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新聞社、出版社、放送局などは支配層のプロパガンダ機関
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投稿者 中川隆 日時 2020 年 6 月 01 日 16:47:00: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

新聞社、出版社、放送局などは支配層のプロパガンダ機関


2020.06.01
英国では権力犯罪を追及する人物を厳罰に処する新たな治安維持法を制定へ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005310000/

 イギリスでは​新たな治安立法を成立させようとする動き​がある。すでにスパイ活動、破壊工作、体制転覆といった行為を取り締まる法律は存在しているわけで、それ以外の「有害な行為」を取り締まる法的な手段が欲しいということだ。

 現在、アメリカやイギリスの支配層が最も恐れているものは事実だ。被支配層を操るために偽情報を彼らは使うが、それを暴く行為は支配層にとって「有害な行為」以外の何ものでもない。言論統制を強化しようと目論んでいると見られている。

 しかし、有力な新聞社、出版社、放送局などは支配層のプロパガンダ機関と化している。ウォーターゲート事件で取材の中心になったことで知られているカール・バーンスタインは1977年にワシントン・ポスト紙を離れ、ローリング・ストーン誌でCIAとメディアの関係を明らかにしている。

 バーンスタインによると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、1948年頃からモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトが始められている。そのプロジェクトで中心的な役割を果たした人物は情報活動の中心的な存在だったアレン・ダレス、ダレスの側近だったフランク・ウィズナーとリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 ダレス、ウィズナー、ヘルムズはOSSに所属していた仲間。フィリップは陸軍の情報部に所属し、東南アジアで活動した際にOSSの幹部だったその3名と親しくなった。

 この4名は金融界との関係が深いことも知られている。ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士で、ヘルムズの母方の祖父であたるゲイツ・ホワイト・マクガラーは国際決済銀行の初代頭取、そしてグラハムの義理の父にあたるユージン・メイヤーは世界銀行の初代総裁だ。

 CIAのこうした工作はアメリカ国内に留まらない。ドイツの有力紙、フランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)の編集者だった​ウド・ウルフコテ​によると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に彼が教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことで、多くの国のジャーナリストがCIAに買収されているとしている。

 アメリカの議会では1970年代の半ばに情報機関の秘密工作を調査している。上院では1975年1月に情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会が設置され、その翌月には下院で情報特別委員会が設置されている。委員長に就任したのは前者がフランク・チャーチ上院議員、後者がルシエン・ネジ下院議員(すぐオーティス・パイク下院議員へ交代)だ。

 当時、CIA長官だったウイリアム・コルビーは秘密工作の一端を明らかにし、支配層の逆鱗に触れた。そこでコルビーは解任され、新たな長官としてジョージ・H・W・ブッシュが登場してくる。本ブログでは繰り返し書いてきたが、このブッシュはエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高いだけでなく、父親や母型の祖父はアレン・ダレスのウォール街仲間。ブッシュ一家はダレスと親しい関係にあった。

 ブッシュの登場は支配層の反撃を象徴している。その後、メディアに関する規制が緩和されて一握りの巨大資本が有力メディアを所有することになり、気骨あるジャーナリストは追い出されていった。同じことが日本でも1980年代から起こっている。こうした有力メディアに情報を頼れば、支配層に操られることになる。

 そうした中、登場してきたのは2006年にジュリアン・アッサンジらが創設したウィキリークス。支配層は自分たちにとって都合の悪い情報は隠す。そうした情報を人びとに知らせる内部告発を被支配層へ知らせはじめたのだ。

 2010年4月にはアメリカ軍の戦闘ヘリコプターがバグダッドでロイターの特派員2名を含む非武装の十数名を銃撃、射殺する様子を撮影した映像を公開している。日本では軽く扱われた映像だが、世界的には大きな問題になった。

 この映像を含むアメリカ軍にとって不都合な情報をウィキリークスへ伝えたブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は映像が公開された翌月、アメリカ陸軍のCID(犯罪捜査部)に逮捕された。

 バラク・オバマ政権の意向を受けてスウェーデン当局はアッサンジを逮捕するための令状を発行するが、その事件がでっち上げだったことが後に判明している。

 しかし、スウェーデンの逮捕令状を利用してイギリスの警察はアッサンジを拘束しようとする。それに対してアッサンジはロンドンのエクアドル大使館へ逃げ込んで亡命を求め、ラファエル・コレアは認めた。

 ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社​ストラトフォーの電子メール​によると、アメリカ当局はアッサンジを2011年初め、秘密裏に起訴したという。

 その後、この情報は公的な文書で確認された。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されている​のだ。

 亡命は認められたものの、アッサンジは大使館から外へ出ることができず、幽閉状態になる。その状況が変わったのはエクアドルの大統領がコレアからレニン・モレノへ交代した2017年5月。スウェーデンの検察当局はアッサンジに対する捜査を終了、逮捕令状を取り消したが、モレノはアメリカへ協力する方向へ動き始めた。

 その後、エクアドルではモレノが汚職で受け取ったカネのロンダリングを行うためにINA投資という名前のペーパーカンパニーを2012年にベリーズで作ったという話がリークされたが、モレノはそうした情報が流された責任はウィキリークスにあると主張、18年までにモレノは亡命を取り消す。そのモレノ政権は2019年3月にIMFから42億ドルの融資を認められ、その翌月にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込んでアッサンジを逮捕した。

 アッサンジは亡命を認めた国の大使館でイギリスの警察によって逮捕され、過酷な取り調べを受けている。アメリカに支配層は彼を移送させて厳しい処罰を科すつもりだ。アッサンジたちが行ってきたような支配層にとって都合の悪い情報を伝える行為を「有害」だと支配層は考える。そうした「有害な行為」を取り締まる法律をイギリスでは制定しようとしている。

