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(回答先: ここにだけは住んではいけない 投稿者 中川隆 日時 2020 年 12 月 20 日 17:38:35)
「覚醒剤漬けでゴムを外され、もらえるのは1日3000円」日本人少女が堕ちたブラジル人マフィアの“違法売春”の実態《ミキが選んだ地獄とは》
12/30 文春オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ec506885d049ae0b3c29c992a3a4b5fb11bdc12
「この謎の女、何者だよ。凄い額だよ」覚醒罪、大麻、MDMA、生物密輸…フィリピン不良グループの“非合法ビジネス”《優しいソフィアの裏の顔》 から続く
【画像】日本人少女が堕ちた違法売春の実態「もう辞めたい。辛くて……」
ナイジェリア人のぼったくりバーの潜入取材で薬を盛られ、違法売春に堕ちていく少女を目の当たりにする……。日本の裏社会に潜む外国人マフィアに接触し、その実態を取材したフリーライター、真樹哲也氏の著書「 ルポ外国人マフィア 勃興する新たな犯罪集団 」(彩図社)が発売から好評を博している。
2021年8月には工藤会のトップに初めて死刑判決が言い渡され、裏社会に激震が走った。かつての勢いを失いつつある日本のヤクザとは反対に勢力を増す外国人マフィア。日本の深層を追ったノンフィクション作品から、一部を抜粋して転載する。
群馬県で発生した暴力団同士の抗争の陰に外国人グループの存在がある事をつかんだ著者。その実態を掴むべく、管理売春地帯を取り仕切る外国人勢力がよく出入りをしているという群馬県太田市のパチンコ店に潜入。外国人勢力のボスの隣でパチンコを打っていると、ブラジル人薬物売人と付き合っているという18歳の日本人の少女ミキと出会う――。
(転載にあたり一部編集しています。年齢・肩書等は取材当時のまま)
◆◆◆
「今日も覚醒剤をキメているのだろうか」
※画像はイメージです。©iStock.com
「あれー!」
聞き覚えのある声がした。振り返ると笑顔のミキがいた。相変わらず、パサパサな髪、開いた瞳孔をしている。今日も覚醒剤をキメているのだろうか。
横には、スマホの写真で見せてもらったことのある彼氏のペレがいた。悪そうな筋骨隆々のブラジル人男性のルックスは写真のままだが、予想以上に大きく感じられた。プロレスラーのような迫力だ。
私は挨拶をする。外国人勢力のボスにも見られたので、軽い会釈をした。外国人勢力のボスは私のことを特に気にしていないようだが、ペレは無言だった。ミキの知り合いである私のことをよく思っていないのだろう。私を威嚇するような表情で見下ろしてくる。ミキはペレに耳打ちをして、何やら話をしている。さりげなく、ミキは私にウインクをした。余計なことを言うなとの合図だろう。
「ボス、当たってるねー」
私の隣でスロットを打つ外国人勢力のボスにミキが話しかけた。知り合いなのだろうか。私は黙って、スロットを打ち続けることにした。
「当たったよ。今夜はパーティーだ」
外国人勢力のボスが言うと、ミキとペレは声を上げて喜んだ。ミキは異様なほどハイテンションだ。
「ボス大好き。ペレのために仕事も頑張るからね」
私は聞いていない振りをしていたが、ミキはどうやら男の下で仕事をするようだ。それはつまり、南一番街に存在する違法の管理売春地帯で働くということだ。外国人勢力のボスとペレの関係が私の中で繋がった。
「ミキは偉いな。ペレ、前みたいにヤクザに何かされたらすぐ言え」
物騒な会話とは正反対で、外国人勢力のボスの風貌があまりにも普通であることが恐ろしい。私は意識して、外国人勢力のボスとミキとペレを見ないようにしていた。だが、ペレが私のことを警戒している空気だけはひしひしと伝わってきた。
少女を利用する違法売春「覚醒剤漬けでゴムを外され…」
「それじゃー、ボス、また夜ね。楽しくなるの、用意しとくねー」
ミキは無邪気な声でそう言った。
ミキとペレが店を出る。外国人勢力のボスは、スロットを打ちながらも忙しそうに電話をし始めた。
「あの女、いなくなっちゃったの?」
「いつ、あれ持ってこれる?」
危なそうな話を笑いながらしている。私はその姿を見て、憤りを感じた。ミキは外国人勢力の金儲けの道具にされている。はっきり言えば、ペレによってミキは売られたようなものだ。ミキが覚醒剤漬けにされて、リスクもある中で違法売春行為をおこない、心身ともにボロボロになってしまわないかが心配だった。
2019年11月、私は群馬県太田市から少し離れた北関東某所のカラオケ店で、ミキと会っていた。裏社会系を題材に取り扱う出版関係者にとって、誰にも会話を聞かれないカラオケ店は格好の打ち合わせの場所だ。
案の定、ミキは外国人勢力に酷い目に遭わされたらしい。あれだけ注意をしたのにもかかわらずである。追い込まれたミキが、助けを求めてきたというわけだ。青白い顔をしたミキはぶるぶると震えている。前より少し痩せたように思えた。
