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「血を流すしかない…」コロナで困窮する生活保護の申請者 自治体の追い返し横行
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/252.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 8 月 01 日 16:42:50: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する 投稿者 中川隆 日時 2020 年 7 月 15 日 10:08:35)

「血を流すしかない…」コロナで困窮する生活保護の申請者 自治体の追い返し横行
2020年8月1日

東京都新宿区内の炊き出し会場。生活困窮者は「自治体から必要な支援が受けられない」と訴えていた(自立生活サポートセンター・もやい提供)


<取材ファイル>

 新型コロナウイルスの影響による収入減や失業で、生活に困窮する人が増加する中、生活保護などの公的支援を頼る人も増えている。しかし、自治体の窓口で追い返されたり、希望が通らなかったりといった声は後を絶たない。東京都新宿区内の炊き出し会場で話を聞いて回ると、悲痛な声が聞こえてきた。(中村真暁)

◆望まぬ地域に連れられ

 収入が少なく、神奈川県内のネットカフェや友人宅を転々としてきた40代の女性が、地元自治体の福祉事務所で生活保護を申請したのは5月末。アパート住まいを希望したが、何の説明もなく車に乗せられ、都内の多摩地区にある社会福祉施設に連れられた。この自治体にある施設を運営するNPOの別施設に入れられたとみられる。
 女性は縁もゆかりもない地域で困惑。部屋は個室だが、天井はカビで真っ黒だった。その後、生活保護費の受給が決まり、福祉事務所を再び訪れ地元のアパートに住みたいと訴えたが、「都内で働けばいい」と受け入れられなかった。

 保護費から施設利用費や朝夕食費を抜かれて手渡されたのは月2万7000円。なじみのない都内ではなく、地元で就職活動をしたいが、そのための交通費もばかにならない。昼食を抜くなど節約するが、「生理用品も買えず、血を流すしかない。ぎりぎりのところで、生きています」。落ち込んでいる様子だった。

 この自治体の担当者は取材に「本人に説明もなく施設へ連れて行く運用はしていない」としている。

◆「役所は期待できない」

 路上で5年ほど生活する男性(54)は5月、居場所を失った困窮者にホテルを提供する都の救済事業を利用しようとしたが、訪れた自治体の窓口で「ネットカフェ利用者の事業だから」と断られた。路上生活者の自立支援事業もあるが、今も路上で暮らす。「役所なんて期待できない」と吐き捨てた。
 生活保護法では本人の意思に反し、施設入所させることを禁じているが、女性のように施設に入り、なじめず逃げ出したり、ひどい対応を受けて追い返されたりといった声は多い。ある福祉事務所の男性職員は「申請者を追い返す『水際作戦』などをする自治体があると、しっかり対応している自治体に人が集中してしまう」と愚痴をこぼす。

 新宿区内の炊き出しを開いた認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長によると、窓口で制度利用を拒まれた声が多く聞かれると指摘。こうした対応で、「制度利用を遠ざけ、自立を妨げ、生活基盤の安定とは程遠い状態に陥らせるリスクをはらむ。自治体には1人でも多く支えようという態度で積極的に動いてほしい」と求める。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/46380  

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コメント
1. 2021年1月21日 11:15:14 : jbp26dqTF6 : dUN0QjhOZ1ZiNWc=[12] 報告
生活保護の大きなハードル《扶養紹介》。「福祉」に頼りたくない、それぞれの理由
ハフポスト日本版 2021/01/21


コロナ禍で、多くの人が生活困窮に直面している。

仕事を失い、貯金も尽き、家賃やライフラインの滞納も始まっているという人も多いだろう。そんな時、頭にちらつくのは「生活保護」という言葉だと思う。自力で頑張りたいけれど、友人知人から借金もしていて、売れるものはすべて売って、万策尽きている状態。迷い、悩みながら勇気を振り絞って訪れた役所の窓口で、「大変でしたね」とねぎらいの言葉をかけられ、思わず涙した人もいる。一方で、冷たい対応をされたと憤る人もいる。

そんな生活保護を利用する上で、大きなハードルとなっているのが「扶養照会」だ。

扶養照会とは、親族に連絡が行くこと。生活保護の申請をすると、親や兄弟、子どものもとに「あなたの息子さん(きょうだい、親など)が生活保護の申請に来ているが面倒をみることはできないか」と連絡が行くのだ。

これがどうしても嫌、ということで生活保護を利用せずにいる人を、少なくない数、知っている。仕事と住まいを失った人に生活保護申請を提案したところ、「受けてみるしかないかな」と前向きだったものの、「扶養照会」の説明した途端に顔色を変え、「無理です」と言われたことも一度や二度ではない。

もし、自分だったら。

そう考えると、私も嫌だ。現在、親や兄弟との関係が悪くない私でもそう思うのだ。関係が複雑だったりしたら、その抵抗感は何倍にもなるだろう。

ちなみに扶養照会は、されない場合もある。厚労省は、DVや虐待があった場合は問い合わせをしないこと、また20年以上音信不通、親族が70歳以上など明らかに扶養が見込めない場合は問い合わせをしなくていいという通知を出している。が、これを守っていない自治体もあるのが現実なので、虐待を受けていた場合などはその事実を強調し、「扶養照会は絶対にしないでください」と念を押そう。

しかし、中には厚労省の通知を守らないどころか、「生活保護申請をするなら親族に連絡する」と言って申請をあきらめさせようとする自治体も一部あるという。なんだかため息が出てくるような話だ。

そんな扶養照会について、つくろい東京ファンドがアンケートを行った。対象は、この年末年始に困窮者向けの相談会を訪れた人たちで、165人。

165人中、生活保護を、A)現在利用している人は22.4%。B)過去利用していた人は13.3%、C)一度も利用していない人は64.2%で128人。

いま生活保護を利用していない、B)とC)の人に、その理由を聞いたところ、もっとも多かった回答が「家族に知られるのが嫌」(34.4%)だった。20〜50代に限定すると、77人中33人(42.9%)が「家族に知られるのが嫌」を選んでいた。ちなみに生活保護を利用していない人の実に52.1%が路上や公園、ネットカフェや簡易旅館など安定した住まいがない状態。それでも家族に知られるのが嫌で生活保護を利用していないのだ。

一方、生活保護を利用したことがある人59人のうち、32人(54.2%)が扶養照会に「抵抗感があった」と回答。

ここから、アンケートに答えてくれた人の記述を見てみよう。生活保護を今利用している人、過去利用していた人からは、扶養照会について、以下のような声があった。

「家族から縁を切られるのではと思った」

「親と疎遠なのに連絡された」

「親は他界。きょうだいに連絡行ったのが嫌だった」

「子どもに連絡いくのが嫌だった」

「知られたくない。田舎だから親戚にも知られてしまう」

「困ります。一回きょうだいが迎えに来て困った。その時もお金を一回置いていっただけ。どうにもならない」

「家族に知られるのがいちばんのハードル」

「親に連絡されることに抵抗あった」

やはり抵抗感は強い。中には以下のような回答もあった。

(以下引用)

「以前利用した際、不仲の親に連絡された。妹には絶縁され、親は『援助する』と答え(申請が)却下された。実家に戻ったら親は面倒など見てくれず、路上生活に」

(以上引用)

援助する気などないのに、親が「援助する」と言ったため生活保護を利用できずに路上生活になってしまったという最悪のパターンだ。扶養照会などなければ、この人は生活保護を利用でき、路上に行かずに済んだだろう。

また、生活保護を利用していない人からは、その理由として以下のようなものがあった。

「窓口で相談すると扶養照会される。年取った両親をビックリさせたくない」

「今の姿を自分の娘に知られたくない」

「子どもに連絡が行くのはイヤ」

「扶養照会があるから利用できないでいる」

やはり、扶養照会が大きなハードルになっている。一方、もし制度が変わって、親族に知られることがないなら生活保護を利用したいと答えた人は約4割。

つくろい東京ファンドでは、都内のいくつかの区で、扶養照会の実績について調査している。前回の原稿で、足立区では2019年、生活保護新規申請世帯は2275件だったが、うち、扶養照会によって実際に扶養がなされたのはわずか7件だということは書いたが、他の区も同じような結果だった。

例えば台東区は19年、1187件の保護が開始されたが、なんらかの援助ができると回答したのはわずか5件で0.4%。荒川区、あきる野市に至っては、扶養照会の結果、なんらかの援助ができると回答したのは0件。本当に、やっても意味がないのである。

