・ QUAD レストア対象モデルについて http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/index.html QUAD レストア対象モデル
57以外の静電型のラウドスピーカー(所謂フロア型)であればレストアをお受けできると思います。 具体的には次のとおりです。 ESL−63 ・ PRO−63 ESL−988 ・ ESL−989 ESL−2805 ・ ESL−2905 ESL−2812 ・ ESL−2912 これらのモデルのユニットは、全て同じものですので、ここに列挙していないモデルであっても同じユニットであればレストア可能だと思います。 (ESL−57のユニットのレストアはいたしません。) このサイトでは、これらの同一のユニットを使用した全てのモデルを総称して、63系と呼ぶことにします。 なお、日本にあるのかどうか知りませんが、ESL−63QAというモデルを始めとするいくつかのモデルが存在するそうです。 ユニットが63系であればレストア可能と思われますので、ご相談ください。
QUAD レストア方法 発音ユニット http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-unit/quad-howto.html 63系は、片chにつき、4枚又は6枚のユニットで構成されていて、一枚のユニットは、二つの格子状の枠が貼り合わされてます。 下の写真は、上が低域ユニットで下が中高域ユニットです。 個々のユニットは、格子状の枠に、2mmほどの穴が無数に開いたプリント基板の信号電極が接着されています。片側の枠に導電剤が塗布されたフィルム(振動膜)が貼ってあり、二つの枠を貼り合わせると、フィルムが電極の中央にきます。 写真の上側はフロント側の枠で、こちらにフィルムが貼られています。 下はリア側の枠で、中央縦に高圧配電用の赤色の配線が見えます。 大型モデルである 2905 と 2912 は、片chで低域ユニット4枚、中高域ユニット2枚の計6枚で構成されており、その他のモデルでは、各2枚の計4枚で構成されています。 以下、特にことわらない限りユニット数が片ch4枚のモデルについて記載します。 下がユニットの内側です。 上がフィルムの張られたフロント側で、黒く見えるのが導電剤です。 このユニットでは、左側二箇所に破れが見られ、周囲に剥離が見られます。 しかし、この程度の破れや剥離は、通常、ノイズの原因とはならないようです。 下のリア側の内側には化学繊維の目の細かい「紗」のような布が貼られています。上下には高圧配電用のアルミ箔が貼られています。 ノイス発生の最大原因は電極の剥離による電極とフィルムの近接です。 下の写真が枠と電極が剥離している様子です。 枠と電極の接着には、G17のようなゴム系の接着剤が使われているようで、経年劣化によりボロボロになって接着力を無くし、剥離を起こしています。 しかし、プリント基板の電極に信号を入力するためのラグが付けられている個所では剥離は起きていない場合が殆どです。 仮に接着剤の劣化が起きても、ラグで電極と枠が繋げられているため、剥離には至らないということです。 下の写真は、ラグが最も多い、中高域ユニットの信号が入力されるラグの部分です。 ラグの数は、最も少ない低域ユニットで片面二つだけ(ユニット一枚で四つ)です。そして、ラグの多い中高域ユニットでも片面十一個(ユニット一枚で二重二個)です。 ノイズの発生は、ラグの無い箇所で最初に起きる場合が殆どで、具体的には、スピーカーの四隅からということになります。 ユニットは、下の写真のとおり、ガチャ玉やガチャックのようなクリップで止めて貼り合わされています。使用されているクリップの数は、一枚のユニットについて四つから八つとマチマチです。 クリップが四つしか使用されていない場合、隙間ができいることも見受けられます。 また、テンションが落ちているものがあったり、右の写真のとおり、割れてしまっていて用をなしていない場合もあります。 ユニットは、中央三ヶ所も金属のボルト・ナットで留めて貼り合わされています。