「今日、仕事サボっちゃった。怒られる。どうしよう」
ミキの携帯がしつこく鳴っている。ペレからの電話のようだ。
「休みとか全然なしで客取らされて。違法の風俗だからゴムを外されたり中出しされたりもした。警察にも言えない。ミキが1日10万稼いでも、もらえるのは3000円ぐらい。最初はペレは毎日、数万円渡してくれたのに。ペレと一緒に住んでいるアパートに仲間たちが来て、無理矢理セックスされたこともある。後でペレに言っても、何もしてくれない。ペレに仕事辞めたいと話しても、駄目だって怒るの。他の女と遊んだりするし、どうして……」
私は、それはペレがミキのことを好きではないからだと言いかけたがやめた。金儲けの手段の1つにされている残酷な現実を突きつければ、ミキの精神状態が持たないだろう。それに、もう1つ心配事があった。
ミキが違法売春以外に強いられた“犯罪行為”
「シャブ(覚醒剤)はもうやってない?」
ミキは頷いた。腕を見せてくるが注射の痕はなかった。しかし、私はミキが嘘を付いているように感じた。覚醒剤は炙って吸引をすることもできる。
「本当に?」
再びミキは頷いた。これ以上は聞いても無理だろう。
「でも、クリスタル(覚醒剤)を売らされたりはしている」
「何だよそれ。完全に使われてるじゃん。違法薬物の使用も駄目だけど、売人だと営利になるから実刑になるよ。刑務所に入ることになる」
「そういうのよく分かんないの」
ミキは考えたくもないのだろう。だが、どのような事情であれ、リスキーな犯罪行為をしていることに他ならない。私はボロボロになったミキの姿を見て、放っておくことができなくなってしまった。
「とりあえず、親御さんに連絡して帰った方がいい。ペレはミキの実家の場所とか知ってる?」
「知ってるよ」
「じゃあ、何かあったら警察に言うんだ。ペレとは会っちゃ駄目だ」
「でも、ミキがいなくなるとペレが大変なの。ボスに金借りてるみたいだし、ヤクザから守ってもらってる」
生き地獄のような目に遭わされたにもかかわらず、ペレのことを心配しているミキ。どこまで都合の良い女なのだ。再び、ミキの携帯がしつこく鳴っている。
少女の涙「もう辞めたい。辛くて……」
「ペレに電話するから携帯貸して」
ミキは首を横に振る。そして、泣きじゃくり出した。
「お願いだから、やめて……」
これでは無理だ。私は諦めるしかなかった。
「じゃあ、自分で電話するんだ。もう、仕事はしないって。早めに伝えた方がいい。その方がボスに迷惑かからないし、ペレも追い込まれずに済む」
ミキは泣くのをやめ、決心した顔になった。カバンの中をあさって携帯を取り出した。ペレからの電話に出る。
「ごめん。出ないで。ミキだよ。今日、仕事休んだ。もう辞めたい。辛くて……」
ミキの携帯はスピーカーになっていないが、怒鳴り声が聞こえてくる。聞き取れないが、ペレがブチ切れていることだけは間違いないようだ。
「そんなこと言わないで……」
また、ミキは泣き出してしまった。
「ペレがどうでもいいわけじゃないって。好きだよ」
これではペレに説得されてしまうのではないか。私はもう強行手段しかないと考えた。ミキの携帯を素早く取り上げる。
「こんにちは」
「やめて!」
ミキが慌てて止めに入るが振り払う。無駄なトラブルに巻き込まれるのは本当に嫌だが、取材をしていて情が移ってしまったようだ。
少女が選んだ“地獄”「ペレごめんね」
「ちょっと、ミキさんに酷すぎることしてませんか?」
「あ、誰? 用事ないんだけど。ミキに代わってくれる?」
さっきまでミキに怒鳴っていたのとは違い、とても冷静な対応だ。普通、彼女と電話で話していて、違う男が出たら激怒するのが当たり前だ。
「先日、パチンコ店で会いましたよね。もう、ミキさんは仕事を辞めたいようですよ」
「あー。ミキの男? ミキの何を知ってる? 俺たちに金を借りているし、面倒見ているホストに病気をうつしたこともある。前働いてたスナックでもルール破った。あなたが立て替えられるのか?」
ペレは私に対して恐喝にならない体裁で脅してくる。どこで習ったのかは知らないが、暴力団の使う典型的な手法だ。裏社会の住人は自分にとって金になる人間を、安易に手放すことはしない。金のなる実を奪うには、それなりの対価の支払いを要求されることがほとんどだ。
簡単に言えば、私が求められているのはミキを解放する条件として、ペレに金を払えということだ。だが私はミキのために金を払う意気込みはない。
「いくら必要ですか?」
私は具体的な金銭の額を提示させ、恐喝で逮捕させてやろうと罠を仕掛けた。
「あなたが金を払う必要はない。関わらない方が良いよ。俺たちもボランティアみたいな気持ちだよ」
すると、ミキから強引に電話を奪われた。ビンタをされる。
「やめてよ馬鹿! ペレごめんね」
必死にペレに言い訳をするミキ。私はその哀れなミキの姿を見て、自分の気持ちが急激に冷めていくのを感じた。
真樹 哲也/Webオリジナル(特集班)
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