このアンケートでは、扶養照会以外にも、生活保護を利用する上でのハードルがいくつか挙げられている。そのひとつが「根掘り葉掘り」話を聞かれること。

「過去に〇〇区に行ったらとんでもない目にあった。取り囲まれて根掘り葉掘り」

「役所でいろいろ話すのが煩わしく面倒だった」

「かつて役所で嫌な目に遭った。体調悪くても身の上話からしなくちゃならない」

この回答に、深く頷いた。

私もこれまで少なくない人の生活保護申請に同行してきたが、「なんでそこまで過去のことを根掘り葉掘り聞くの? 関係なくない? 」と面食らったことは一度や二度ではない。

この年末年始、相談会に来て生活保護利用を始めた人からも、「小学校の名前とか、ものすごく遡って全部話さないといけなくて嫌だった」という声を聞いた。現在の所持金や仕事、住まいの有無など最低限の聞き取りはもちろん必要だが、中には「それ関係ある?」ということを延々と聞き出される場合もある。その人がこれまで辿ってきた人生について、あまりにも執拗に聞き出すのは、当人にダメージを与える行為だと思う。

なぜなら、それが「人生でもっとも成功している時期」なら気分がいいだろうが、もっとも経済的に厳しい時に「これまでの軌跡」を話すのは過酷なことだと思うからだ。

なんだか赤の他人に「人生の成績表」の点数をつけられているような、そんな情けない気分になるのではないか。そんなやりとりは、時に当人をたまらなく「惨め」な気持ちにもさせるだろう。

こんなことを書くのは、「聞き取り」がひとつのきっかけとなったのではないかと言われる心中事件があるからだ。

それは15年11月、埼玉県で起きた一家心中。70代の父と80代の母を乗せ、40代の娘が運転する車が深夜、利根川に突っ込んだ事件だ。40代の彼女だけが生き残り、70代の父親、80代の母親は死亡。女性は母親に対する殺人と父親に対する自殺幇助の罪で逮捕された。

親子は数日前に生活保護の申請をしており、心中の2日前には役所の職員が調査のため、自宅を訪れていた。母親は認知症、パーキンソン病を患い、女性は3年前から仕事をやめて介護に専念していた。父親の新聞配達が一家の唯一の収入源だったが、少し前、父親は頚椎を痛めて仕事ができなくなり、困窮の果ての生活保護申請だった。

調査の日、どんな聞き取りがなされたのかはわからない。しかし、裁判で女性はその時のことを聞かれ、言った。

「今までの人生、惨めだなと思いました。高校も中退して仕事も転々として。父の人生も、同じように惨めだと思いました」

「役所の調査であまりにも惨めな気持ちになったので、早く死のうと思いました」

もうひとつ、生活保護に抵抗があると答えた人たちが回答したのは「生活保護という言葉が嫌」「イメージが悪い」という、制度そのものに対する忌避感だった。

「生保のイメージはよくない」

「生活保護という名称でなければ利用したい」

「生活保護の響きが嫌」

「名前を変えてほしい」

一方、「世の中の偏見、バッシングが変われば受けたい」「もっとカジュアルに使える仕組みがあれば」という声もあったが、やはり「生活保護」というネーミングとそこに付随するイメージから、利用を尻込みしていることが窺える。

ここにひとつ、参考になる事例がある。それは韓国の制度改革。

韓国では15年に日本の生活保護にあたる基礎生活保障法が改正され、制度が抜本的に変わった。それまで、日本のように生活保護を利用すると丸抱えで面倒を見てもらうというものだったのが、医療扶助、住宅扶助、教育扶助などと7つほどの扶助に分けられたのだ。いわばパッケージ給付から個別給付になったのである。それによって、住宅扶助だけの利用、医療扶助だけの利用という形で使えるようになった。

例えば今生活が苦しい人の中には、家賃だけ給付されれば楽になるという人がいるだろう。医療費が家計を圧迫している人であれば、医療費がタダになれば助かる人も多いはずだ。そのように、個別で使える制度にしたことによって、それまで根深くあったスティグマも解消されたという。

これは非常に参考になる事例ではないだろうか。

最後に書いておきたいのは、「相部屋」についてだ。

アンケートには、生活保護を利用したくない理由として、無料低額宿泊所などの相部屋生活が嫌、という意見も多く寄せられていた。

首都圏では、住まいのない人が路上などから生活保護申請をした場合、大部屋、相部屋の施設に入れられることが多い。食費や家賃として生活保護費の大半を取られてしまうのもよく聞く話だ。支援者が同行すればそのような施設を経由することなくアパート転宅への道筋をつけられることもあるのだが、一人で申請すると、「施設に行くことが条件」のように言われることもある。それが大きな壁になっているのだ。

以下、相部屋について寄せられた声だ。

「池袋のやまて寮や世田谷のSSS、大田区のひどい施設に入れられ、嫌になって保護を切った」

「施設の待遇が悪い。食事悪い。設備悪い」

「金をたかられたり、人間トラブルの温床だった」

「過去に自立支援を利用。10人部屋。人間トラブルで懲りた」

「区が積極的に貧困ビジネスの宿泊施設を利用するの、やめてほしい」

「集団生活しなくて済むようにして欲しい」

「(施設で)歌っていたり、大声出す人と一緒の生活をするのはNG」

中には、こんな切実な声もある。

(以下引用)

「生保受けたらやまて寮に入らなくてはいけない。1ヶ月7000円しか残らない。福祉が紹介する施設が悪くて生保を受ける気にならない。保護いらないから雨を凌げる寝場所が欲しい。火をつけられたり花火打ち込まれたりしなくて済む安全な寝場所を提供してくれればいい。襲われる心配のない安心して寝られる場所が欲しい」

(以上引用)

たったこれだけのことが実現しないのが、この国の福祉の実態なのかと思うと悲しくなってくる。

ちなみに相部屋の施設の中には、「コロナ対策」として20人部屋を12人部屋にしたところもあるという。これのどこがコロナ対策? と突っ込みたくなるのは私だけではないだろう。

また、回答の中には、役所の対応がひどいこと、悪意ある対応をなされたことなども書かれていた。

一方、アンケートに答えた人の中には、「家に子どもと失職した夫がいる。3人分の食料をもらわないといけないから、これから別の炊き出しに行かなくてはならない」という人もいた。

コロナ禍により、明らかに路上生活には見えない女性が炊き出しに並ぶことが増えたと思っていたが、こういう事情があったのだ。

このような状況の人にこそ、福祉は手を差し伸べるべきではないだろうか。だって、炊き出しを巡って夫と子どもの食料を確保している時点で、もう限界だと思うのだ。もう、みんな「自助」を極めている。「公助」をもっともっと利用しやすくして、根こそぎ救うくらいの制度変更をしないと、庶民の生活はもう持たないところまで来ている。

つくろい東京ファンドでは、このアンケートを結果を受け、ネット署名を始めた。「困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害な扶養照会をやめてください!」という署名だ。

コロナ禍の中、誰にとっても他人事ではなくなった貧困。

同感だ、という方は、ぜひ署名してほしい。

(2021年01月20日の雨宮処凛がゆく!掲載記事「第546回:「福祉」に頼りたくない、それぞれの理由。「扶養照会」についてのアンケートから見えたもの。の巻(雨宮処凛)」より転載。)

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%ae%e5%a4%a7%e3%81%8d%e3%81%aa%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%ab%e3%80%8a%e6%89%b6%e9%a4%8a%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%80%8b%e3%80%82%e3%80%8c%e7%a6%8f%e7%a5%89%e3%80%8d%e3%81%ab%e9%a0%bc%e3%82%8a%e3%81%9f%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%81%e3%81%9d%e3%82%8c%e3%81%9e%e3%82%8c%e3%81%ae%e7%90%86%e7%94%b1/ar-BB1cWkwj

2. 2021年2月01日 11:54:59 : I6iXKnv8FE : R3JvNS5QRXV2R3c=[5] 報告
2021年2月1日
【三橋貴明】菅義偉首相の残酷な発言と「補償なし、罰則あり」の法律
https://38news.jp/economy/17510

菅義偉総理大臣 あんたホントに人間か?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12653033504.html

自助! 共助! 公罰!
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12653227887.html

日本の生活保護を受ける際の条件は、
実はとても厳しいです。

最低生活費が厚生労働省の基準を
下回っているのは当然として、
二台目以降の携帯やパソコン、
クレジットカード、終身保険や
養老保険など貯蓄性がある生命保険、
株式の売却を求められます。