 イギリスやアメリカは「自由」、「民主主義」、「人権」といった看板を掲げているが、実際に行ってきたことは侵略、破壊、殺戮、略奪。こうしたことを行わなければ「先進国」の「文明」を維持することはできない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005310000/
 

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コメント
1. 2020年8月08日 13:28:50 : 4D3OjxhHhg : TEswdkdERG1YZ0E=[76] 報告
ポツダム宣言6項は、日本人民を欺瞞して誤って世界制覇の挙に出させた
一部の人々の勢力と影響は永久に除去すべきであると規定するから、米英つまり
ハザールマフィアの支配に入ったわけだよね。
だから、人食い、ペドフィリア(世界で毎年800万人の子日本では2万人弱が行方不明になる、安倍も加担している)を糾弾しないよね
https://blog.goo.ne.jp/mokushiroku666/e/5196dba8eae6e4c28eb56bec08c88648

2. 中川隆[-7824] koaQ7Jey 2021年1月30日 07:54:00 : WsTabVtPIQ : ZW1xLlovZzh6WWM=[14] 報告

2021.01.30
シリコンバレーの私的権力による検閲をメキシコ大統領が批判
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101300000/

 ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ、グーグルといったシリコンバレーの巨大企業による検閲の対象はアメリカを含む各国政府に及んでいる。当初は言論封印の対象がドナルド・トランプ米大統領だったこともあり、そうした決定に拍手喝采する人もいるが、気に入らない言論を封じるという行為は民主主義の否定にほかならない。

 そうした​言論統制を進めるソーシャル・メディアをメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は1月20日の会見で批判​し、1月6日には私企業が言論を検閲する悪い兆候だとも語った。メキシコのツイッターで幹部として働くウーゴ・ロドリゲス・ニコラはPAN(国家行動党)と緊密な関係にあったともしている。(​映像​)

 ロドリゲスはコロンビア大学のSIPAを卒業した後にメキシコへ戻り、右翼とされる上院議員の顧問を務めた後、PANに雇われた。PANはメキシコの富豪を後ろ盾とする政党。そうした富豪の背後にはアメリカの巨大資本が存在、必然的に新自由主義的な政策を推進してきた。2006年12月から12年11月までメキシコ大統領を務めたフェリペ・カルデロンも2018年11月までPANのメンバーだった。

 カルデロン政権はアメリカの捜査当局と共同で麻薬取引を取り締まったと宣伝されているが、世界の麻薬取引の中心にはアメリカの情報機関CIAが存在、カルデロンは「死の部隊」を動かし、麻薬カルテルと手を組み、ジャーナリストを暗殺していたと伝えられている。死の部隊を訓練してきたのはCIAやアメリカ軍だ。

 ジョージ・W・ブッシュ政権の時代、メキシコで行われた「麻薬との戦争」で殺された人は10万2859名、行方不明者は2万2112名に達すると言われている。アメリカが主導する「麻薬との戦争」はアメリカの巨大企業にとって目障りな組織を潰し、人びとを殺すことにほかならない。カルデロンが大統領でなくなった後、ロドリゲスはNGOの世界へ入り、ツイッターの仕事をするようになったわけだ。

 アメリカやイギリスを支配している人びとは麻薬との関係が深い。イギリスは19世紀にアヘン戦争を中国に仕掛けたが、アメリカのCIAはベトナム戦争でヘロインを生産、マフィアを利用して売りさばいていた。原料のケシを育てていたのは「黄金の三角地帯」と呼ばれる東南アジアの山岳地帯。メキシコが密輸の中継地として重要な役割を果たしていた。後にニカラグアの反革命ゲリラを支援するためにコカインをCIAは主力商品にするが、その産地はラテン・アメリカ。そこからアメリカ国内へ運ぶ主要ルートのひとつがメキシコだ。後にヘロインの主要産地はパキスタンからアフガニスタンへ移動するが、これはアメリカがアフガニスタンでの工作を本格化させたからである。

 アメリカがラテン・アメリカへの侵略を始めたのは1898年2月のことだった。キューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦「メーン」で爆発が起きて沈没、アメリカ側はこれをスペインの陰謀だとして戦争を始めて勝利、それ以降、ラテン・アメリカはアメリカ巨大資本の植民地になる。

 このアメリカ・スペイン戦争を推進していたのが「棍棒外交」で有名なシオドア・ルーズベルト。1901年3月、ウィリアム・マッキンレー政権で副大統領に就任、その年の9月にマッキンレーが暗殺され、大統領に昇格した。アメリカ・スペイン戦争ではフィリピンも植民地化、ここを拠点にして中国大陸への侵略を狙うようになる。

 この当時、イギリスの影響下にあった日本は1904年2年、海軍が旅順港を奇襲攻撃して日露戦争を始めた。1905年にセオドア・ルーズベルト米大統領が調停役として登場、日本が有利に見えるところで講和が成立する。帝国主義者のルーズベルトが戦争を終結させたのは、大陸を侵略する布石のつもりだったのだろう。

 当時、ロシア国内では帝政を打倒する動き(第1次ロシア革命)があり、ロマノフ朝には戦争を継続しにくい状況があった。そこでルーズベルトの調停に応じたのだろうが、日本に負けたという認識は薄かったのではないだろうか。

 しかし、日本では新聞の扇情的な記事で大勝した気分になっていた国民がいて、講和条約が締結された当日、日比谷公園で開催された国民大会に参加した人たちは不満を爆発させた。内相官邸、警察署、交番などを焼き討ちし、戒厳令が敷かれるという事態に発展したのだ。

