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コロナ感染拡大も安倍応援団の“極右”は別世界! Hanadaは「安倍総理の決断が感染爆発止めた」、WiLLと日本会議は「今こそ憲法改正」
https://lite-ra.com/2020/04/post-5383.html
2020.04.21 コロナでも別世界!「Hanada」は「安倍総理の決断が感染爆発を止めた」 リテラ
月刊『Hanada』編集部 Twitterより
新型コロナウイルスをめぐる安倍政権の杜撰すぎる対応で国民生活に多大な影響が出ているなか、こんなフレーズの並ぶ電車の吊り革広告がSNSで物議を醸している。
〈安倍総理の決断が感染爆発を止めた〉
〈武漢肺炎、日本は負けない!〉
〈安倍首相、決断の舞台裏〉
実はコレ、安倍応援団の極右雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)の広告。3月26日に発売された5月号のもので、「なぜ今更になって中吊り?」と首をかしげたくもなるが、この異様な“安倍ヨイショ”を目の当たりにした人たちも絶句したらしい。
Twitterでは、同じく3月に刊行された雑誌「月刊WiLL」特別編集の「だから今こそ憲法改正を WiLL SPECIAL」(ワック)が〈コロナウイルス対策もできない現行憲法〉と大きく打ち出した中吊り広告とあわせて、「今朝の通勤電車。中吊り広告がHanadaとWILLって地獄」「朝から胸糞悪い」「とにかく内容がオカシイ」などの声が相次いでいるのだ。
周知のように、「Hanada」も「WiLL」も、これまで安倍政権を徹底擁護し、ヘイトスピーチとしか言いようのない“嫌韓特集”を組んできた極右雑誌だが、ここまでくるともはや“安倍晋三の狂信者”とでも言いたくもなってくる。というか、国内感染者数が指数関数的に急増し、市中感染や医療機関での院内感染が確認されているこの状況下で「安倍首相が感染爆発を止めた」って……。いや、1ミリも笑えないではないか。
というわけで、本サイトもさっそく読んでみた。まずは花田紀凱編集長率いる「Hanada」5月号。恥ずかしげもなく「安倍総理の決断が感染爆発を止めた」と題したシロモノを書いたのは、あの小川榮太郎氏だ。言わずもがな、小川氏は『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)なる“安倍ヨイショ本”でデビューした自称・文芸評論家で、数年前には杉田水脈・自民党衆院議員の性的マイノリティヘイト論文問題が起きた「新潮45」(新潮社)で杉田擁護を展開し、歴史ある同誌にトドメを刺したことも記憶に新しい。
そんな小川氏が「安倍総理の決断が感染爆発を止めた」などと謳っている時点でお察しなのだが、一応、通読してみると、これが想像以上のシロモノ。小川氏は〈私は今般、メディア、論客から非難に晒された安倍政権のコロナウイルス対応に関しては全面的に擁護する〉と宣言し、〈躍起になって水際対策や全数検査に取り組みながら感染拡大を止められなかった世界各国に対し、集団感染のリスクに対して医療資源を集中させた日本の戦術は正解だった〉などと主張。感染周辺地域からの入国拒否問題について、こんな風に安倍政権を絶賛してみせる。
〈安倍政権が、水際作戦でこのウイルスを防げるという幻想を持たず、保守陣営からの「媚中に転んだ」「中国への忖度だ」などの非難に対してもブレることなく、医学的判断に意識をひたすら集中し、本当になすべき集団感染対策に邁進したこと、これが日本における感染爆発を防ぐ要因になった、と私は考える。〉
さらに、大混乱を引き起こした全国一律の休校要請などについても「安倍首相の手柄」と褒めちぎる。
〈一方、日本では、専門家会議が踏み込んだ制限措置を提言しないなか、安倍総理の判断でイベント自粛と休校要請という「先手」を打ったことで、EU諸国のような感染の急拡大は起こらず、結果として市民生活の制限も緩やかなレベルに留まっているのである。〉
ようするに、安倍首相が「牽引」した日本政府のコロナ対策は何から何まで奏功し、見事に「感染爆発を止めた」というのである
■「Hanada」小川榮太郎のトンデモ安倍擁護、花田紀凱編集長は「今こそ安倍総理を励まそう」
はあ……。いったい何から突っ込めばいいのだろう。そもそも、この数週間の感染者数グラフの急上昇を見れば、「安倍首相が感染爆発を止めた」などとはマヌケにもほどがあるだろう。