さらに、「身内から経済的な援助が
受けられないこと」という条件があるのです。

これが、重い。

「身内」とは、両親、別居中の配偶者、
息子、娘、兄弟姉妹、祖父母、
孫、叔父叔母、甥姪と定義されています。

生活保護を受ける際には、
上記の「身内」に「扶養調査書」が
送付され、毎月の仕送りや
同居の意思を確認されるのです。

その上で、身内に
「扶養の意思なし(未返却も意思なし)」と
確認されてはじめて、生活保護を受給できる。

家族はもちろん、親戚中に自分が
生活保護を受給せざるを得ないほど
「貧乏」であることが知れ渡る。

そこまでしなければならないのですよ。

さらには、緊縮路線を貫く日本は、
自治体を含めて生活保護の認定を渋り、
結果的に捕捉率が22%(2018年)と
悲惨な状況になっています。

生活保護の捕捉率とは、
「生活保護基準を下回る経済状況に
 ある世帯が、実際に生活保護を受給している割合」 
を意味しています。

捕捉率は、イギリスが87%、
ドイツで85%。八割以上の貧困層は、
生活保護を受けている。

それに対し、日本は22%。

緊縮財政である以上、
こうならざるを得ない。

この状況で、しかも「政府の失策」に
よりパンデミックという人災が発生し、
「政府の政策」による所得激減に苦しむ日本国民に対し、
「最終的には生活保護がある」
と言ってのけた人物がいます。

すなわち、菅義偉総理大臣です。

さらには、菅内閣が推進する
「新型コロナウイルス対策の
 特別措置法等の改訂案」は、感染者について、

1.入院を拒否した患者 
 50万円以下の過料

2.保健所調査への虚偽申告、拒否 
 30万円以下の過料

休業や時短営業を
余儀なくされる事業者については、

1.緊急事態宣言下で時短命令に応じない事業者 
 30万円以下の過料

2.蔓延防止等重点措置下で時短命令に応じない事業者 
 20万円以下の過料

と、罰則が明記されるのです。

ところが、何と「補償」は法律に定められていない。

事業者については、
「財政上の措置その他の必要な措置を
 効果的に講ずるものとする」
と、「努力規定」が書かれているのみ。

(「効果的」というのは
 「努める」の言い換えです) 
個人(患者)の方は支援なし。

無論、疫病のパンデミックなのですから、
公衆衛生上、国民の行動を
制限するのは構いません。

とはいえ、国民の財産権、
基本的人権を侵害する以上、
政府としては補償を「しなければならない」のです。

それにも関わらず、補償なし、
罰則ありの法律を通そうとしている。

もっとも、緊縮財政を継続する限り、
そうならざるを得ないのです。

菅義偉首相の残酷な発言も、
「補償なし、罰則あり」の法律も、
共に「緊縮財政」が原因なのです。

緊縮財政を主導する
「財務省が日本を滅ぼす」という書籍を
刊行しましたが、まさに今、
目の前で日本国という世界最古の国家が壊されていっています。

https://38news.jp/economy/17510

3. 中川隆[-7696] koaQ7Jey 2021年2月05日 12:33:06 : rbwCQpuSgs : eEc0YkNkUVZqY0E=[21] 報告
生活保護はどうあるべきか?ラジオ出演で語り尽くせなかった「宿題」
みわよしこ 2021/02/05

筆者が10分間のラジオ出演の後で感じた、生活保護に関する「大きな宿題」とは

ラジオ番組で
生活保護について語る

 1月27日、菅義偉首相が参院予算委員会で「最終的には生活保護がある」と発言したことから、「生活保護のリアル」に関する多様な発言が活発化している。活発に発言しているのは、支援者や報道関係者や政治家だけではない。当事者たちも、自ら、あるいは他者の助けを得て、自らの経験した「生活保護を必要とする状況」「生活保護とのもとで暮らすということ」を積極的に語り始めた。歓迎すべき傾向である。

 日に日に生活保護への関心が高まる中、筆者のもとに文化放送『斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!』から出演の打診があり、2月1日、10分ほどの出演の機会を得た。自宅から、2匹の猫に代わる代わる膝に乗られつつの出演であったことが、リラックスして語るべきことを語ることへとつながったと考えている。とはいえ、反省点も多い。

 この日は、緊急事態宣言の期限切れが2月7日に迫る中、国会で行われていた攻防が中心になっていた。特措法と緊急事態宣言の延長をめぐる国会での攻防を、要領よくテンポよく伝える女性放送記者の手腕に感嘆していた筆者は、

「最後のセーフティネットとされる生活保護の現状は、どうなっているのでしょうか? 日本評論社から『生活保護リアル』という本を出版されているフリーランス・ジャーナリスト、みわよしこさんにお聞きします」

 と、自分の名前が呼ばれたので慌てた。リラックスしすぎである。

「10分でわかる生活保護の今」を

実現させた構成者の手腕

 この日、筆者が番組で語った内容は、

 ・生活保護制度の概況

 ・生活保護が利用できる条件

 ・生活保護の利用方法

 ・申請侵害のよくあるパターン

 ・申請から保護開始までに行われる調査の内容

 ・不正受給

 ・生活保護の問題点

 と、多岐にわたった。出演にあたっては、構成担当者とメールや電話でやりとりし、一応の台本があった。これらの内容を10分間に極端な不足なく盛り込んだ担当者は、掛け値なく尊敬に値すると思う。

 概況については、ここ5年間ほどの「人数で200〜220万人程度」「世帯数で165万世帯程度」「8割は単身者、高齢者世帯に限れば9割が単身者」「高齢者世帯が約55%、傷病者・障害者世帯が約25%、母子世帯約5%、その他の世帯約15%」といった内容を語った。

 ついで「『働ける』とされる世帯は20%、その方々も一般的に『働ける』と考えられる状況ではないことが多い」という事実、「予算総額は国の負担分で3.8兆円、この他に地方の負担分があり、合計でだいたい5兆円。1人あたりでは年間250万円」といった財政面でのトレンドを話し、「おおむね半分が医療扶助であり、本人の使えるお金が年間250万円あるわけではない」という最低限の解説を追加した。

 続いては、生活保護が利用できる条件だ。これは、「資産がなく、収入が生活保護基準より少ない」と20文字で表現できる。「資産がない」という判断にあたって問題になりうる持ち家や自家用車についても、「高級タワマンのような物件ではなく、ローンが終わっているのなら、持ち家に住み続けられることが多いです」「自家用車は所有も運転も禁止されているが、ないと暮らせない場合には認められることが多いです。処分には、もともと6カ月の猶予があり、生活保護を利用し始めるときに処分できている必要はありません」といったポイントとともに説明した。

 では、実際に生活保護を申請するには、どうすればよいのだろうか。

生活保護は本当に

ためらわずに使える制度なのか

 生活保護の申請は、申請の意思を示すだけで可能だ。申請書は、支援団体のウェブサイトなどからダウンロードすることができるのだが、必要な事項が書かれていれば、レポート用紙でもチラシの裏紙でもかまわない。福祉事務所に持参して提出することも、FAXや郵送で送付することもできる。

 本来は、福祉事務所を訪れたり電話をかけたりして、「生活保護を申請します」と口頭で述べるだけでもよい。障害や不十分な教育によって、文字の読み書きが不自由な人も少なくないからだ。ただし実際のところ、口頭では相談も申請もなかったものとして扱われることが多いだろう。

 厚生省および厚労省は、1954年以来ずっと、一貫して生活保護を「適正化」し続けている。当然、制度の適正な運用は必要なのだが、この「適正化」が意味するのは、生活保護の利用抑制だ。その背後には、大蔵省および財務省の意向がある。2020年12月、厚労省がウェブページで「生活保護は権利」「ためらわずに申請を」と呼びかけたのは、画期的かつ革命的なことなのだ。

 番組では、生活保護の利用抑制のさまざまなパターンについても解説した。具体的には、福祉事務所の窓口で生活保護の申請を断念させる「水際作戦」、申請を受け付けて生活保護も開始するものの就労指導を口実として生活保護から強引に脱却させる「硫黄島作戦」、生活保護以外の制度を紹介して生活保護は申請させない「沖合作戦」である。これらは、コロナ禍下にある現在も「ない」とは言い切れない。

 また扶養照会も、「適正化」の文脈の中にある。親や兄弟に知られるのを怖れて生活保護を申請できないという悩みは、極めてありふれている。

不正受給をほとんど生み出さなかった

生活保護の70年間

 話題は次に、生活保護の不正受給に移った。

 パーソナリティの斉藤一美氏は、話題を切り替えるにあたり、「お笑い芸人のお母さんが生活保護を不正受給していた事件がありましたけど」と語った。筆者は内心、「えっ」と思った。