 JPモルガンをはじめとするウォール街の住人は1933年から34にかけての時期に反フランクリン・ルーズベルトのクーデタを計画したが、これはスメドリー・バトラー退役少将によって阻止された。そのバトラーは1935年に『戦争は犯罪だ(War Is a Racket)』という本を出した。戦争が押し込み強盗にすぎないということを日本の庶民も理解していたということだろう。

 ところで、バイデン米大統領も戦争が好きである。2002年にイラクへの侵略戦争に賛成、コソボで大きな力を持っていたハシム・サチとも親しい。サチは1999円4月から2000年2月、そして08年1月から14年12月まで首相を、16年4月から20年11月までは大統領を務めた。

 サチはKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)の指導者としてコソボへ乗り込んできたが、この組織はアメリカの手先で、クロアチアのネオ・ナチが参加していたことでも知られている。彼はセルビア人や少数民族をターゲットにした「民族浄化」を実行、アルバニアの犯罪組織とつながっていたと言われている。

 コソボはアフガニスタンからヨーロッパへヘロインを運ぶ主要ルートのひとつが通過、それにともなう儲けがKLAの資金源になっていた。また旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたカーラ・デル・ポンテは自著の中でKLAによる臓器の密売に触れている。コソボで戦闘が続いている当時、KLAの指導者らが約300名のセルビア人捕虜から「新鮮」な状態で、つまり生きた人間から臓器を摘出し、売っていたというのだ。

 1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカをはじめとする西側の支配者はユーゴスラビアの解体に乗り出す。その計画を実行するように有力メディアは煽ったが、当初、ビル・クリントン大統領は動かない。状況が変化したのは1997年1月に国務長官がクリストファー・ウォーレンからマデリーン・オルブライトへ交代してからだ。

 オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だった好戦的な人物。オルブライトはビジネス戦略を提供するということでオルブライト・ストーンブリッジ・グループを創設したが、この関係者がバイデン政権に参加している。

 ユーゴスラビアを解体する際、現地で指揮していたのはリチャード・マイルズ。現地のイスラム指導者にもアメリカ側は接触、ジャーナリストのレナテ・フロットーによると、サラエボにあったイザドベゴイチのオフィスで1993年から94年にかけてオサマ・ビン・ラディンを何度か見かけたという。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 アメリカの支配者に率いられたNATOは1999年5月にユーゴスラビアへの空爆を開始、4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館も爆撃されている。

 そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された。攻撃の直後にジョージ・W・ブッシュ政権は「アル・カイダ」によるものだと断定、有力メディアはその主張を大々的に宣伝、反イスラム感情を煽る。そしてアメリカの支配者は侵略戦争を本格化させた。

 それと同時にアメリカでは憲法の人権規定を停止させる法律が制定された。「愛国者法(USA PATRIOT Act / Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001)」だ。​この法律のモデルになった対テロリズム法案をバイデンは1995年に提出​している。

 アメリカは強大な私的権力が直接支配する国になりつつある。そうした私的権力の犯罪的な行為を明らかにしてきたウィキリークスを弾圧の対象になり、その象徴であるジュリアン・アッサンジは秘密裏に起訴され、スウェーデンとイギリスの協力受けて逮捕、拘束した。

 現在、主導権を握っている私的権力の意向に沿わない言動を繰り返してきたドナルド・トランプは有力メディアや政府機関に攻撃され、排除された。言論も封印されているが、それは​デジタル時代における言論統制の戦いで転換点になるとNSAの内部告発者であるエドワード・スノーデンは指摘​している。

 現在、世界はファシズムへ向かって突き進んでいる。少なくともアメリカを中心とする私的権力はそうしようと必死だ。そうした状況に西側の「リベラル派」や「左翼」は危機感を持っていないが、メキシコのオブラドール大統領は違った。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101300000/

3. 中川隆[-4646] koaQ7Jey 2021年5月23日 10:23:22 : 2zvcZ0D0vM : OHlVbXJRRG5QOW8=[16] 報告
2021.05.23
イスラエルのパレスチナ弾圧に批判的な記者をAPが解雇
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105230000/

 APやアル・ジャジーラが入っていたガザのビルをイスラエル軍が破壊した4日後の5月19日、​APはひとりのジャーナリストを解雇​した。スタンフォード大学を昨年卒業、5月3日からAPの編集部で働き始めたばかりのエミリー・ワイルダーだ。ソーシャル・メディアに関する会社のガイドラインに違反したという理由だが、具体的に何が問題だったのかをAPは明らかにしていないという。

 この人物はユダヤ系なのだが、学生時代からイスラエルによるパレスチナ人弾圧に批判的で、入社後もメディアの姿勢も批判していた。「パレスチナ」ではなく「イスラエル」、「包囲攻撃」や「占領」ではなく「戦争」というという表現を使うこともおかしいとしていた。西側の有力メディアはアメリカによる侵略や虐殺などでも同じようなことを行っているが、今回はイスラエルが問題になっている。

 マス・メディアはこの世に出現して以来、プロパガンダ機関としての要素はあった。機関紙/誌は勿論、商業紙/誌がスポンサーの意向から逸れた「報道」は行わないようにしてきたことは否定できない。つまり私的権力のプロパガンダ機関だ。

 それでも1970年代まではメディアの所有に制限があり、まだ気骨あるジャーナリストが活動する余地はあった。そうした余地が急速になくなり始めたのは新自由主義が広がり始めた1980年代からだ。

 そうした気骨あるジャーナリストのひとりでAPの記者だったロバート・パリーは1985年にブライアン・バーガーとイラン・コントラ事件に関する記事を書いている。CIAに支援されたニカラグアの反革命ゲリラ「コントラ」による麻薬取引や住民虐殺を明らかにする内容だった。

