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※2020年11月5日 日刊ゲンダイ9面 紙面クリック拡大
ジャパネット創業者・田明氏「核兵器禁止条約の批准を」 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280914
2020/11/09 日刊ゲンダイ
ジャパネットたかた創業者の高田明氏(提供 A snd Live)
日本有数の通販会社を一代で築きあげた。退任後はサッカークラブのV・ファーレン長崎(J2)を再建。長崎出身ということで平和への思いも強く、来年の発効が決まった国連の核兵器禁止条約に強い関心を寄せる。9月の核兵器廃絶のシンポジウムでの発言は話題を呼んだ。経営者の視点から見える日本や世界の課題とは何か。
◇ ◇ ◇
――現在のお仕事は。
ジャパネットの経営も直接関わってませんし、サッカークラブも夢大使というものをやっている程度で、何もせずにゆっくりしています。講演に呼ばれることもありましたが、コロナでキャンセルになりました。核兵器廃絶のシンポジウムは大学生の方らに熱心にご依頼いただきまして。私としてはこういう平和の発信をしているのは不思議だし戸惑いもあります。しかし長崎人として核兵器の問題は大事だと思っていますし、サッカーの活動ともつながっていますので。
――コロナ自粛はいかに過ごされていましたか。
2月は札幌へ雪まつりの最中に講演に行ったりもしていたのですが、3月に入って一気にこれは大変だと、ほとんど女房と2人で家にこもって、7月まで自粛生活をしてコロナの短期間終息を願っていました。しかしPCR検査も遅々として進まずで。それで映画やドラマを一日中見てました。私は現場に立つことが多かったので、映画はあまり見ていなかったのですが、みんなの話題に入っていこうとまずは韓流歴史ドラマから見たんです(笑い)。それで次々に歴史を追っかけまして。ローマの歴史はどうなっているんだろうかとメモをしながら繰り返し繰り返し見て、第2次世界大戦は、ベトナム戦争は、日本の太平洋戦争はなぜ起きたのかなど勉強が広がっていったんです。戦争も感染症も人類の危機という共通点があるし、自分なりに考えながら過ごしましたが、戦争の背景にはいつも人種の問題があり、99・9%の人は戦争を望んでいないんですね。これは2000年経っても変わってないんです。どうしたら解決するのかと、この不可能とも思える問題を考える時間をコロナは与えてくれました。
――戦争をなくすため、政治を変えるためには女性の力が必要だとおっしゃっています。
ここ何十年、女性の社会進出が言われてきたのにほとんど実現していません。新内閣でも女性大臣は2人だけです。これが実現していないのは政治だけの責任ではなく、われわれの責任でもあるんですよね。核兵器廃絶も結局は政治の力しかない。だけども民が政治を変えてきた歴史がある。その意味でも男性だけでなく、もっと女性が社会進出することが大事だと思います。
9月28日に都内で開かれた核廃絶シンポジウムにリモートで参加(中央)/(提供写真)
米国の核の傘で守られていても核廃絶を言っていい |
――核兵器禁止条約がいよいよ発効しますが、日本政府は条約を批准しません。
このたび核兵器禁止条約の批准国・地域数が50に達し、約3カ月後に発効されることになりました。私は報道で、この取り組みにご尽力されてきた皆さまの笑顔を拝見し感動しました。これは、核兵器のない世界を目指す中で心強い一歩になったと思います。日本は批准していないのですが、私は日本は米国の核の傘の下にいるから平和が維持されているという現実があっても、核兵器を禁止したいという思いは別問題だと思っています。核兵器に守られていても核廃絶の条約を批准してもいいのではないか。企業経営でも本来のミッションとは別に取り組むことがあってもいいんですから。唯一の戦争被爆国である日本は先陣を切って条約を批准して憲法9条を大事にしてほしい。戦争被爆国である日本がどこかで声を上げないと、永遠に核兵器はなくならないし、人類が永遠に戦争の危機に瀕し続けると思います。それを変えるきっかけをつくることが日本に与えられている一番の課題ではないでしょうか。
――核廃絶運動の課題は。
国民の総意で核廃絶を実現するためにはどうしたらいいか。取り組んでいることが前提ですが、結果が出るような活動にしていかなければな
らないのではないでしょうか。世界で核兵器廃絶のための署名が1261万筆近く集まっていますが、署名した人たちの思いをどう伝えるのか。思いを語らないといけないが、その力をどう結果につなげるのか。国連が関わっている活動だけでも数多くありますよね。活動をもっと見える形にして周りを巻き込むようにしていかなければならないのでは。