 というのは、お笑い芸人・河本準一氏の母親が単身で生活保護を受給していた件は、2012年4月から6月にかけてメディアで大きく取り上げられていたけれども、どこにも「不正」「不適切」といえる部分はなかったからだ。河本氏は福祉事務所と協議のうえ、母親の扶養義務も果たしていた。しかし「不正受給ではないですよ」と修正する時間はなさそうだ。

 筆者は踏み込むのを控え、件数や金額について淡々と述べた。生活保護制度が現在の形になったのは1950年であるが、以後70年間、「不正受給が多くて大変」という状況は一度もなかった。不正受給は、金額でいえば保護費総額の0.5%前後で推移している。言い換えれば、99.5%は適正受給なのである。

 件数で見ると、多い年は4万件を超えることもある。不正受給1件に受給者1人が対応しているとすると、「2%は不正受給をしている」と言えるかもしれないが、「同じ人が1年間に20回」ということもあり得るため、実態は不明だ。

 いずれにしても、金額でも人数でも「全体ではおおむね適正」と見るのが妥当であろう。このような事柄は、生活保護について一定の下調べを行っている報道関係者、そして生活保護の研究者の間では、常識以前である。

 しかし、ラジオ放送に耳を傾けている聴取者のほとんどは、一定の予備知識を期待される報道関係者や研究者ではない。メディアは時に、「生活保護の不正受給は実は少なくて、そこばかり問題にしていると公務員の人件費が増えて、納税者が損をするだけ」というメッセージも発しているのだが、多くの場合は「〇年の生活保護不正受給は△件、金額は□億円」と淡々と報道するだけだ。そのとき、「□億円」は総額の何%に当たるのか。瞬時に概算で暗算して「今年も0.5%くらいか、平年並みだな」と判断する筆者は、少数派中の少数派であろう。

 筆者は自分の出番を、「必要なら心配なく利用でき、贅沢ではなくても心豊かに暮らせる生活保護に」「『最後のセーフティネット』の出番がありすぎる状況は問題なので、『最後』の手前にある雇用と公的保険の充実を」と締めくくった。

就労促進による課題解決は

本当に有効なのか

 最後に、コメンテーターの前衆議院議員・金子恵美氏から、筆者は3点の質問を受けた。

 1点目は、公的保険の充実に関する具体案であった。少なくとも、低所得層に対する健康保険料や年金保険料があまりにも重い負担となっているため、「働いているのに生活保護より苦しい生活」という状況が実際に存在することは問題である。

 2点目は、就労意欲の喚起に関する質問であった。生活保護を必要とする人々は、生活費や住居費などの現金現物だけではなく、心身の健康や教育歴など多くのハンデを負っていることが多い。このため、就労意欲があっても好条件の就労に結びつくことは少ない。就労意欲の喚起や就労指導は長年にわたって行われてきているが、この課題を打破することはできていない。いったん、この路線を追求することは止め、「就労意欲が自然に湧き上がれば望ましい」という方向性を試してみることが必要なのではないか。

 3点目は、現物支給に関する是非である。多くの場合、現物支給は現金支給よりもコストが高くなる。とはいえ、現物支給ならではのメリットもある。短い時間で回答するのは極めて難しい。しかし金子氏は、例として自動車の貸与を挙げた。筆者はそれに沿う形で、「現物支給にはメリットもあるけれど、当事者から選ぶ自由を奪うところが最大の問題。もともとご本人が乗っている車は、自ら選んだ車であろう。乗りたい車に乗っていていただく方が、好影響は多いのではないか」と答えた。

事実を示せばそれで済むのか

自分自身に残された宿題

 今回の出演は、「不正受給が大問題」「生活保護に甘えて働けるのに働かない」という説の“人気”ぶりを、改めて認識する機会になった。

「働けるのに働いていない人々がいる」「福祉制度を不正に使用する人々がいる」という情報は、潜在的に渇望されているのかもしれない。それらの情報があれば、誰もが「だから、自分は価値がある」「だから、自分は不当にも苦しい」というストーリーを完成させることができるからだ。この傾向は、「日本人限定」というわけではなく、程度の差はあれ世界各地に広く見られる。

 事実を示し、根拠に基づいて「こちらが正解ではないか」と示すことは、当然必要だ。しかしそれだけでは、一人ひとりの「こんなに苦しい私が生きるために必要なストーリー」はビクともしないだろう。せめて、各自の切実なストーリーの養分となるように事実を示すことはできないだろうか。

 思いがけないラジオ出演の機会は、筆者に思いがけない宿題を残してくれた。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%82%e3%82%8b%e3%81%b9%e3%81%8d%e3%81%8b%ef%bc%9f%e3%83%a9%e3%82%b8%e3%82%aa%e5%87%ba%e6%bc%94%e3%81%a7%e8%aa%9e%e3%82%8a%e5%b0%bd%e3%81%8f%e3%81%9b%e3%81%aa%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%80%8c%e5%ae%bf%e9%a1%8c%e3%80%8d/ar-BB1doTXv

4. 2021年2月12日 23:41:48 : jQQwox7FAg : TkNUOWU2UGxDVHc=[26] 報告
生活保護の「扶養照会」が破壊する家族の絆、娘と孫を搾取する虐待父も
みわよしこ 2021/02/12

生活保護の扶養照会は、時として申請者と家族の絆を壊してしまう(写真はイメージです) 

「ためらわせる」扶養照会

 1月27日、参院予算委員会でコロナ禍による生活への影響への対応について問われた菅義偉首相が、「最終的には生活保護」と答えたことから、生活保護への関心が高まり続けている。現在、厚労省は「生活保護は権利」「ためらわずに申請を」と広報しているのだが、実態は「権利だから、必要ならためらわずに申請して利用できる」という制度ではない。

 生活保護への「ためらい」をもたらしている最大の要因は、「扶養照会」が行われて“家族バレ”する可能性である。「最終的には生活保護」という菅首相の発言の是非はともかく、生活保護を必要なら使える制度にするためには、「扶養照会」を撤廃する必要があるはずだ。

 タイミングを逃さずに、経験者の声を集めて広く伝えた支援団体などの動きに呼応する形で、2月4日、田村憲久厚労相は扶養照会の適用を緩和する方針を示した。また8日の衆院予算委員会で、菅首相は扶養照会を「より弾力的に運用」できるように検討していると述べた。ただし2月10日時点では、「より弾力的に運用」の内容は明らかになっていない。

 また菅首相は、扶養照会そのものの撤廃については否定している。このことは、法治主義の側面からは、評価すべきなのかもしれない。扶養照会は生活保護法に定められているため、撤廃するには法改正が必要である。菅首相の意向によって、強引に撤廃するわけにはいかないはずだ。

 同じ2月8日、一般社団法人つくろい東京ファンドと生活保護問題対策全国会議は合同で、厚生労働省社会・援護局保護課に対し、扶養照会の見直しに関する要望を行った。

 そもそもの問題は、扶養照会の位置づけの不明確さにある。扶養照会が必要であることは、生活保護法に規定されている。しかし、生活保護の申請を受けた福祉事務所は、申請者の親族の誰にどのような扶養照会を行うべきなのだろうか。あるいは、どのような場合に扶養照会を行わないようにしなくてはならないのだろうか。法律家や行政のエキスパートが通知類を総合しても、「イミフ」なのだ。

DVや虐待から生き延びた人々を

かえって追い詰めてしまうことも

 たとえば、「高額所得者である配偶者の暴力から逃げてきた」「多大な資産を持つ親の虐待から逃げてきた」という人が生活保護を申請している場合、その配偶者や親に対して「民法上の扶養義務者だから」という理由で扶養照会を行うと、本人の生命や心身が脅かされることになる。

 もちろん、厚労省の通知には、このような場面でも「扶養照会を行うべき」とは書かれていない。しかし、「扶養照会はダメです」とも書かれていない。そこにあるのは、扶養照会をすべきではないと考えて「差しつかえない」、あるいは、扶養は期待できないと考えて「差しつかえない」という文言だ。少なくとも、福祉事務所が扶養照会を行うことは禁止されていない。

 実際に扶養照会が行われてしまうと、何が起こるか。つくろい東京ファンドには、数多くの体験談が寄せられている。

 難病を患う30代のシングルマザー・Aさんは、妊娠中に失職した。現在は治療を受けつつ、生まれた子どもと共に生活保護で生き延びている。夫とは、出産以前に別れている。兄弟姉妹もいない。Aさんの父親は、母親とAさんに暴力をふるい続けていた。Aさんは、中学生のときに母親と共に逃げ出し、母子で暮らしていた。その母は、すでに他界している。