 コントラの活動はCIAの秘密工作の一環で、アメリカ人も参加していた。その活動の実態に失望したジャック・テレルなる人物がパリーに情報を提供、さらにコスタリカの刑務所で拘束されていたふたりの傭兵、イギリス人のピーター・グリベリーとアメリカ人のスティーブン・カーからコスタリカにあるジョン・ハルというアメリカ人の牧場がコントラ支援の秘密基地として機能しているということを聞かされている。

 このハルはCIAと深い関係にあり、NSC(国家安全保障会議)から毎月1万ドルを受け取っていたとされていた。ふたりの傭兵はコントラ支援工作に関わっていたフランシスコ・チャンスのマイアミにある自宅で大量のコカインを見たとも話している。こうした工作の一端は後にジョン・ケリー上院議員を委員長とする委員会でも明らかにされた。

 パリーとバーガーが取材の結果を原稿にしたのは1985年のことだが、AP本社の編集者はふたりの記事を拒絶、お蔵入りになりかけた。それが「ミス」でスペイン語に翻訳され、ワールド・サービスで配信されてしまったのである。(Robert Parry, "Lost History," The Media Consortium, 1999)

 イスラエル問題と同じように、CIAと麻薬取引の問題も西側ではタブーだ。1996年8月にはサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙のゲイリー・ウェッブもこの問題を取り上げたが、有力メディア、例えばロサンゼルス・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、あるいは有力ネットワーク局は沈黙しただけでなく、ウェッブを激しく攻撃した。

 ウェッブの記事が出た後、1998年1月と10月にCIAの内部でIG(監察総監)レポートが出されたのだが、それはウェッブの記事の正しさを確認するものだった。

 この内部調査が行われる切っ掛けはマイケル・ルッパートなる人物の質問。この人物は1973年から78年にかけてロサンゼルス市警察の捜査官を務めていたが、その時代にCIAの麻薬取引に気づいて捜査、それが原因で退職せざるを得なくなったという経験を持っている。

 そのルッパートは1996年11月、ロサンゼルスの高校で開かれた集会でCIA長官だったジョン・ドッチに対し、警察官だった時代の経験に基づいて質問、内部調査を約束させたのだ。そしてIGレポートにつながり、ウェッブやパリーらの記事が正しいと確認されたのだ。

 しかし、有力メディアはウェッブ、ルッパート、パリーをその後も拒否し続け、自分たちの「報道」について訂正も謝罪もしていない。そしてウェッブやルッパートは自殺に追い込まれた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105230000/

4. 中川隆[-11597] koaQ7Jey 2024年2月14日 16:03:45 : nPTssfmOvQ : Q1E2ZVdESzU4bjI=[7] 報告
<▽45行くらい>
2024.02.14XML
米国の電子的な監視システムに関する文書を内部告発したシュルティに懲役40年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402140000/

 CIAが行なっている電子的監視やサイバー戦に関する文書「​Vault 7​」を内部告発支援グループのWikiLeaksへ渡したジョシュア・シュルティに対し、懲役40年の判決が2月1日に言い渡された。WikiLeaksの象徴的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月11日にエクアドル大使館の中でロンドン警視庁の捜査官によって逮捕され、現在、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。

 内部告発とは支配層の悪事を暴く行為であり、支配層はそうした行為を許さない。アッサンジに逮捕令状が出る半年ほど前、WikiLeaksはバグダッドでアメリカ軍の戦闘ヘリコプターがロイターの特派員2名を含む非武装の十数名を銃撃、殺害する場面を撮影した映像を公開していたが、その映像をWikiLeaksへ渡したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵も逮捕されている。

 シュルティ、アッサンジ、マニング以外にも内部告発した人たちはいる。例えば、電子情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を組織内部で警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやジョン・キリアクらだ。慎重に動いたビーニーは家宅捜索を受けた程度で済んだものの、スノーデンはロシアへ逃げ込まざるをえなくなり、スターリングやキリアクは懲役刑、カルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。事実が露見することを恐れている支配層は内部告発者を見せしめのため、厳罰に処している。

 アメリカの電子情報機関NSAとGCHQはUKUSAという連合体を編成し、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの機関を従えて情報を収集、分析している。通信技術が急速に発達し始めた1970年代から通信傍受のシステムを強化、その延長線上にVault 7もある。

 こうしたシステムによって全て彼らは通信をUKUSAは記録、さらにスマートテレビ、グーグル・クローム、マイクロソフト・エッジ、ファイアーフォックス、オペラを含むウェブブラウザ、スマートフォンやコンピュータのオペレーション・システムなどに侵入することも可能だ。

 2月6日にウラジミル・プーチン露大統領と会い、インタビューしたタッカー・カールソンも通信を盗まれていたという。​カールソンは昨年9月にプーチンをインタビューする計画を進めていたが、その際、ワシントンDCの誰かから電話があり、出向いたところ、先方はプーチンと会う計画を知っていたという​。カールソンの電子メールをNSAは傍受、プーチンと会わないよう、圧力をかけてきたのだ。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402140000/

5. 中川隆[-11197] koaQ7Jey 2024年3月22日 12:58:34 : oilRQF5uTM : SFNKdWRQNEN0S0E=[8] 報告
【緊急ライブ】ニューヨーク崩壊が近づいてきた!(マックス×石田和靖) @tokyomax
2024/03/13
https://www.youtube.com/watch?v=IX_IZVKl5Zc
6. 中川隆[-11050] koaQ7Jey 2024年3月31日 13:14:06 : 9529qE9Jts : MzhrV0VKWW4zU0k=[9] 報告
伊藤貫【真剣な雑談】 第17回「アメリカ外交の巨悪と中東の絶望!!!」[桜R6/3/30]
https://www.youtube.com/watch?v=fTXHt0irDKE

