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※2020年9月1日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
https://twitter.com/Trapelus/status/1304548822853382144
※文字起こし
政治家は、言葉を生業にする職業だといわれる。だから政治活動で演説する人は「弁士」と呼ばれてきた。政治家にとって、弁舌は最大の売り物であり、必須の資質でもある。それなのに、なぜ「しゃべれない男」が首相になれるのか。
自民党総裁選が8日に告示されてから、立候補した菅官房長官、石破元幹事長、岸田政調会長の3人による討論会が行われている。夜のニュース番組にも連日、そろって出演。そこでポンコツぶりをいかんなく露呈しているのが菅だ。
同日夜に出演した「報道ステーション」では、アベノミクスが格差を広げたのではないかという質問に対し、菅は「あのー、私、やはり大事なのは雇用じゃないでしょうか」と答えていた。
「全国で有効求人倍率1を超えたのはたった8つの県しかなかったんです。アベノミクスによって、すべての県で1倍を超えた」と、まるで安倍首相が乗り移ったかのように、ナントカのひとつ覚えで有効求人倍率の話をしたのだ。格差問題とはまったく関係ない。
石破が「正規と非正規って給与以外のフリンジ・ベネフィットというものを足すと倍ぐらい違う」「これで格差が拡大していると言わないでどうするんだ」と問題意識をあらわにしたのとエライ違いだった。
「官邸の危機管理を一手に担い、スポークスマンとして毎日の会見を切り回す切れ者というイメージだったのですが、実はこんなにしゃべれない人だったのかと驚きました。党内でも菅さんのスピーチ能力を不安視する声が上がり始めています。通常の総裁選で全国を遊説して回り、候補者討論の機会が多かったら、危なかったのではないか。総裁選の期間がもっと長かったら、派閥で固めた国会議員票はともかく、党員票では弁の立つ石破さんに完敗していたかもしれません」(自民党若手議員)
ネット上にも資質を問う声が続出
総裁選で圧勝することが確実な“本命”への評価は、わずか数日で一変してしまった。まともにしゃべれないだけでなく、早くも失言を連発。同日夜に出演した「news23」での討論では、自衛隊についてトンデモないことを言っていた。石破から憲法改正について質問された菅は、こう述べていた。
「自衛隊の立ち位置というのが、憲法の中で否定をされている。そういう中で、憲法9条の中に、自衛隊の正当性というものを踏まえて、党として4項目、憲法改正についてですね、決定をして、いま提案をしているところでありますから、それはあの、建設的に、このことをやはり、しっかりと、憲法改正のなかで、自衛隊の位置づけというものを盛り込むべきだというふうに思います」
自衛隊が憲法の中で否定をされている? 日本政府は「自衛隊は憲法違反ではない」という見解を維持してきたはずだ。いつから政府見解が変わったのか。
そう思っていたら案の定、翌日の官房長官会見で記者にただされ、「自衛隊を違憲と主張する方々もいるという趣旨で申し上げた。若干言葉足らずだった」とシドロモドロで、「憲法に違反するものではないというのが政府の正式な見解だ」と発言を訂正した。
これでよく7年8カ月も官房長官を務めていられたものだと、今さらながら呆れるレベルなのだ。
連日のテレビ討論を見た国民もさすがに驚いたようで、ネット上には菅や、彼を担ぐ自民党に対する疑問の声があふれ出した。
〈news23に菅官房長官が出てたけど、予想以上のポンコツぶりにビックリ〉
<なんか菅さんダメそう…質問に対しての答えがあやふや>
<菅さん、どのような日本国にしていきたいのかサッパリ伝わってきません。自民党員の皆さんこんな方が代表でいいのでしょうか>
<三人揃うと、話の中身一つ取っても、菅の表面的な具体性に乏しい薄っぺらさだけが際立つ>――。
「あたらない」「問題ない」で乗り切れると思っているのか |
「一問一答でムダなことをしゃべらない官房長官会見では鉄壁の守りを見せてきても、自分の言葉で発信することは苦手なのでしょう。想定問答集や、前もって用意された原稿のどこを読み上げれば追及をかわすことができるかという勘どころはすぐれていても、アドリブが利かない。出馬表明会見では『雪深い秋田の農家の長男に生まれ、地元で高校まで卒業しました』と語り出し、たたき上げの苦労人というイメージで好感度が急上昇しましたが、このエピソードが効果的なのは最初の1回だけです。それを何度も繰り返されると、他に何も売りがなく、語るべきビジョンもないのかと国民は感じてしまう。同じセリフの繰り返ししかできないようだと、想定外のことが起きた時に、どれだけ対応できるのかと不安になってきます」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
9日、行われた自民党青年局・女性局主催の公開討論会でも、菅はひとりだけ手元の原稿を読み上げていた。
妻や子どもについての質問に対しても、だ。そんなことも自分の言葉で語れないのか。
これまでは「ご指摘はあたらない」「まったく問題ない」で質問をシャットアウトしてきたが、首相になればそうはいかない。
「今回の総裁選は幕が上がる前から勝ちが決まっているし、短期決戦ですからイメージ戦略で乗り切ることも可能でしょうが、原稿を読むしか能がない首相に、首脳外交ができるのでしょうか。米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領と互角に渡り合えるのか。外交交渉も官僚に任せればいいと考えているのかもしれませんが、自分の言葉を持たない空っぽ首相では、世界に恥をさらすだけです。この調子では早晩、国会で行き詰まるのも見えている。『あたらない』『問題ない』だけでは議論が成立しないし、関連質問にも対応できないでしょう。論戦をしたくない、させられないから、自民党は本格的な総裁選を拒み、簡易型で菅氏を新総裁に選ぼうとしている。前代未聞のイカサマ総裁選で、ポンコツ候補が総理総裁になろうというのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
国会審議を拒否する姿勢も継承
国会審議拒否の布石なのか、8日の告示日に行われた候補者の共同会見で、菅は総理大臣の国会出席を減らすべきだと主張していた。「大事なところに限定すべきだ。そうしないと行政の責任者としての責任を果たせない」などと言っていたが、後ろ暗いところがあって、野党の追及に正々堂々と抗弁する自信もないから国会に出たくないのだろう。安倍首相と同じだ。そういうところまで継承しようとしている。
国会に出たくない、国民が納得するまで説明する気もないなら、そもそも総裁選に出てくるな、という話である。「首相会見では手が挙がらなくなるまで質問を受け付けたい」と言っている石破とは対照的だ。
「政権を支える官房長官として、政権批判をさせないようメディアコントロールを担当してきたのが菅氏です。首相になっても、メディアににらみを利かせれば、忖度報道で都合の悪いことは隠せると踏んでいるのかもしれない。しかし、ヤクザと同じで“裏の男”が表に出てきてはいけないのです。官房長官という黒子の立場で恫喝するのと、首相という表舞台のトップが脅しをかけるのとでは次元が違ってくる。裏社会だから通用するルールというものがあるし、今後はおとなしい内閣記者会の記者を飼い慣らすのと同じようにはいきません。一国のリーダーになった“菅首相”が今のやり方を続けるのは無理ですよ。野党がしっかりしていれば、あっという間にポシャる可能性があります」(本澤二郎氏=前出)
菅が行き詰まれば、こんな男を派閥談合で担ぎ出した自民党も同じ命運だ。総裁選での菅の勝利が、自民党を奈落の底に突き落とす序章になるのかもしれない。
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