 生活保護の申請を受け付けた福祉事務所職員は、20年間音信不通となっているAさんの父親に対して、扶養照会を行った。Aさんは過去の事情を話したのだが、「規則だから」「扶養照会をしなければ申請は受け付けられない」と言われてしまい、仕方なく扶養照会に同意したという。父親は扶養照会によって、母とともに逃げたAさんの住所を知ることとなった。すると、何が起こったか。

「私の父親は、何度も住まいに押しかけてきました。子どものための手当や一時金の振込先は、父親の口座に変更されて奪われました。保護費も、家の中の家電製品なども、父親に奪われました」(Aさん)

 生活保護によって「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるはずの母子は、扶養照会によって、生活費も生活必需品も奪われる生活を強いられることとなった。

 その後、Aさん親子は転居し、いつ父親がやってくるか怯える状況から解放された。

「今は安心して暮らせていますが、あのときの恐怖は忘れられません。DV加害者への扶養照会は禁止してほしいです」(Aさん)

 扶養照会は、本人の生活や安全を脅かしただけではない。福祉事務所にも、転居費用という負荷をもたらした。

扶養照会が破壊する

なけなしの信頼と“絆”

 妻子と別れたBさんは、生活保護を申請した際、子どもが成人したら「扶養照会をする」と言われたということだ。

「拒否したかったですけど、生き延びたかったので応じました。今からでも取り消したいです。離婚した元家族に、心理的負担を負わせたくありません」(Bさん)

 関西在住のCさんは、生活保護の申請にあたり、扶養照会を断ることができなかった。もともとCさんは、両親や兄弟姉妹と絶縁状態だった。

「扶養照会された後、両親や兄弟姉妹が、私の悪口を言いふらしています」(Cさん)

 扶養照会によって、家族のホンネが顕わになってしまうこともある。両親から愛される兄を見ながら虐待を受けて育ったDさんは、家族から離れて自活することに成功していたが、虐待後遺症が悪化して働けなくなった。生活保護を申請すると、両親を含む家族に扶養照会が行われた。

 両親が気にしたのは、「自分たちは仕送りをしなくてはならないのか」という点であった。両親は比較的裕福なのだが、すでに成人しているDさんを扶養する義務はない。そのことをDさんが説明すると、母親は「ホッとしていた」そうだ。

「母は昔から、私にお金をかけることを嫌っていました。扶養照会のとき、『働けて生産性のある兄と違う弟には、少しのお金もかけたくない』というホンネが見えました」(Dさん)

親族に扶養を求めることは可能だが

実際に扶養されることは非常に少ない

 そもそも、血縁者の誰かが生活保護を必要とするとき、他の血縁者にも経済的な余裕はないことが多い。裕福かつ関係の円満な血縁者がいるのに扶養を行っていない場合には、福祉事務所が家庭裁判所に申し立てて扶養を求めることが可能なのだが、実際に扶養を求める結果となることは非常に少ない。2019年は、全国で678件だった。生活保護世帯を約165万世帯とすると、その0.04%に過ぎない。

 関西の都市部で生活保護を申請したEさんは、地方で貧困状態にある母親に扶養照会された。

「母は、障害者の姉と2人暮らしです。母の老齢年金と姉の障害年金で暮らしています。年金は、2人合わせて月あたり12万円です」(Eさん)

 持病の治療費などを考慮すると、母と姉にも生活保護の利用資格がありそうだ。

 血縁者同士の関係が、扶養照会で壊れることもある。特に地方では、福祉を利用することに対する偏見が現在も根強く、生活保護の扶養照会がもたらす影響は大きくなりがちだ。「縁を切られた」「怒鳴られた」といった体験は数多い。

 また「同じ自治体や近隣の自治体に血縁者が住んでおり、福祉事務所の窓口にいるのは近所の住民」といった状況にあることから、生活保護の申請をためらう人々もいる。「生活保護で暮らしている」という情報が一度漏れると、生涯にわたって近隣コミュニティから排除される地域もある。偏見や差別をなくす取り組みと、生活保護そのものを変える取り組みは、いずれも必要だ。

福祉事務所の判断によって

明暗が分かれてしまう不条理

 扶養照会には、数多くの問題がある。そもそも、「本人に代わって、福祉事務所が血縁者に扶養を求める」という手続きが存在すること自体に、問題が含まれている。現在の制度でも、扶養照会は「扶養を期待できそう」「相手も扶養する気がありそう」という場合に限定して行ってよいのである。

 しかし、現在の通知通達類は、「基本、扶養照会は三親等内の血縁者全員に対して行うべき」「扶養照会をしなくても『差し支えない』例外があるが、その場合も禁止されているわけではない」と読み取ることも可能な内容となっている。結果として、生活保護の申請をためらわせる仕組みとして、極めて有効に機能してしまっている。

 現在のところ、貧困は「自己責任」であり、生活保護を申請して扶養照会をされてしまうのは「自己責任」であり、福祉事務所が扶養照会を行ったり行わなかったりすることによって負担や予想外の成り行きに苦しむことも、「自己責任」ということなのかもしれない。

 しかし、扶養照会の目的と範囲と内容、そして扶養照会をしてはならない場面の明確化は、貧困が「自己責任」であってもなくても求められているはずだ。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%89%b6%e9%a4%8a%e7%85%a7%e4%bc%9a%e3%80%8d%e3%81%8c%e7%a0%b4%e5%a3%8a%e3%81%99%e3%82%8b%e5%ae%b6%e6%97%8f%e3%81%ae%e7%b5%86%e3%80%81%e5%a8%98%e3%81%a8%e5%ad%ab%e3%82%92%e6%90%be%e5%8f%96%e3%81%99%e3%82%8b%e8%99%90%e5%be%85%e7%88%b6%e3%82%82/ar-BB1dBSsT?ocid=msedgntp

5. 2021年2月16日 07:11:52 : 44N2D6Lynk : ZkFMRk5ZSXJwdHM=[2] 報告
棄民国家「日本」 菅総理、あんた、本当に人間か? [三橋TV第352回] 三橋貴明・高家望愛
2021/02/15




6. 2021年2月18日 15:06:49 : filAAIneKc : WVZTRlVyeWtuRTI=[25] 報告
なぜコロナ禍でも「生活保護の受給者数」はまったく増えていないのか
桜井 啓太 2021/02/18

コロナ禍の生活不安をめぐり、菅義偉首相は国会で「最終的には生活保護」と答弁した。現在、生活保護は、そうした役割を果たせているのか。立命館大学産業社会学部の桜井啓太准教授は「コロナ禍でも生活保護の受給者数はまったく増えていない。これは人々にとって利用しづらい制度であることを示している」という――。
生活保護を受けるハードルがとても高い

コロナ禍の影響が長引くなか、生活に不安を抱える人びとが増加しています。菅義偉首相が国会で「最終的には生活保護がある」(2021年1月27日)と発言したこともあり、生活困窮や生活保護の制度に注目が集まっています。

社会保障全体の制度体系からみれば、「最終的に生活保護がある」という発言は間違っていません。ただそれは首相が胸を張って発言できるほど、人びとにとって利用しやすく、安心を与えてくれる制度なのでしょうか。

生活保護で話題にあがるのが役所(福祉事務所)窓口で相談者を追い返す「水際作戦」です。『コロナ禍の東京を駆ける』(稲葉剛/小林美穂子/和田静香著 岩波書店)は、緊急事態宣言後の困窮者支援の現場を鮮明に描き、行政の水際的対応が印象的に語られています。また、生活保護制度の「要件」が人びとの利用を躊躇させていることも指摘されています(厳しすぎる資産基準、自動車保有の禁止、扶養照会など)。

このように最終的なセーフティネット(安全網)であるはずの生活保護制度は、私たちのいのちを守る最後の守護神というよりは、尊厳を投げうって丸はだかにならないと入らせてもらえないハードルの高い避難所のようにイメージされています。これはほんとうに不幸なことです。

保健所の混乱に見る、人員削減のツケ
「水際作戦」が話題になりがちですが、生活困窮・生活保護政策を巡る問題のひとつに職員体制の問題があります。ここでは語られることの少ない生活保護・生活困窮者対策の人員体制にスポットを当てます。

制度を行政組織の供給体制からみるというのは大切です。新型コロナの感染拡大によって感染症対策の最前線である保健所へ業務が集中し、対応に追われる職員の負担と人員体制の逼迫(ひっぱく)が注目されました。

これは保健所に割くべき職員を何年もかけて削減し続けてきたことが背景にあります。単に削減するだけでなく、正規職員を削り、非常勤職員に入れ替え、一部では外注(外部委託)する。コストカットを追求し続けたツケが一気に表面化した瞬間でした。