特番『伊藤貫先生登場!その1  〜 アメリカ政治の混乱、民主主義という政治イデオロギーの欠陥〜』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2024/03/30
https://www.youtube.com/watch?v=QUPANdUBvUA

7. 中川隆[-10407] koaQ7Jey 2024年5月29日 10:04:05 : gyOucZ4HFg : VVYwNnU3Y0FqM1k=[31] 報告
【イスラエルハマス戦争】イスラエルと西側メディアの嘘がバレた! 10/7のアレは作り話だった…(大高未貴×石田和靖)
2024/05/28
https://www.youtube.com/watch?v=sOwHDItteBM
8. 中川隆[-10079] koaQ7Jey 2024年6月27日 02:24:04 : ViQkSMeUe6 : RDg0UzN5WUR4bnM=[10] 報告
【伊藤貫】人類の支配者について〜資本主義と民主主義は両立しない【チョムスキー】
https://www.youtube.com/watch?v=pADY3NeMTnI
https://www.youtube.com/watch?v=WEnv5I8Aq4I&t=0s

超富豪オリガーキーに支配されるアメリカ帝国〜トップ0.01%層が牛耳る米国政治ー貧富の差は世界最悪!!!(伊藤貫)
https://www.youtube.com/watch?v=yvbIOYtbcV0&t=0s

伊藤貫セミナー Ito Kan Seminar (公式) - YouTube
https://www.youtube.com/@kpnews1216/videos
https://www.youtube.com/@kpnews1216/playlists

伊藤貫の真剣な雑談
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14111186

9. 中川隆[-9818] koaQ7Jey 2024年7月19日 13:03:58 : xvPIgmcXQ6 : SmpsM2lENFRiNjY=[8] 報告
<■103行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.07.19XML
CNNがジャーナリストの魂を放棄し、プロパガンダに徹するようになった瞬間
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407190000/

 プロパガンダは支配の重要な要素である。アメリカではウッドロー・ウィルソン政権下の1917年4月に設立されたCPI(広報委員会)が組織的プロパガンダの始まりだと言えるかもしれない。委員長に選ばれたのはジョージ・クリールだ。(Chris Hedges, “Death of the Liberal Class,” Nation Books, 2010)

 クリールの下で働いていたエドワード・バーネイズは精神分析学の創始者であるジークムント・フロイトの甥にあたり、1929年には女性の喫煙を推進した「自由のたいまつ」なるキャンペーンを成功させ、54年にはユナイテッド・フルーツに雇われてCIAのグアテマラにおけるクーデターを正当化する宣伝を展開した。

 第2次世界大戦後におけるアメリカのプロパガンダで「モッキンバード」が果たした役割は大きい。これは1948年にスタートしたCIAの極秘プロジェクトで、責任者はコード・メイヤー。実際の工作で中心的な役割を果たしたのはアレン・ダレス、ダレスの側近だったフランク・ウィズナーとリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだという。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 同じ時期、CIAではヘルムズ長官の下、人間の心理を操作する研究も進められていた。「MKウルトラ」だ。ヘルムズは退任時に関係書類の廃棄を命令し、後任のウィリアム・コルビーも工作の詳細を知らないというが、個人や集団を操る技術を研究していたことは間違いない。プロパガンダの技術は企業の「宣伝」にも応用されている。

 おそらく、その延長線上に​WEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブが2016年1月にスイスのテレビ番組で明らかにしたマイクロチップを利用した人間の端末化計画​もある。脳へチップを埋め込む研究は第2次世界大戦が終わって間もない頃からアメリカで進められてきたと言われている。

 ロナルド・レーガン大統領は1982年6月、イギリス下院で「プロジェクト・デモクラシー」という用語を公の席で初めて使った。勿論、この「デモクラシー」は本来の民主主義と全く関係がなく、アメリカの支配層にとって都合の悪い国家、体制を崩壊させることを意味する。いわゆるレジーム・チェンジ。国内での作戦は「プロジェクト・トゥルース」と名づけられた。

 このプロジェクトを始動させるため、レーガンは1983年1月にNSDD(国家安全保障決定指示)77に署名、プロジェクトの中枢機関としてSPGをNSCに設置した。ここが心理戦の中心になる。(Robert Parry, “Secrecy & Privilege”, The Media Consortium, 2004)

 アメリカ議会では1970年代の半ばにCIAの秘密工作について調査された。1975年1月には上院で「情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会」が設置されてフランク・チャーチ上院議員が委員長に就任、下院ではルシエン・ネジ下院議員を委員長とする「情報特別委員会」が設立された。下院の委員会は当初、ルシエン・ネジ議員が委員長に就任したのだが、すぐにオーティス・パイク議員へ交代した。

 こうした動きに対抗するため、CIAは内部規約を変更して内部告発を難しくし、巨大資本がメディアを支配しやすくするために規制緩和を進めて有力メディアを少数の大株主に集中させた。COMCAST(NBCなど)、ディズニー(ABC、FOXなど)、CPB(NPR、PBSなど)、Verizon(Yahooニュース、ハッフィントン・ポスト)、ナショナル・アミューズメンツ(VIACOM、CBS、MTVなど)、AT&T(CNN、TIME、ワーナー・ブラザーズなど)、グーグル、ニューズ・コープ(FOXニュース、ウォール・ストリート・ジャーナルなど)といった具合だ。

 20世紀の終盤、メディア支配はさらに強化される。その象徴的な出来事がCNNであった。NATOがユーゴスラビアを先制攻撃して破壊した1999年にアメリカ陸軍の第4心理作戦群の第3心理作戦大隊に所属する隊員が2、3週間ほどCNNの本部で活動していたことも明らかになっている。この部隊の主要な仕事のひとつは「選別された情報」、つまり支配層にとって都合に良い話を広めることだ。