――田さんは通販ビジネスについて、「商品について自分が100知ってお客さんに伝えられなければ200を知る、それでも伝わらなければ300学ぶ。そうやってこそ伝わるものだ」と話されていましたね。
通販の世界で、伝えるということは、その商品をどれだけ知っているかということです。それは言葉がうまいとかではなく、自分が何を伝えたいかということを熟知していなければうまく伝わらないと思うんですよね。その商品の内容を100、完璧に覚えましたといったら100で終わるんです。たとえばエアコンなら品質を上げる工事、運送についても知らなければならない。それらを全部自分で吸収してアウトプットしないと商品って買ってもらえないんです。これはもう政治の世界でも一緒だと思うんです。
企業は成長以外にも投資する時代 |
――「政治の世界も一緒」といいますと。
日本のコロナ対策では一生懸命やっていらっしゃったと思います。その頑張った対策を伝えるためにインプットを300にしていたのか。また、それをわかりやすくアウトプットしてきたのか。その過程でうまくいっていなければ、言葉を修正してきたのか。それらがなければ周囲の協力を得られない。政治の世界でも共通ですが、伝わったという世界をつくらなければ改善できない。インプットの質と量は大事なんです。日本も自分たちの原爆被害だけを言っていても伝わりません。たとえば韓国、中国、米国で話す言葉は、相手の歴史背景をインプットしておかないと国民感情を害してしまうことがありますよね。米国でも原爆展が少しずつ開かれるようになりましたが、真珠湾攻撃を受けた側の人たちの心も理解し続けていくことが大事です。一方の主張があれば、片方の言い分は必ずありますから。極端に言えば、商品を売ることと世界の平和をつくることは全部同じで、つながっていると思います。インプットの量と質を高めるために勉強をしないと「伝わった」世界はつくれないと思います。話し合いでも、100人がテーブルについたとします。そこで徹底した議論を戦わせることによって、成果が生まれます。私が現役の時も課題が生じれば関係部署が集まり、かんかんがくがく議論して、それを乗り越えてきました。日本ではこの話し合う部分が弱いのではないかという気がしてならないです。もったいないですね。
――議論の後に変えるべきものがあれば変える勇気も必要ですね。
私も社長として現役の時は議論を重ねて、間違っていれば聞き入れていましたね。今、国会の答弁を見ていると質問がそらされていたり、質問してもまったく違う話を答えていると感じることがあります。そこをしっかり伝えることで国民の不安もなくなるのではないでしょうか。
――これからは企業が成長、成長という時代ではなくなったと発言されています。
これまで成長って何かといえば、いい人生、誰もが幸せな人生を送ることでしたでしょう。ただこれから先、際限なく5Gだ、ポスト5Gだという世界を求めていくのか。これ以上、発展や成長をしていかなければならないのか、人間としての上限ってどこなのかって思ったりするんです。便利だけど、負の部分ももっと出てくると思うんですよね。私も16年前に会社で個人情報を流出させてしまいましたが、いまや兆円企業が個人情報を守るために莫大な固定費を抱えています。これからの企業は定期的に感染症が起こることを前提に経費を使わなければいけないし、地球温暖化のためにも費用を備えなければならなくなってきている。企業は地球規模で人類を守るための、お金を貯蓄していく時代に来ているし、そういう議論も実際にあります。それは核兵器廃絶の問題でも同じではないかと思います。
(聞き手=平井康嗣/日刊ゲンダイ)
▽たかた・あきら 1948年、長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造会社へ就職し通訳として海外駐在を経験。74年に父親が経営するカメラ店へ入社。86年に「鰍スかた」として分離独立。90年にラジオでショッピング放送を行ったのを機に全国へネットワークを広げ、その後テレビなど多メディアで通販事業を展開。99年に「潟Wャパネットたかた」へ社名変更。2012年、東京にオフィスを開設。15年1月に同社代表を退任し、同時に「株式会社A and Live」を設立。17年4月、プロサッカークラブ「鰍u・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任。20年1月1日に退任。
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