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「ポスト安倍は菅官房長官で決まり」予想でマスコミがさっそく菅官房長官に尻尾ふり! 報道番組は出演オファー、ワイドショーは忖度復活
https://lite-ra.com/2020/08/post-5598.html
2020.08.25 「ポスト安倍は菅官房長官」予想でマスコミが菅官房長官に尻尾ふり リテラ
菅義偉ホームページより
2週連続、慶應義塾大学病院で診察を受けた安倍首相。昨日のぶら下がり取材での応答では一応、続投の姿勢を示したものの、退陣説は止まない。メディアの関心はすでにポスト安倍に移っており、特に大手マスコミは「菅義偉官房長官で決まり」と考えているようだ。
そのことはこの間、菅官房長官がメディアに出まくっていることからもうかがえる。8月だけでも、8月1日『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)、8月2日『日曜討論』(NHK)、8月7日『櫻LIVE 君の一歩が朝を変える!』(言論テレビ)、8月18日『深層NEWS』(BS日テレ)と、テレビやネットの番組に次々出演。さらに先週金曜日には、『報道ステーション』(テレビ朝日)にも単独出演した。
菅官房長官といえば、これまで裏方に徹し、派手なパフォーマンスをほとんどしたことがない。昨年“令和おじさん”ともてはやされたことがあったが、こんなに頻繁にテレビに出演するのははじめてではないか。
「どの社もいまは菅氏をポスト安倍の一番手として捉えている。だから、こぞって単独出演をオファーしているわけです。菅氏も番組では『総理総裁になることは考えていない』などと答えるが、明らかに『自分こそが安倍の後継者だ』というアピールのために出演している。完全に阿吽の呼吸というやつです」(全国紙政治部デスク)
たしかに、菅官房長官の政権での影響力はここにきて、非常に高まっている。今年2月ごろから、安倍首相がポスト安倍に色気を見せ始めた菅官房長官に不快感をもち、関係が悪化。菅官房長官は政策決定過程から完全に外されていた。しかし、今井尚哉首相補佐官ら側近の官邸官僚のコロナ対策がことごとく失敗すると、安倍首相は菅官房長官を再び頼り始めた。
「安倍首相が完全に思考停止状態に陥ってしまい、問題を前にしても判断できなくなってしまったようです。今井補佐官も相次ぐ失政で発言力が弱まり、ある種の無政府状態になっていた。それで、菅官房長官が再び出てきて仕切り始めたというわけです。いまはほとんどの政策を菅官房長官が動かしている状態です」(全国紙官邸担当記者)
実際、毎日新聞の8月1日付朝刊に掲載されたコラム「時の在りか」では、「政府高官」のこんな衝撃的な発言が紹介されていた。
「もう菅政権になってるよ」「元からだったけど、官邸の中がバラバラなんで隠さなくなった」
つまり、こうした空気を察知したマスコミが、「次は菅官房長官で決まり」と判断して、競うように番組に呼んでいるということらしい。
もっとも、このマスコミの予想が的中するとはかぎらず、一方では、実際に安倍首相が退陣するとなれば、菅官房長官ではなく、麻生太郎副総理が臨時代行からそのまま横滑りして首相に就任するのではないかという見方も残っている。
「麻生さんは下野したときの総理だから、普通の政治センスなら麻生さんを選ぶことはありえないが、安倍さんなら自分を支えてきたオトモダチだから、という理由だけで後継指名する可能性は十分ある。実際、この間、両者は頻繁に会談しているし、清和会と麻生派をあわせれば、絶対に勝てると踏んでいるはず」(ベテラン政治評論家)
■『報道ステーション』が菅官房長官を出演させるも報道圧力問題にはふれることもできず
しかし、問題は誰が次の総理になるかではなく、いまのマスコミの態度だろう。そもそも、菅官房長官にしても麻生副総理にしても、この間の安倍政権の行政私物化と弱者切り捨ての超A級戦犯なのだ。麻生副総理は森友問題の公文書改ざんや財務省事務次官のセクハラ問題の責任者で、消費税増税を推し進めた中心人物。菅官房長官はカジノ法、黒川弘務・元東京高検検事長の定年延長や検察庁法改正案をゴリ押しした張本人だ。コロナ対応は当初、外されていたが、「GoToキャンペーン」の強行などは復権後で、完全に菅官房長官の責任である。
それが“ポスト安倍”として有力候補になったとたんに、メディアが「番組に出てください」と尻尾を振るというのは、どういうことなのか。
しかも、番組でこうした問題をきちんと追求するのかと思いきや、言い分を言わせっぱなし。菅官房長官を出演させた『報道ステーション』も一応、「GoToキャンペーン」や国会を開かない問題を質問したものの、菅話法で返されると、ほとんど反論できずそのインチキな主張を垂れ流した。『報ステ』はかつて、菅官房長官から露骨に圧力をかけられたことがあるが、メディアへの圧力問題にはふれることすらできなかった。
いや、これは菅官房長官を出演させた番組だけではない。少し前は、コロナ問題の失政を追及していたワイドショーがここにきて批判をトーンダウンさせ、田崎史郎氏や平井文夫・フジテレビ上席解説委員ら安倍応援団の政権擁護の声が再び大きくなっているが、これも「菅政権誕生」の空気は影響しているといわれている。
「菅さんは批判報道に露骨に圧力をかけてくるという強面の評価がある一方で、恵(俊彰)さんや田崎さんなど、メディア関係者にもネットワークを張り巡らしていますからね。その菅さんが次の総理になる可能性が高いとなると、やはり、にらまれたくないということで、腰が引けてしまうところはある」(ワイドショースタッフ)
安倍首相が退陣したとしても、メディアがこういう姿勢であるかぎり、日本のひどい政治状況が変わることはないだろう。
(野尻民夫)
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