それでは、レストア手順を説明します。 ユニットを二枚に剥がす前に、ボルト・ナットで貼り合わせるための穴を枠の周囲10ヶ所に開けます。 そしてユニットを二枚に離し、フィルムを剥がす、ラグを外す、といった作業をし、枠と電極板を別々にします。 次は枠と電極のクリーリニグです。 枠はスクレパーと溶剤で接着剤をきれいに落とします。 クリーニングが大変なのは電極であるプリント基板です。 枠のリブと接着されていた部分の穴が接着剤のカスでふさがっています。 このふさがった穴の数は、ざっと計算したところ、基板8枚で約6000 もありました ! この穴を、まずドリルの刃を一つ一つ通してカスを落とします。 実にウンザリする作業です。 その後、溶剤で洗浄するようにクリーニングします。 写真は作業前後が判るように撮ったものです。 手前半分がクリーニング済みで、うしろ半分が作業前の状態です。 カスは大雑把に落としても、次の接着面さえ綺麗にしてあれば接着力には問題ないばすですが、カスが残っていると?れ落ちてノイズの原因にもなりかねないと思い、完全に除去するようにしています。 なお、スピーカーのリア側となる電極には紗のような布が貼られていて穴のクリーニングにドリルは使えないので、溶剤でクリーニングしています。 なお、接着剤が劣化しておらず、枠と電極板が強固に接着された状態が保たれており、無理に剥がすと電極板そのものが割れたり、銅のプリントが剥離したりする恐れのある場合は、枠の裏側から、枠のリブと電極板の間に接着剤を流し、「裏打ち」で補強することもあります。 この方法は、経年変化の少ない、新しいモデル、例えば 988 や 2805 などで使用することが多いです。 63 や PRO-63 では、まずこの方法は使えず、電極板を剥がすことになります。 次に、枠と電極とをエポキシ系接着剤で付けてから、ラグを付けます。 ラグは、信号入力用にもともとあったものに加え、剥離防止用として増設します。 ラグの数は、低域用ユニットで片面2個から18個 (ユニット一つ両面で36個) に、中高域用ユニットで片面11個から22個 (ユニット一つ両面で44個) にしています。 下の写真はラグ増設後のものです。 両方とも低域ユニットで、端と中央部分で、元々は全くラグの無かった部分です。 これでユニット枠にフィルムが貼れます。 木枠にフィルムを張り、適当なテンションをかけてから枠に接着します。ここで使用するのもエポキシ系接着剤です。 接着剤が固まったら枠の周囲を切り、導電剤を塗布します。 使用する導電剤は、スマホやタブレットに使用されている最新のポリマー系のものです。 この、導電剤の効果持続期間ですが、英文の説明では PERMANENT ですが、日本語では「半永久」と、異なっています。 次に中央三ヶ所の貫通部分のフィルムを切り取り、ユニット左右端と、中央三ヶ所の穴の周囲の導電剤を拭き取ります。左右の端はユニットを取り付ける金属アングルへの高圧のリークをなくすために必須ですが、中央の穴の部分は、ポリカーボネートのボルトナットを使用することもあり、理屈の上では拭き取る必要はありません。しかし、この部分は信号電極のプリントが無いので導電剤の意味が無く、オリジナルと同様に拭きとっています。 ユニットを貼り合わせます。 電気的には浮いていて問題ないものの、金属を使用するのは精神衛生上良くないので、周囲10ヶ所と中央3ヶ所をポリカーボネートのボルト・ナットで留めています。 周囲の穴はフィルムで塞がれていますので、ボルトを通すことでフィルムを破損することのないよう前処理をしておきます。 組み上げたユニットを本体に入れて仮接続をし、音出しテストをします。 このとき使用する本体は、テストベンチとして別に用意してある正常なものです。 聴感テストのほか、入力端子ごとの電圧を測定し、場合によっては、念のため周波数特性も測定します。 無響室ではない普通の部屋ですので正しい周波数特性はとれませんが、異常なピークやディップが判別できる可能性があるので実施しています。 音出しテストが済んだら、高圧回路の部品交換、保護回路外しなどを終えてある本来の本体に戻して仮接続で音出しテストをします。 この段階で問題が出ることはまずありませんが、ユニットに問題が無いことは判っていますので、仮に問題が出ても切り分けは容易です。 長時間と大音量の音出しテストを経て本組みをします。 この先はユニット配置替えの項をご覧ください。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-unit/quad-howto.html QUAD レストア方法 高圧発生回路 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-kouatu/quad-how-kouatu.html 高圧発生回路の基板は写真のように取り付けられています。 左上に写っているのがトランスです。 この回路は、ご覧のとおり8段のコッククロフト・ウォルトン回路から成り、入力側にバリスタを含む抵抗のブリッジ回路が、出力側にはネオン管発振回路が付けられています。 回路構成は同じですが、使用されているダイオード、コンデンサーは、製造時期によって異なっています。 