リーマンショック後に激増した生活保護開始数
図表1はリーマンショック(2008〜09年)とコロナ危機(2020年)の東京都の生活保護の開始数の推移を表しています。

2008年9月のリーマンショックのあと、年末の年越し派遣村を経て2009年1月から保護開始件数が急増し、3月には4000件を上回るような状況となりました(前年同月比164%)。当時の生活保護の増加がいかに激しかったかがわかります(図表1上)。

一方、今回のコロナ禍では生活保護への影響がほとんど表れていません(図表1下)。緊急事態宣言が出された2020年4月にわずかに増えたものの、その後はむしろ減っているようにすらみえます。コロナ危機は国民経済や人びとの生活へたいした影響をあたえなかったのでしょうか。

——もちろんそんなことはありません。これを説明するのが、図表2の緊急小口資金(臨時の生活資金貸付制度。新型コロナウイルス感染症の緊急対策として、2020年3月に対象が特例拡大された)の貸付件数です。

コロナ以前は月10〜20件程度(リーマンショック時でも最大300件程度)だった緊急小口資金は、緊急事態宣言が出た2020年4月に1万6940件に跳ね上がりました。続く5月にはさらに3万5000万件、6月には4万件を越えました。6月の1カ月間だけで昨年度実績(184件)の200倍以上という桁ちがいの貸付処理を窓口で行ったことになります。受付窓口の職員の方々の混乱がいかほどだったかは想像にかたくありません。

緊急小口資金は生活保護の“身代わり”になっていた
緊急小口資金の激増は生活保護の“身代わり”でもありました(生活保護の数値が微動だにしなかったことがそれを物語っています)。政府は緊急小口資金などの貸付制度や家賃補助制度(住居確保給付金)の利用要件を大幅に緩和することで、経済的に苦しくなった人びとを、生活や住居、医療といった生活全般を保障する生活保護ではなく、期限付きの別の制度へ誘導したといえます。

生活保護への“防波堤”となった貸付制度や住居確保給付金の受付窓口となったのは、社会福祉協議会(社協)という地域福祉の推進を担う民間団体です(福祉資金貸付は社協、住宅確保給付金は自立相談支援機関が実施主体。後者は6割以上が業務委託であり最大の委託先は社協。他にNPOや株式会社なども受託)。

今般のコロナ危機による生活困窮者対応は、生活保護ではなく貸付(≒借金)と家賃補助制度が主戦場でした。それは供給体制の視点で見ると、自治体直営である福祉事務所ではなく、委託先の民間団体(社協)に業務負担が流れる構造です。コロナ対応の困窮者支援を外部(民間)にアウトソーシングしていたともいえます。

「1人で100世帯以上を担当」不足するケースワーカー
生活保護を扱う福祉事務所は自治体直営ですが、そこでの人員不足も非常に深刻です。朝日新聞の調査(※1)によれば、指定市・東京23区・県庁所在市・中核市の全国107市区のうち7割で、生活保護世帯の支援にあたるケースワーカー(CW)の担当数が、国の定める標準である80世帯(都市部)の水準を超過していました(2019年度)。

(※1)「ケースワーカー配置標準、7割満たさず 主要107市区」2020年12月18日 朝日新聞デジタル

1人のCWが100世帯以上を担当する自治体は32にのぼり、とりわけ状況がひどいのが大阪です。1CW換算で大阪市114世帯、堺市139世帯、東大阪市161世帯、豊中市188世帯という標準数の1.5〜2倍以上まで至っています。

このような状況で通常業務をまわせるはずもなく、窓口での相談業務、保護のスムーズな審査、保護世帯への支援業務に支障が出てきます。2020年に大阪府八尾で生活保護を受給中の母(50代)とその息子(20代)が死亡した事件がありましたが、八尾市のCWの当時の平均世帯数は128世帯。亡くなった方の担当者は病気休職中だったと言われています(※2)。人手不足かつ多忙化する職場では職員が心身の調子を崩して休職が多発します。それをカバーする形で別の職員にさらなる負担がかかる。まさに負のスパイラルです。

(※2)「57歳と24歳、ある母子の死 かつお節と体温計残して」 2020年12月18日 朝日新聞デジタル

人員体制は自治体ごとの格差が大きい
このような人員体制の劣悪な多くの自治体で採用されているのが非正規(非常勤)職員の存在です。

先の朝日新聞の調査によると107市区で約4500人の非正規職員を雇用しており、ケースワーク業務や補助業務に充てています。そこで働く非正規職員のほとんどは短期契約で給与待遇も低く不安定な状態です。CW配置水準の悪さで突出している大阪府豊中市はすでに4割以上のケースワーカーが非正規であり、就労支援相談員などもあわせると過半数が非常勤という非正規依存の状態です。

注意が必要なのはケースワーカーの人員体制は自治体間の格差が大きいという点です。実は1CW80世帯以内の配置標準をきちんと満たす自治体が3割ほどあります。政令市では20市のうち6市(川崎市やさいたま市など)が、東京23区でも8区(中央区、港区、足立区など)が基準をクリアしています。こうした自治体であれば、非正規依存の必要もなく安定した業務を行うことが可能でしょう。

そもそも国は、生活保護ケースワーカーを正規職員で担うものと定めており非常勤職員で代替することを認めていません。また、ほとんどの自治体が受け取っている地方交付税交付金にはケースワーカーの人件費が算定されています。ですから地方交付税交付金を受け取っているのに正規職員を標準数まで充足せず、人件費の安い非正規職員で代替しようという自治体はそのことをもっと非難されるべきです。

自治体側にも交付金が十分でないとか、定数管理で人員削減を求められているという言い分はあります。それでも標準数を遵守している自治体がある以上、看過できません。自治体の責任があらためて問われています。

セーフティネットの窓口が、非正規化でボロボロ
新型コロナウイルスによる影響(失職・労働時間減など)はとりわけ非正規の女性を直撃しました。リーマンショックでは製造業派遣を中心に大規模な「派遣切り(雇い止め)」がおこなわれたように、金融危機やパンデミックの影響は労働市場における不安定な人びとにとくに大きなダメージをあたえます。失業による生活困窮が増加すれば、生活保護など生活困窮への福祉政策の出番が増えます。

皮肉なのは、非常時に役割をはたすべき福祉部門が非正規(非常勤)化でボロボロになっているという事実です。

1990年代以降、日本の労働市場における非正規率は一貫して高まり続けてきました。危機に弱い層を構造的に量産しつづけながら、いざ危機がくれば容赦無く切り捨てる。切り捨てられ困窮した人びとが相談に向かう先、その福祉の窓口はおなじ不安定な非常勤職員で固められているのです。これはハローワークでも同じ構造で、再就職を求める人びとへ仕事を斡旋する窓口職員の大半が不安定な有期雇用の非正規職というのはもはや悪い冗談のようです(※3)。

(※3)「ハローワーク職員1万人以上、雇い止めの可能性 『相談乗った翌日から失業者、ブラックジョーク』」2021年2月15日 京都新聞

さらに政府はCW不足に苦しむ自治体からの要求等を受け、生活保護におけるケースワーク業務のさらなる外部委託化を検討しています(※4)。非正規化のつぎは、民間委託化ということです。職員を削り業務をアウトソーシングした先、労働市場を不安定化し、福祉部門を不安定化しつくした先はどのような社会でしょうか。ボロボロで危機に脆弱な社会、行政が困窮者を助けられない社会が目の前にきています。

(※4)「令和元年の地方からの提案等に関する対応方針」(令和元年12月23日閣議決定)

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%A6%8D%E3%81%A7%E3%82%82-%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%AE%E5%8F%97%E7%B5%A6%E8%80%85%E6%95%B0-%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8F%E5%A2%97%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B/ar-BB1dMmkX?ocid=msedgntp

7. 2021年3月15日 19:41:30 : ww05IaOXmY : czZLc3BxQU1mVkk=[20] 報告
正しい貨幣観を広め、日本国を外資の草刈り場から救おう! [三橋TV第364回]
三橋貴明・森井じゅん・高家望愛
2021/03/15




8. 2021年3月22日 05:10:34 : X81eBtetkw : cmZoNHAzcUppeHc=[1] 報告
「生活保護を受けた方がいい」と言っても、頑なにそれを嫌がる人がいる理由
2021.03.22
https://blackasia.net/?p=23073

生活保護を申請しない人は大勢いる。様々な理由や事情がある。私は明らかに生活保護を受けた方がいいと思う人には大勢会ってきている。しかし、私はアドバイスをする資格すら自分にあるとは思えなかった。当事者の心境は、端から見ている第三者には計り知れないほど深く暗い。(鈴木傾城)