 この事実を最初に報じたのはフランスのインテリジェンス・ニューズレターで、オランダのトロウ紙が2000年2月に後を追う。アメリカ陸軍情報部のトーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの正社員として働き、ニュースにも携わったという。またコソボ紛争中も彼らは記事を書いていただろうとしている。(Trouw, 21 February 2000)

 心理戦部隊の隊員を社会のさまざまな分野に一時的に配置転換することは1997年頃から始まっていて、その契約期間は数週間から1年までさまざまだという。

 こうした軍の心理戦部隊が有力メディアへ入り込み、影響力を強めようとし始めていた1998年、CNNはラオスにおける神経ガスのサリン使用に関する情報を伝えていた。その年の6月に放送された。

 それによると、1970年にアメリカ軍のMACV-SOG(ベトナム軍事援助司令部・調査偵察グループ)がベトナム戦争で、逃亡兵を殺害するためにサリンを使用したというのだ。その作戦名は「テイルウィンド」だという。

 SOGは統合参謀本部(JCS)直属の秘密工作部隊で、1964年2月から北ベトナムに対する破壊工作をスタートさせ、トンキン湾事件を引き起こして本格的な軍事介入への道を作っている。戦争の泥沼化した1967年からCIAは軍の特殊部隊と共同で住民皆殺し作戦のフェニックス・プログラムを始動させているのだ、CIAと特殊部隊で編成されたチームがサリンを使用しても不思議ではない。CIAと特殊部隊で編成された戦闘集団はアメリカの正規軍とは指揮系統が違う。フェニックス・プログラムに正規軍は関与していなかった。

 CNNのサリン報道で最も重要な証人は、1970年7月から74年7月までJCS議長を務めたトーマス・ムーラー提督。同提督の部下がサリンが使用される事実を確認したというが、捕虜になり、北ベトナムに協力していたアメリカ人を殺害することがサリンを使用した理由だとする報道にある種の勢力は激しく反発した。

 CNNの経営陣は報道内容のチェックを弁護士のフロイド・エイブラムズに依頼し、1カ月にも満たない短期間で報告書を作成させた。報告書の結論は報道内容を否定するものだったのだが、引用に不正確な部分があり、慎重に調べたとは到底言えない代物だ。

 例えば、エイブラムズは報告書の中でムーラー提督を認知症の老人であるかのように表現しているのだが、報告書が作成された当時でもゴルフ場で普通にブレー、別の事件で記者会見に登場するほどの健康体だった。番組を担当したプロデューサーのエイプリル・オリバーによると、放送では示されなかった重要な情報をCNNは隠しているという。

 結局、番組を担当したふたりのプロデューサー、ジャック・スミスとエイプリル・オリバーは報道を事実だ主張し続けたため、解雇されてしまう。CNNは不自然な形で幕引きを図った。この時期、CNNは残っていたジャーナリストの魂を捨て去ったと言えるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407190000/

10. 中川隆[-9655] koaQ7Jey 2024年8月01日 19:36:34 : LSt1PIly1Q : MGIyTDdPUTVFVms=[16] 報告
<■126行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.08.01XML
イスラエルや米英の支配者は情報操作で人びとの頭に幻影を刷り込み、操る
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408010000/

 イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は7月31日、ハマスの指導者で、イスラエルとの交渉で中心的な役割を果たしてきたイスマイル・ハニヤがテヘランで殺害されたと発表した。護衛のひとりも一緒に殺されている。通常はカタールを拠点にしているハニヤだが、イランの新大統領マスード・ペゼシュキアンの就任式に出席するため、イランの首都に滞在していた。

 ペゼシュキアンの前任者、エブラヒム・ライシは5月19日に搭乗していたアメリカ製のベル212ヘリコプターが墜落、死亡している。同行していた別のヘリコプター2機はロシア製で、何の問題もなく帰国した。この当時、イランはアメリカの代表団とオマーンやニューヨークで秘密交渉を続けていたという。

 ライシは5月18日、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領とダムの落成式に出席していているのだが、ライシが帰国の途についたタイミングでアメリカのC130輸送機がアゼルバイジャンに到着したと噂されている。墜落の真相は不明だが、単純な事故だと考えない人が少なくない。

 ハニヤのケースも真相は不明だが、イスラエルやアメリカを疑いの目で見る人もいる。暗殺は両国の常套手段だ。アメリカの情報機関には自国の大統領を暗殺した疑惑がある。

 そのアメリカ軍はイスラエルの協力を受け、2020年1月3日、イスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われるコッズ軍を指揮していたガーセム・ソレイマーニーをバグダッド国際空港で暗殺している。その当時、イランとサウジアラビアは関係修復を目指し、交渉を始めていた。ソエイマーニーはイラン側のメッセンジャーだったのだ。アメリカやイスラエルは平和を恐れている。

 ハニヤ殺害をベンヤミン・ネタニヤフの訪米と結びつけて考える人もいる。ネタニヤフはイスラエルの首相として7月22日にアメリカを訪問し、24日には連邦議会の上下両院合同会議で演説した。イスラエル軍がガザで続けている住民虐殺を正当化するために作り話を延々と続けたのだが、議員たちは何度も立ち上がって拍手喝采している。先住民であるアメリカ・インディアンを虐殺して建設されたアメリカの議員だけはある。この訪米の際、ネタニヤフはレバノンへの軍事侵攻と共に、ハニヤの殺害も承認されたのではないかと推測する人もいる。

 その一方、27日にはゴラン高原にあるサッカー場が攻撃され、10代の若者12人が死亡したとイスラエルは発表した。この攻撃を目撃した地元の人はイスラエルの防空システム、アイアン・ドームのミサイルによるものだとしているが、イスラエル軍はレバノンのシーア派が実行したと主張している。ゴラン高原はイスラエルが不法占領しているシリア領。ヒズボラがシリア領を攻撃することはないと指摘する人が少なくない。