この回路の部品は、製造時期が新しいほど品質が良いようですし、当然のことながら、劣化も製造時期に比例しているようです。 この回路が壊れてしまっていたケースには遭っていませんが、多かれ少なかれ能率が低下しているので、念のため、コンデンサーとダイオードを交換しています。 そして、入力側の抵抗のブリッジ回路を外し、出力側のネオン管発振回路をバイパスしています。 その理由は次のとおりです。 入力側のバリスタと抵抗のブリッジ回路は、サージ電流からの保護が主な的と考えられますが、部品劣化のリスクと、現代の商用電源の安定性に基づくサージ電流のリスクの少なさとを比較衡量したとき、この回路は不要と判断しました。 次にネオン管発振回路ですが、定電圧供給を目的として設けられていますが、前記と同様、現代の電源事情を考慮すると、ネオン菅とコンデンサーの寿命の方が心配ですので、これも不要と判断しました。 あと、私の考え方ですが、出来る限り回路は単純にしたいというのもあります。 なお、これらの改造は、ブリッジ回路以外では部品を外さずに行っていますので、(お勧めはしませんが)ご希望であれば容易に元に戻せます。 上は比較的新しいPRO-63の基板、下はかなり初期のESL-63の基板です。 これがダイオードとコンデンサー交換後のものです。 見づらいのですが、左端にあったブリッジ回路を外してあります。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-kouatu/quad-how-kouatu.html QUAD レストア方法 保護回路 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-hogo/quad-how-hogo.html 保護回路は二種類あります。 製造時期のある時点によって明確に新旧が変わるというのではなく、モデルによっても製造時期によっても、どちらを使用するかというルールは判りません。 この保護回路は、数種類のトランジスタとダイオード、ICなどで構成されていて、一つのタイプには40個ほどのダイオードが使用されています。 これまでレストアを手掛けたうち数台でこの保護回路が故障しており、過敏に働いてしまっていました。 どちらのタイプにしても修理には非常に手間とコストがかかります。 保護回路は、車で言えばアンティロックブレーキシステムとかトラクションコントロールシステムのようなもので、通常の使用状況であれば無くても問題ないと言えます。 また、最近ではアンプの方に保護回路があり、スピーカーの方には不要と思われます。 普通のダイナミック型のスピーカーであっても過大入力には気を付けるべきですし、普通の音量でしたら保護回路は不要です。 そこで、将来の故障リスクを軽減するためもあり、また、信号系に余分な回路を入れたくないので保護回路を外しています。 外し方は、配線を切断する方法を採りましたので、(お勧めはしませんが)必要であれば元に戻すことは容易です。 (これまで遭遇した保護回路が故障していたものは、保護回路が過敏に働くものだったので判りましたが、ほかにも、機能しなくなっている故障や機能する信号レベルが狂っている故障があった可能性もあります。 アンプの保護回路が働いてしまうためや、厳密な測定器による診断はしていないために、この類の故障は診断できませんでした。) この回路の動作は概ね次のとおりのようです。 過大入力があった場合の信号を電磁波として検知 (アンテナがあります) し、信号を切断もしくは弱くし、ディレイ回路で一定時間後に復帰させるというものです。 写真は二種類のうちの一方の保護回路の一部で、多くのダイオードが使用されている基板です。 写真の中央を上下に貫通している白い線がアンテナです。 上は検出回路の基板に繋がっていますが、下はご覧のとおりケースですのでどこにも繋がっていません。 左右に走る紅白の線から電磁波を検出しています。 保護回路の判り易い写真が現在はほかにないので、申し訳ありません。 何か良い写真を掲載するようにします。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-hogo/quad-how-hogo.html
QUAD レストア方法 信号遅延回路(ネットワーク) http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-delay/quad-how-delay.html