心情的にどうしても生活保護を受け付けない人もいる

生活保護を受けた方がいいほど極貧の生活をしているのに、場合によってはネットカフェ難民であったり、ホームレスであったりしても、生活保護を受けない人は大勢いる。身体が不自由であったり、高齢で満足で働けないで苦しんでいるのに、それでも生活保護を受けない人も多い。

1947年から1949年に生まれた「団塊の世代」は、行動成長期もバブルも謳歌して年金もしっかりもらえる「逃げ切り世代」と思われていたのだが、そうした団塊の世代でも全員が全員とも成功した人ではない。

人生は波乱に満ちている。勤めている会社が倒産したり、事業で失敗したり、健康を害したり、配偶者や家族が病気だったり、アルコール依存やギャンブル依存に落ちたり、背伸びした住宅ローンで破綻したり、いろんな人生がそこにある。

しかし生活に困ったからと言って、誰もがすぐに「生活保護を受けよう」という話にはならない。何があっても生活保護の世話になりたくないという人も多い。

1. 自分が貧しくなったのは自分の能力が至らないせいだ。
2. そうであれば責めるべきは自分自身である。
3. 自分が不甲斐ないのだから生活保護を受ける資格はない。

このように考える人も意外に多い。「悪いのは私だ。貧しくなったのは自業自得だ。だから、生活保護を受けたら世間様の迷惑になる」と考えてしまう。それまで真っ当に暮らしていた人ほどそうだ。

人間は誰でも失敗するし、不運なことも起こり得るし、間違った判断をするし、運の良し悪しもあるのだから、一時的に困窮するような時期が人生の中にあってもおかしくない。

今は順風満帆に生きている人間であっても、必ずどこかで挫折を経験する。

だから、そんな時に社会はセーフティーネットとして生活保護というシステムを用意しているのであり、日本国民は国民である以上はその生活保護を受ける資格はある。しかし、心情的にどうしても生活保護を受け付けない人もいるのだ。

飢えてひとりぼっちでも、誰にも関わらないでいた方が幸せ
「生活保護を受けた方がいい」と言っても、頑なにそれを嫌がる人がいる。「福祉窓口に相談に行くだけでも行った方がいい」と言っても、それに恐怖を感じる人もいる。あるいはそうした窓口に敷居の高さを感じて足が向かない人もいる。

「もらえるもんはもらっとけ」と言い放つ人にとっては、「もらえるもの」すらももらおうとしない人がいるというのは信じられないかもしれない。

しかし、これまで社会に叩きのめされ、苦汁を飲まされ、苦しめられてきた人たちにとっては、自分が困っても社会に助けてもらおうという発想は起きないし、もしかしたら助けてもらえるかもしれないと気付いていても自分から行動を起こそうという気にもならない。

子供の頃から親に虐待され、小学校の頃には級友や先生にいじめられ、学校に出たら悪条件の会社で上司や同僚にいいようにこき使われて来た人は、「人」や「組織」がとても怖いものに感じる。

誰かと関わるということができないし、したくない。誰かと関わるくらいなら貧困も空腹も絶望も我慢しようと思う。助かる選択ではなく、誰とも関わらない選択の方を選ぶ。社会からなるべく自分から切り離して生きようとする人は、社会の片隅で誰にも見つからず、隠れるようにして細々と生きる。

飢えてひとりぼっちでも、誰にも関わらないで一日が過ごせれば安堵する。

そういう人に生活保護を受けるように言っても、窓口の人間と関わり、受給してからは地区担当員《ケースワーカー》と関わりあい、福祉事務所からもしばしば連絡があったりすること事態が耐えられない。そして、彼らが自分の生活を根掘り葉掘り詮索するのが耐えられない。

内気な人たちは往々にして生活保護のような他人が関わり合ってくるものを嫌がり、避け、それを強制してくる人がいると困惑して逃げる。生活保護を受けるためには「説明」しなければならないし「主張」しなければならない。

自分のことを堂々と説明して主張できる性格の人もいれば、それがどうしてもできない人もいる。生活保護を受けて楽になるよりも、自分の状態を説明する苦痛の方が勝ってしまう。

社会にいじめられてきた人の心境を理解できるだろうか? 生活保護を受けるというのは普通の人にとっては権利かもしれないが、こうした人にとっては人と関わってしまう分だけ大きな苦痛となるのである。

申請者の中には「扶養照会」をとても抵抗感を持つ人も大勢いる
生活保護を受給するために福祉事務所に出向いたが、窓口にいる担当者が20代くらいの若い男性だったので、何も言わないで帰ってしまう高齢者も大勢いる。

生活保護はコンビニでペットボトルでも買うように手軽に似て入れられるようなものではない。自分の今までの「みじめな人生」や「少なすぎる所持金」や「生活能力のなさ」や「人に説明したくない病気」などを相手に洗いざらい話して判定してもらわなければならない。

自分よりも若い男性に、自分の「失敗した人生」を話すことに対して、とてもプライドが傷つく人もいる。それを「恥」だと思う。若い人に自分のみじめな人生を点検されるのがとても苦しく感じるのだ。

「現実を見ればもう生活が破綻しているのだから、生活保護を受けることになってもそれは仕方ないことだと割り切ればいいではないか」と第三者は思うのだが、当事者は誰もがそのように割り切れるわけではない。自分の失敗した人生を赤の他人に知られるのが恥ずかしいと思う人は大勢いるのだ。

恥ずかしいと言えば、「扶養照会」をとても抵抗感を持つ人も大勢いる。

扶養照会というのは、相談者の親や子や兄弟、あるいは親戚等に「金銭的な援助や同居ができないだろうか」「精神的な援助はできないだろうか」と連絡するものである。

福祉事務所は扶養義務者となる親族に書面で照会し、それに記入して返送してもらう作業をやっている。実はこれが生活保護申請者の最も大きな心の壁になってしまうのだ。

「親兄弟に自分の情けない状態を知られたくない」
「遠い親戚にまで自分の今の窮状を知られたくない」

場合によっては親兄弟や親戚とは非常に険悪な仲であることも多い。連絡する相手は虐待やDVをしてきた加害者かもしれない。そのような場合、相手に援助や同居なんか絶対に求めたくないと思うのは決しておかしな心理ではない。

地獄のようなインド売春地帯を描写した小説『コルカタ売春地帯』はこちらから

人にはそれぞれ抱えている十字架があって簡単な話ではない
困窮している人の多くは生活保護を受けた方がいい。そして、セーフティーネットを利用して困窮から脱した方がいい。しかし、人にはそれぞれ抱えている十字架があって、第三者が考えるほど簡単な話ではない。

・助けてもらうのは「恥」、プライドが許さない。
・持っている不動産・自動車等を失いたくない。
・自分が悪いのだから、受ける資格がないと考える。
・生活保護を受けるのは負けだと思う。
・知的障害などで制度の利用の仕方がよく理解できない。
・離れて暮らす親兄弟や疎遠な親戚に連絡して欲しくない。
・「働けるのだから働け」と言われるようで怖い。
・区役所や、行政の手続き、説明をする気力も体力もない。
・税金に寄生していると思われるのが嫌だ。
・誰かと関わるのが怖い、できない。
・最初から自分にはもらえないとあきらめている。
・過去や経歴を思い出したくも説明したくもない。

生活保護を申請しない人は大勢いる。さまざまな理由があり、そしてさまざまな事情がある。当事者の心境は、端から見ている第三者には計り知れないものである。

私は明らかに生活保護を受けた方がいいと思う人には大勢会ってきている。最近もホームレスの人と話をしている。しかし、私はアドバイスをする資格すら自分にあるとは思えなかった。

その当事者の人生に責任を持てるのであれば関わっても構わないと思うが、責任が持てないのであれば中途半端に関わるだけ事態を悪化させる可能性もある。

私があれこれ指図してうまくいかなくなって途中で問題解決を放棄したら、当事者は「逃げられた」「裏切られた」と思ってますます心を閉ざすかもしれない。中途半端にしか関われないのであれば、何気ない励ましの言葉さえも当事者に苦痛を与える可能性もある。

そう思うと、私はアドバイスすることすらもやってはいけないのではないかと自分を戒める。その人の人生を抱えきれないからだ。

人を助けることの難しさは、親の介護をしている人も理解できるはずだ。親ですらも本気で助けようと思ったら、経済的にも時間的にも心理的にも大変な負担となる。まして他人を助けるというのは大変なことだ。