 目撃者や状況証拠はイスラエルのミサイルがゴラン高原に着弾したことを示しているが、イスラエル軍はその責任をヒズボラに押し付け、「報復」だと称して攻撃を強めている。こうした軍事作戦もネタニヤフのアメリカ訪問と無関係ではないだろう。

 この攻撃に限らず、アメリカやイスラエルは有力メディア、インターネット、映画業界などを駆使してプロパガンダで自分たちに都合の良いイメージを世界に広めてきた。アメリカは第2次世界大戦の前からプロパガンダを重視していたが、大戦後にはモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトを開始、1970年代から「規制緩和」でメディアの集中支配を推進、気骨あるジャーナリストを排除した。

 1983年1月にはロナルド・レーガン大統領がNSDD11に署名、「プロジェクト・デモクラシー」や「プロジェクト・トゥルース」をスタートさせる。「デモクラシー」という看板を掲げながら民主主義を破壊し、「トゥルース」という看板を掲げながら偽情報を流し始めたのである。

 20世紀の終盤にメディア支配はさらに強化される。例えばCNNではNATOがユーゴスラビアを先制攻撃して破壊した1999年、アメリカ陸軍の第4心理作戦群の第3心理作戦大隊に所属する隊員が2、3週間ほどCNNの本部で活動していたことも明らかになっている。この部隊の主要な仕事のひとつは「選別された情報」、つまり支配層にとって都合に良い話を広めることだ。

 情報操作の分野ではイスラエルの8200部隊も有名だ。この機関はアメリカとイギリスの電子情報機関、つまりNSAとGCHQと緊密な関係にあり、協力して地球上の全通信を傍受、記録、分析している。NSAとGCHQの下部機関としてカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの情報機関が存在している。

 8200部隊は少なからぬ「民間企業」、つまり「企業舎弟」を設立して情報操作のネットワークを築いている。そうした企業のひとつであるNSOグループが開発した「ペガサス」は、通話、電子メール、写真、GPSデータ、アプリ関係の情報などを盗みむことができる。

 また「オンラインの偽情報対策」を看板に掲げているイスラエルのテクノロジー会社、サイアブラも8200部隊の企業舎弟だと言える。取締役の中にアメリカの国務長官を務めたマイク・ポンペオが含まれているが、それだけではない。この会社を共同で設立した3名はイスラエルの情報機関で主要なメンバー。

 そのひとりでCEOのダン・ブラミーはサイアブラを設立する前、イスラエル軍で射撃や戦闘の教官を務めていた。またヨセフ・ダールは8200部隊出身。この部隊は世界規模のデジタル監視網を利用して個人データを集積し、弱みを握り、脅迫、ゆすりに利用している。ダールは2004年から2014年まで8200部隊の幹部だった。イド・シュラガはイスラエル軍のサイバーシステム・エンジニアだった。当然、全てのパレスチナ人は彼らの監視対象になっている。ハマスなど反イスラエル抵抗組織の幹部の動向も把握しているはずで、イスラエルに対する奇襲攻撃という筋書きは説得力がない。

 NSOグループやサイアブラだけでなく、8200部隊の「元隊員」数百人がシリコンバレーで働き、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、メタなどで影響力のある地位を得ている。

 2019年7月に性犯罪の容疑で逮捕され、同年8月に房の中で死亡たジェフリー・エプスタインは要人の弱みを握り、脅迫やゆすりに利用していた。このエプスタインは大学をドロップアウトした後、1973年から75年にかけてマンハッタンのドルトンスクールで数学と物理を教えていたが、76年には教え子の父親の紹介で投資銀行のベア・スターンズへ転職、その時の顧客の中にエドガー・ブロンフマンがいたという。

 「世界ユダヤ人会議」の議長を務めた経験があるエドガー・ブロンフマンは密造酒の家系で、父親のサミュエル・ブロンフマンはルイス・ローゼンスティールの密造酒仲間。エドガーの弟、チャールズが1991年に創設した「メガ・グループ」はイスラエル・ロビーとされているが、イスラエルの情報機関と緊密な関係にあると言われている。

 大学をドロップアウトしたエプスタインを教師として雇い入れたのはドルトンスクールの校長をしていたドナルド・バー。司法長官を務めたウィリアム・バーの父親だ。ウィリアムはCIA出身で、その時代にはジョージ・H・W・ブッシュの部下だった。またドナルドはCIAの前身であるOSSに所属していた。

 エプスタインは未成年の女性と有力者を引き合わせ、ふたりの行為を盗撮し、それを利用して後に恫喝の材料に使っていたと言われている。​そのエプスタインは2011年にビル・ゲイツと親しくしていたとニューヨーク・タイムズ紙が伝えたのは2019年10月12日のことだった​。

 エプスタイン、彼と親密な関係にあったギスレイン・マクスウェル、そして彼女の父親であるイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルはいずれもイスラエルの情報機関のために働いていたという。マクスウェルはエプスタインをイランとの武器取引に加えようとしていたようだ。イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していたのだ。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)

 ロバート・マクスウェルがAMANのエージェントになったのは1960年代だとも言われ、ソ連消滅でも重要な役割を果たしたと言われいるが、ソ連消滅の前の月、つまり1991年11月にカナリア諸島沖で死体となって発見されている。

 ギスレインとエプスタインは1990年代に知り合ったとされているが、ベンメナシェによると、ふたりは1980年代に親しくなっている。ニューヨーク・ポスト紙の元発行人、スティーブン・ホッフェンバーグによると、ふたりはあるパーティで知り合ったという。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408010000/