「水際作戦」の話にしても、小川氏の論はトンチンカンだ。だいたい、安倍政権は当初こそ入国制限地域を限定していたが、百田尚樹ら応援団から批判されるとわざわざ会食し、一転、大々的な入国制限を敷いたではないか。これは「完全に後手だった」という評価にとどまらず、明らかに安倍応援団の顔色を見て方針を変えたということ。ようは、完全に行き当たりばったりで国民の生活を危機に陥れたのである。休校やイベント等の自粛要請も同じ話だ。安倍首相は2月末に突然、全国一斉に休校を要請して大混乱を引き起こしたかと思いきや、感染拡大が決定的だった3月下旬には逆に休校解除の方針を示すという、ワケのわからないことをやってのけたではいか。
いや、この間、安倍首相がとった「新型コロナ対策」を簡単に振り返っただけでも、むしろ、日本は安倍政権によって感染拡大へと突き進んでいるとしか言いようがない。たとえば、韓国の場合は早急に大規模な検査体制を整えるなどして「封じ込め」に成功しているが、安倍政権は流行直後からずっと検査を抑え、結果、自覚のない感染者による市中感染を引き起こした。その点だけとってみても最悪としか言いようがない。医療機関などの整備についても、安倍政権は明らかに後手にまわった。たとえば不足が叫ばれている人工呼吸器の問題も、すでに1月末の国会で野党から必要性を指摘されていたにもかかわらず、増産体制を構築しようとしなかった。ようは1月末から指摘されていた問題を、目に見えて感染が拡大している状況に陥るまでほったらかしにし続けたのだ。
逆に、安倍首相が肝煎りでやったこと言えばなんだったか。批判を抑えるためだけに巨額の予算を注ぎ込んだ“布マスク2枚配布”や、星野源動画“便乗コラボ”で国民の神経を逆撫でし、一方では本当に必要だと叫ばれている休業補償の問題はおざなり。国民の生活は、もはやコロナ以上に安倍政権によって脅かされている。これが現実ではないか。
ここまでくると、「安倍応援団」というよりも「安倍狂信者」と呼ぶのがふさわしい。念を押しておくが、これは「後出し」で言っているわけではない。この状況は2月や3月の段階で、専門家からの予測や指摘が相次いでいたことである。
にもかかわらず、「Hanada」と小川氏はまさに政権への批判が高まっているタイミングで「安倍総理の決断が感染爆発を止めた」などとうそぶき、まるで政権PRのごとく電車の中吊りまで展開したのだ。それだけではない、花田紀凱編集長は2月末にも「Yahoo!個人」で「今こそ安倍総理を励まそう」などとキャンペーンをはっていた。
同誌については以前から「官邸がバックについているのではないか」なる噂がまことしやかに飛び交ってきたが、この露骨さはそう疑われても仕方がないレベルだ。
■百地章は“緊急事態条項がないから”、日本会議系団体が「憲法に緊急事態条項を!」のチラシ
しかも、恐ろしいのは、安倍応援団のメディアや極右勢力が、“トンデモ安倍首相擁護”だけでなく、を展開する極右雑誌は世間的に見てトンデモではあっても、安倍応援団にとっては、コロナを改憲のダシにしはじめたことだ。
小川氏は「Hanada」で〈日本の総理には、緊急事態においてさえ、権限の集中がほとんどなく、国民の私権を制限することは極度に困難だ〉と安倍首相をフォローし、〈憲法に緊急事態条項が無いためである〉と改憲への弾みに結びつけている。「WiLL SPECIAL」のほうでは、日本会議の改憲議論を牽引する百地章・日本大学名誉教授が“政府がコロナ対策を強行できなかったのは憲法に緊急事態条項がないから”という趣旨で〈憲法上の緊急権についても、積極的に議論を始める必要がある〉と力を込めた。加えれば、日本会議関係者が実質的に事務方をになっている極右改憲団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共同代表=日本会議の田久保忠衛会長、三好達名誉会長、櫻井よしこ氏)も4月、コロナにかこつけて「憲法に緊急事態条項を!」などと謳うチラシを拡散するなど、“コロナ改憲”のPRを加速させている。
ようするに、安倍首相と一心同体の極右応援団の皆さんは「安倍首相はコロナ対策を頑張っているが、憲法の制約があるから難しいのだ。だから憲法改正だ!」と息巻いているのだ。剥き出しのコロナの政治利用としか言いようがあるまい。
つまるところ、日本の「自称保守」=安倍応援団たちは、国民の生活や生命など二の次で、この破滅的な総理大臣をヨイショした先にある改憲という身勝手な願望を叶えることに躍起なのである。
しかし、この極右勢力と安倍首相のこれまでの蜜月、連携を考えると、これは安倍首相の本音なのではないか。かけてもいい。おそらく安倍首相はこれだけ失策を重ねたにもかかわらず、その責任には一切ほおかむりし、もう少し経ったら、コロナ感染拡大を逆に憲法改正のせいにして、改憲を煽り始めるだろう。
その前に、一刻も早く、安倍首相を総理の座から引きずり下さねばならない。
(編集部)
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