生活に困ったら生活保護を申請した方がいいという「正解」ですらも、当事者にとっては辿り着くのが難しく、そして第三者が促すのも一筋縄ではいかない。世の中は「迷い道」でできている。生きることの難しさをいつも感じる。

https://blackasia.net/?p=23073

9. 中川隆[-6321] koaQ7Jey 2021年3月26日 20:26:19 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[40] 報告
生活保護申請「門前払い」の一部始終を20代女性が録音 頻発する「水際作戦」の実態とは
2021/03/26


「水際作戦」で追い返された女性(20代)が、相談員とやりとりをした会話の録音を文字にした資料。相談員が虚偽の説明を繰り返していた(撮影/写真部・高橋奈緒)

 生活保護の申請に来た人を、窓口の職員が虚偽の説明を並べて追い返してしまう。専門家らが「水際作戦」と呼ぶ信じがたい実態を、ある女性が録音していた。AERA 2021年3月29日号から。

*  *  *

 生活保護の申請に来た人を、ウソの説明で門前払いにする。各地の行政窓口で、そんな事例が頻発している。コロナ禍で申請が増え、経験の少ない職員らの負担が増していることも一因だが、日本弁護士連合会などはそんなやり口を「水際作戦」と呼んで問題視してきた。

 
■「申請の意思なし」記録

 2月下旬、20代の女性は、横浜市神奈川区の生活支援課を訪れた。住まいがなくネットカフェや公園を転々としていた女性は、自作した申請書一式を持って生活保護の申請に来たのだった。女性は念のため、相談員とのやりとりをスマートフォンに録音していた。そこには、虚偽の説明を繰り返す相談員の会話が記録されていた。

 仕事も住所もないと話す女性に相談員が言う。

「おうちのない状態だと、ホームレスの方の施設があって、そちらに入ってもらう」

 生活保護法では本人の意思に反して施設に入所させることを禁じている。だが相談員の説明は、施設入所が生活保護の前提であるかのようなものだった。

 ほかにもこの相談員は、簡易宿泊所等に住民票を設定しないと生活保護の申請ができないと説明するなど虚偽説明を繰り返した。女性は申請を断念。相談員は、記録票に「女性に申請の意思なし」と記したという。

 女性を支援する「つくろい東京ファンド」代表の稲葉剛さん(52)は、神奈川区の対応を厳しく批判する。

「厚生労働省は各福祉事務所に対し再三再四、『保護の開始の申請等の意思が示された者に対しては、その申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきである』と通知しています。今回の対応は、生活保護の申請権を侵害する悪質な水際作戦に他なりません」

 生活支援課は女性に対し全面的に過ちを認めて謝罪したが、担当課長は取材に「原因は検証中。現時点では何がというお答えはできない」と述べた。

 女性は同課の対応について「謝ってはくれたみたいだけど、前置きの理由や言い訳がすごく多いと感じた」と話している。

■人員減で「素人」ばかり

 前出の稲葉さんは、神奈川区だけの問題ではないと指摘する。

「コロナ禍で生活保護の申請が増えると、それに比例し首都圏各地の自治体で『水際作戦』で申請者を追い返そうという動きが強まります」

 背景には何があるのか。

 都内の自治体で生活保護を15年以上担当していた、生活保護問題対策全国会議事務局次長の田川英信さん(66)は、福祉事務所が機能しなくなっていることが大きいと指摘する。

「自治体の職員は国の方針でどんどん減らされました。しかも、新人や若手が多く配置され、いわば『素人』ばかりの福祉事務所も少なくありません。研修や勉強をする余裕がなく、よくわかっていない先輩が後輩を指導するので、誤った認識や対応が受け継がれているのではないでしょうか」

 申請を断られた人は、所持金がなければ野宿するしかない。朝晩まだ冷え込むこの時期の野宿は、命の危険にもかかわる。

 同ファンドの小林美穂子さんは、「水際作戦」がどのような意味を持つか、自治体はもっと考えてほしいと訴える。

「生活保護は最後の砦です。福祉事務所に行けば何とかしてくれると思って行くわけです。そこで追い返すということは、『福祉は助けてくれないんだ』という誤ったメッセージが伝わってしまいます。さらに、特に若い女性が追い返されて路上にいると、身の危険にさらされることも考えられます。それが想像できないのでしょうか」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2021年3月29日号

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E7%94%B3%E8%AB%8B-%E9%96%80%E5%89%8D%E6%89%95%E3%81%84-%E3%81%AE%E4%B8%80%E9%83%A8%E5%A7%8B%E7%B5%82%E3%82%9220%E4%BB%A3%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%8C%E9%8C%B2%E9%9F%B3-%E9%A0%BB%E7%99%BA%E3%81%99%E3%82%8B-%E6%B0%B4%E9%9A%9B%E4%BD%9C%E6%88%A6-%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-BB1eZ17l?ocid=msedgntp

10. 中川隆[-6192] koaQ7Jey 2021年3月31日 04:03:51 : pnlV5df2uo : RktFZ3ZCUmhKY2c=[8] 報告
生活保護の扶養照会、曲がり角 西成に流れ着いた男性「つらい」
朝日新聞社 2021/03/30


取材に応じた東海地方出身の男性。家族とは疎遠で「扶養照会はプレッシャー」と語った=2021年3月4日午後6時54分、


 新型コロナウイルスの感染拡大で生活に困窮する人が増えるなか、生活保護を申請する際に福祉事務所が親族に対して援助できないか問い合わせる「扶養照会」が申請のハードルになっているとの指摘がある。「家族に知られたくない」と扶養照会を理由にためらう人もおり、支援団体は「制度そのものを見直す必要がある」と訴える。

■生活状況、知られたくなかった

 日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区の「あいりん地区」。生活保護の平均受給世帯率が23%(2019年度)と市全体の4倍以上を記録する西成区の中でも突出してその割合が高い地域とされる。ここに流れ着いた東海地方出身の40代の男性は昨年6月に生活保護の申請を決意したが、二の足を踏ませたのが扶養照会の存在だった。

 「連絡を絶っている家族に自分の生活状況を知られたくなかった」

 高校卒業後、東京都内でエンジニアとして働いたが、人間関係に悩み職場を転々とした。うつ病で定職に就くことも難しく、日雇い仕事を探してあいりん地区へ。住み込みの清掃の仕事に就いたが、うつ病の症状が悪化して辞めた。住む場所と仕事を失い、生活保護に頼ることにした。

 支援団体の紹介で生野区内のアパートに住み、同区の福祉事務所の窓口で職員から「家族がいるのなら扶養照会をさせてもらう」と言われ、迷った。

 母は亡くなり、年老いた父は実家で細々と年金生活を送る。弟は結婚して家庭を持つ。東京で働いていたはずの自分は大阪に流れ着き困窮している。子どもの頃、親戚の扶養照会を受けた両親が煩わしそうにしていた記憶がよみがえった。

 背に腹は代えられないと応じ、父親と弟に生野区から照会があった。弟から反応はなかったが、父親からは手紙が届いた。警察に行方不明者届を出していたことなどが記され、結びに「生きていればいい」とあったが、援助は断られた。

 男性は「お金の面で家族に迷惑をかけたくないし、結びつきの薄い家族に自分の困窮ぶりを知られるのもつらい。扶養照会はしてほしくなかった」と話した。

■照会しても親族扶養の実現わずか

 扶養照会を巡っては今年2月、厚生労働省が運用を見直す通知を各自治体に出した。照会不要のケースを20年間の音信不通から「10年程度」にするなど限定的な運用となる。だが、そもそも親族の支援が得られるケースはまれで、制度自体の是非が議論されてきた。

 民法では、親子や祖父母、兄弟姉妹といった血縁関係があれば互いに扶養する義務があると定められ、生活保護支給の可否を決定する際に扶養照会をかける根拠の一つとされる。

 だが、厚生労働省の2017年の調査では、扶養照会をした約3・8万件のうち、親族からの扶養に結びついたのは約600件と2%にも満たない。生活保護業務に携わった元地方公務員の男性によると、扶養照会には「期待薄」の空気が現場には根強いという。「家族に知られるのは嫌だろうと思ってはいたが、事務的に照会をかけていた」と明かす。

 厚労省の今回の通知では、申請者の親族が家庭内暴力(DV)の加害者の場合は照会を控えるよう自治体に求めている。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%ae%e6%89%b6%e9%a4%8a%e7%85%a7%e4%bc%9a%e3%80%81%e6%9b%b2%e3%81%8c%e3%82%8a%e8%a7%92-%e8%a5%bf%e6%88%90%e3%81%ab%e6%b5%81%e3%82%8c%e7%9d%80%e3%81%84%e3%81%9f%e7%94%b7%e6%80%a7%e3%80%8c%e3%81%a4%e3%82%89%e3%81%84%e3%80%8d/ar-BB1f7EtQ

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