11. 中川隆[-8620] koaQ7Jey 2024年11月08日 17:29:50 : qoV5IyuAAI : QTJxeFpyTXhSRmc=[7] 報告
今回のアメリカ大統領選挙は ドナルド・トランプ 対 マスメディア だった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16877562
12. 中川隆[-8505] koaQ7Jey 2024年11月15日 00:22:46 : Gs9qUesTMw : OHFWdUxqUm00Y0E=[5] 報告
<■84行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.11.15XML
市街で乱暴狼藉に及んだイスラエルのフーリガンを被害者にした西側メディア
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202411150000/

 情報を不特定多数の人びとへ伝える手段の発達には情報操作という闇の側面もある。こうしたことはマスメディアが登場した当時からあっただろうが、1970年代後半から闇の部分が急速に広がっていることも確かだ。

 その闇の側面の一端をアムステルダムでの出来事は明らかにした。アムステルダムでは11月7日にサッカーの試合、マッカビ・テルアビブ対アヤックスが開催されたのだが、イスラエルから来たフーリガンが市街で乱暴狼藉を働き、反撃された。フーリガンは地元住民の家と思われる建物に飾られていたパレスチナ国旗を引きずり下ろした上で引き裂き、燃やし、通りかかったタクシーを襲撃、アムステルダムの市民と衝突したのだ。

 それを西側の政府や有力メディアは正しく伝えない。例えば、オランダのディック・シューフ首相は「容認できない反ユダヤ主義の攻撃」だと主張している。また同国のデービッド・ファン・ウィール安全保障相は、例によって証拠を示さず、人びとがユダヤ人だということを理由に攻撃され、脅迫されたのは事実だ主張した。アメリカのジョー・バイデン大統領とアントニー・ブリンケン国務長官は公式声明で、この暴力行為の爆発は「反ユダヤ主義的」だと直ちに宣言している。

 ​事件直後、イギリスのスカイ・ニュースはマッカビ・テルアビブのフーリガンが襲撃したことを伝え、パレスチナの旗を引き裂く様子を流していたのだが、「スカイニュースのバランスと公平性の基準を満たしていなかった」として再編集、視聴者がイスラエルの暴徒に同情的するような内容へ変えられている。​

 また「マッカビのファンが地元住民を攻撃しているのが見られ、パトカーが通り過ぎるのが見られる」という説明は削除され、「ソーシャルメディアに投稿された動画には、フードをかぶった大勢の男たちが黒い服を着て通りを走り、人々を無差別に殴っている様子が映っている」というように変更され、その夜の出来事と西側諸国の政治家がどのように反応したかの要約もカットされた。

 こうした嘘を暴いたいのは市民にほかならない。​そうしたひとりが10代の少年ユーチューバー​。​別の目撃者も画像と共にインターネットで実際に何があったのかを証言してい​る。西側世界のプロパガンダ機関に市民が立ち向かっている構図だ。

 アメリカでは第2次世界大戦の後、情報を操作するためのプロジェクト「モッキンバード」がスタートしたと言われている。ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、プロジェクトの中心にいたのはワシントン・ポスト紙の社主を務め、戦争中は陸軍の情報部に所属していたフィリップ・グラハム、大戦中からアメリカの破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、破壊工作を担当する秘密機関OPCの局長でダレスの側近だったフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズだ。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 この4名は金融界との関係が深い。ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士であり、ヘルムズの祖父であるゲイツ・マクガラーは国際的な投資家で、BIS(国際決済銀行)理事会の初代議長、フィリップ・グラハムの妻、キャサリンの父、ユージン・メイヤーは世界銀行グループの初代総裁で、FRB(連邦準備制度理事会)の議長も務めた。

 メイヤーは1933年に競売でワシントン・ポストという倒産会社を競り落とし、自分自身の人脈を利用してこの新聞社を「一流紙」と呼ばれるように作り上げた。

 フィリップはキャサリーンと離婚して再婚し、ワシントン・ポスト紙を自分ひとりで経営すると友人に話していたが、1963年6月に精神病院へ入院、8月に自殺する。新聞社はキャサリンが引き継いだ。フィリップと親しくしていたジョン・F・ケネディが暗殺されたのはその3カ月後のことだ。

 1970年代の半ばにアメリカの議会では情報機関の秘密工作に対する調査が進められたが、それに対抗して情報機関やその後ろ盾である私的権力は情報統制を強化、メディアの集中支配を可能にするために規制を緩和、今では有力メディアの大半を少数のグループが支配している。

 2019年にはCOMCAST(NBCなど)、ディズニー(ABC、FOXなど)、CPB(NPR、PBSなど)、Verizon(Yahooニュース、ハッフィントン・ポスト)、ナショナル・アミューズメンツ(VIACOM、CBS、MTVなど)、AT&T(CNN、TIME、ワーナー・ブラザーズなど)、グーグル、ニューズ・コープ(FOXニュース、ウォール・ストリート・ジャーナルなど)というようになっている。

 日本でも1980年代にマスコミの統制が強化された。その直前、毎日新聞の西山太吉記者は沖縄返還協定の背後に密約が存在する事実をつかんで報道するのだが、ライバルのメディアは何者かに操られているかのように情報の収集方法を問題にし、密約自体は曖昧なまま幕引きになった。その出来事で毎日新聞は攻撃の矢面に立たされて経営が悪化している。日米支配システムのタブーに触れると巨大メディアも潰れてしまうことが示されたとも言える。

 また、1987年5月には朝日新聞の阪神支局が散弾銃を持った人物に襲われ、ひとりが射殺され、別のひとりが重傷を負った。この襲撃事件で縮み上がったマスコミ関係者は少なくない。

 そして1991年。「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する講演会の冒頭、むのたけじは「ジャーナリズムはとうにくたばった」と発言した。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202411150000/

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