを利かせるだけで、永田町・霞が関のどんなルールも易々と書き換えられていく。
これほど長いものには、ぜひ巻かれたいというのが国会議員の本能だ。いま永田町では、「飯食ったか?」と先輩議員が後輩議員に声をかけるのが流行っているという。
「これも二階さんの影響なんですよ。『飯食ったか』というのは、もともと故・田中角栄元総理の口癖だった。配下の議員にそうやって声をかけ、面倒を見て、皆に慕われていた。
二階さんは『俺は角栄さんの最後の弟子だ』と公言していて、同じような声のかけ方をする。そのため、『やっぱり自民党は義理人情の党だよなぁ』などと言い出す議員が急に増え、にわかに真似をする者が出ているんです」(自民党中堅議員)
上から下まで、漂う空気も含めて二階劇場。すべてが二階の色に染まっていく。もはや政界で、二階の前に立ち塞がる者は、誰もいないのである。—というような状況を見て、苦虫を噛み潰したような顔でジリジリとしているのは、麻生太郎副総理兼財務相だ。
(調子に乗りやがって)
麻生はこのところ、存在感がまったくない。肩書は安倍(晋三)政権の時と同じであるが、「総理の相談役」「兄貴分」という扱いはもう誰もしてくれない。
メディアの扱いも、定例の閣議前に菅総理の横に座っている姿がチラリと映るくらいで、発言が大きく取り上げられることもなくなった。
仕方なく麻生は最近、菅や二階についてこっそり嫌味を言うことで、自らを慰めているという。
「まあ、(菅も)お里が知れてしまったよね」
日本学術会議が推薦した会員候補である6人の学者を任命しなかった件で、菅政権は炎上中。それを麻生は皮肉ったのだ。もちろん、助け舟を出すつもりなどない。
福岡戦争を制圧
「菅さんがイケメン風の官僚を総理秘書官につけた際も、『あいつは見るからにネクラだからな。花のある奴を身近に置いときたいんだろ』と、嫌味を言ってましたね。
政権発足時の支持率が高いことも、『まあ日本人は叩き上げって言葉が好きだからな』と、ネチネチ言っていた。
その菅総理を実質的に操縦している二階さんに対しても、当然、不満が爆発寸前です。大臣ポストだけでなく、選挙関連の党の要職もほとんど二階派が押さえていますからね」(麻生派中堅議員の一人)
麻生が焦り、苛立っているのは、自らの膝元、福岡がいつの間にやら「二階の一味」に占領されかけているからだ。
福岡県議会関係者の一人がこう解説する。
「衆院福岡5区(福岡市南区の一部、筑紫野市、春日市など)が、『火薬庫』と化しています。現職の選出議員は麻生派の原田義昭(元環境相)。そこに、前県議会議長の栗原渉が対抗馬として出馬することになり、自民党が真っ二つに割れている」
麻生子飼いの原田は、地元の県議選に自らの秘書を出馬させ、保守分裂の結果、野党候補に競り負けて保守系の議席を減らすなどして、自民党県連との関係が悪化していたという。
にもかかわらず、麻生が原田をゴリ押しし続けるので、堪忍袋の緒が切れた県連の一部が、栗原の支持に回った。
「麻生さんは、昨年の県知事選でも、自分と仲が悪い現職知事に対抗馬を無理やり立てて、惨敗を喫した。あれやこれやで、麻生さんに愛想を尽かした地元の自民党関係者がどんどん増えている。ではその離反者たちがどこに流れるかと言えば、菅政権で総務相に抜擢された、二階派の武田良太のところなのです」(同)
85歳までやるんだよ
福岡は長く、麻生や古賀誠(元幹事長)、山崎拓(元副総裁)が三つ巴で勢力争いをしてきた、修羅の国だ。
ところがいまや、武田(11区)を筆頭に、宮内秀樹(4区)が農林水産副大臣、鳩山二郎(6区)が国交大臣政務官に就任し、二階派議員が大躍進。勢力伸長が著しいこの3人は、福岡で「武田三兄弟と呼ばれている」(別の県議会関係者)という。
前出・麻生派議員がこう続ける。
「自分の城が二階一味に乗っ取られる寸前なので、麻生さんは必死です。9月27日に地元で参院議員・大家敏志さんの政治資金パーティが開かれたのですが、麻生さんは主役の大家さんそっちのけで、原田さんを壇上に上げて猛プッシュした。
次の選挙で原田さんが落選したら麻生さんは終わりですから、何が何でも勝たなければならない」
今年80歳になった麻生が、千賀子夫人をはじめ周囲から、「引退して息子に地盤を譲ってはどうか」と勧められていることは、本誌も何度か触れた。しかし麻生は、「絶対に引退しない」と、ますます意固地になっているという。
「麻生さんは、『(祖父の元総理)吉田茂は85歳まで政治家をやっていた。俺も85歳までやる』と言い張っているそうです。周囲は『あと5年なんて無理だろう』と呆れていますが、そこには、二階さんの存在がある。年上の二階さんがキャリアの頂点に向かいつつあるのに、俺だけ引退できるかよ、という思いが非常に強い」(同)
そんな麻生が起死回生と、政治家人生の集大成を懸け、狙っている一大計画がある。
「大宏池会」構想だ。
宏池会は'00年、「加藤の乱」の失敗によって空中分解し、その後、今の麻生派、岸田(文雄前政調会長)派、谷垣(禎一元総裁)グループなどに分裂して現在に至る。
そのバラバラになった勢力を20年の時を超え再び寄せ集め、「保守本流」を自任してきた往時の勢力を取り戻そうというのが、大宏池会構想だ。
10月5日、岸田は派閥のパーティで演壇に立ち、
「令和の時代の新たな政策集団を目指し、風通しが良く、そしてしっかりとした団結力を持つ、政局にあたっては戦闘能力を持つ集団として進化していかなければならない」
と語り、大宏池会へ向けた決意を語った。
だが、そんな麻生や岸田を、二階は嗤うだろう。
(何も、わかっちゃいないわな)
二階派のベテラン議員がこう話す。
「そもそも大宏池会構想は、麻生さんが領袖として君臨するための構想。岸田さんが合流を呼びかけたとして、岸田さん自身はどういう立場に収まるつもりなのか。単に麻生さんの軍門に下るというのではまったく意味がない。
逆に岸田さんがボスになるというなら、麻生さんが許さない。合流した挙げ句に、(麻生派の)河野太郎を総裁候補にする? 河野は身内からの人望がないので、それではまとまらない」
麻生派54人、岸田派47人、谷垣グループ20人。合体さえすれば121人となり、最大派閥の細田派98人を超え、大宏池会が党内の最大勢力となる。
だがそれは机上の数字で、この121人は「烏合の衆」に過ぎない。
「先走って山口3区での衆院出馬を図る林芳正(元文科相)が象徴的で、岸田派ではボスの岸田が、すっかり舐められ、見限られている。
麻生派も、もとは宏池会を離脱した旧河野グループ(大勇会)が源流だが、その時からいるのは森英介(元法務相)くらいで、『名ばかり宏池会』の寄り合い所帯に過ぎない。麻生の力が落ちれば、すぐに派閥は崩壊してしまう」(自民党閣僚経験者)
「カチカチ山」は誰でしょう
かつて自民党で「寄せ集め」といえば、二階派を形容する言葉だった。秋元司、河井案里ら疑惑の不良議員を囲い込み、「二階総合病院」などと揶揄する声もあった。
ところが実際は、そうではなかった。チンピラ集団と思われた二階派は軍団として政争を勝ち抜き、「菅政権の総裁派閥」と言われるまで勢力を拡大。一方、宏池会系の各派閥は、遅れをとって分裂の危機に瀕している。
いいように踊らされている悔しさに耐えかねてか、麻生は二階について、
「まるでカチカチ山のタヌキだな」
などと皮肉っているという。
調子に乗り過ぎている二階一味は、必ずしっぺ返しを食らうはず。スキャンダルで炎上し、二階が失脚する可能性も十分ある。何より菅政権の支持率が下落すれば、二階も一気に求心力を失うかもしれない。その時こそ逆襲だ—。
「そう考える麻生さんが狙う逆転の一手は、来年の自民党総裁選で、体調が回復した安倍さんに『4選』してもらい、キングメーカーに返り咲くことです。
そのためには『数の力』が必要で、何としてでも派閥の崩壊は防がなければならない。今、麻生派の幹部が岸田派の議員の間を駆け回って、『軽挙妄動するな』と必死で説得しています」(麻生周辺)
しかし、やはり二階は嗤うだろう。
(わかっちゃいないわな。俺はパンダだよ)
二階に近い自民党幹部の一人はこう語る。
「背中に火が付き、アチチ、アチチと駆け回っているのは麻生だろう。大宏池会をまとめようとしても、岸田派では、追い出された古賀誠を慕う議員も多く、その古賀は二階と繋がっている。
衆院鞍替え騒動を起こした同派の林が、公認を得るため二階派に入るという話まで出ている。宏池会はすでに切り崩されている」
ちなみに、二階幹事長室に展示された和歌山名物・パンダのぬいぐるみの隣には、ウサギ(ミッフィー)のぬいぐるみも鎮座している。
タヌキを嵌めて大やけどさせた上、最後は泥舟に乗せて海に沈めるのは、ウサギの仕事だ。ブクブクと沈んでいくタヌキを見ながら、ウサギの皮を被ったパンダがこうつぶやくのだ。
「おい、お前はもうとっくに死んでいたんだぜ」
得体のしれない怪物に、化かし合いを挑んだ時点で麻生の負け。ゾンビが二階劇場に登場する予定は、今のところない。(文中敬称略)
『週刊現代』2020年10月24・31日号より
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