63系では、信号は7つの周波数帯域に分割され、それぞれが時間差をもってユニットに送られています。 中高域ユニットを見ると判るように、プリント基板が同心円状に作られています。 中心が最高音で、最も早く音が出て、それから外周に向かって順次遅れて音が出るようになっています。 つまり、音は(疑似)球面波となり、QUADの説明によれば、音源がスピーカーより30cm後方にあるように聞こえる、とのことです。
写真の左右に6個づつあるのがコイルで、中央紅白の線のうしろで見えづらくなっているのがコンデンサーです。 この左右のものが、それぞれ前後の信号電極に繋げられています。 この回路は、基本的にはコイルとコンデンサーで構成されており、故障に遭遇したのは一台だけで、まず故障はしないと思ってよいと思いますし、故障の可能性ははコンデンサーを想定しておけばいいと思います。 コイルが駄目になった場合は、巻き直しは非現実的ですので、他の個体から移植するしかないと思います。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-delay/quad-how-delay.html QUAD レストア方法 ユニット配置替え http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-haiti/quad-how-haiti.html
63系のユニットは、4つのユニットが、上から、低域用、中高域用、中高域用、低域用の配置となっており、中心から同心円状に、高域から低域へと順にディレイ回路を通った音が出るようになっています。 その設計意図としては、中心から上下左右対称に疑似的な球面波を出すことにあるようです。
しかし、この配置には二つの欠点があります。 一つは、音の出る中心が低すぎることです。 スピーカーの中心が床から52cmしかないため、床に座って聴く分にはいいのですが、通常の着座位置では低いのです。 そのため、スタンドが別売りされていますが、これを使用すると、ただでも不足していると言われる低音がますます不利になってしまいます。 二つ目の欠点は、低域ユニットの一つが最上部にあることです。 低域は、床の影響を強く受けますので、低域ユニットは床に近い方が有利です。 これらの欠点を改善するためユニット配置を変更し、中高域用二つを上に、低域用二つを下に移設しています。 これにより、音の中心がユニット一つ分19.5cm上がって自然な聴きやすい位置から聴こえるようになった上、低域も増強されます。 ちなみに、この中高域ユニットの高さの位置は、上位モデルである 2905と2912同じということになります。 音の出方として、上下対称ではなくなっていますが、聴感上、全く感知できませんし、不自然な感じもなく、全く問題ありません。 また、低域ユニットが上部にあると低音でスピーカーが揺すられる度合いが高まりますので、低域ユニットを下ろしたことで副次的な効果もあると思われます。 写真は配置替え後のものです。 右側に信号線を延長した様子が判ります。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-haiti/quad-how-haiti.html QUAD レストア方法 そ の 他 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-sonota/quad-how-sonota.html 防塵フィルム
写真のとおり、オリジナルではフロント、リアともに防塵フィルムが張られています。 このフィルムは枠に張られていて、枠ごと取り外せます。 このフィルムを付けた理由を推測すると、開発されたのが1960年代であり、当時の喫煙状況、ディーゼル排気ガスの状況、更には暖房用などの石炭の使用状況などを考慮すると、これらの微粒子が振動膜に付着するという問題があったのだろうと思います。 しかし、振動膜が空気を動かし、その空気が防塵フィルムを動かし、そして、その防塵フィルムが動かした空気を音として聴いている訳で、どうも隔靴掻痒の感が拭えず、精神衛生上好ましいとは言えません。 この防塵フィルムを外すと明らかに音の鮮度が上がります。 この防塵フィルムの汚れを見ると、(もちろん 使用環境に依存しますが ) 20年以上使用されたと思われるものでもわずかにグレーに見える程度に汚れているだけです。 現在の環境を考慮すると、振動膜に微粒子が付着して性能が劣化すると考えるのはいささか考え過ぎの感があるような気がします。 なお、STAX 、 MARTIN LOGAN 、 ACOUSTAT には、元々このような防塵フィルムはありません。 また、防塵フィルムどころか、パンチングメタルやグリルネットまで外して使用している人もいるそうです。 確かに、そこまでやればユニットの音をダイレクトに聴けてベストであるのは判りますが、美観・剛性・安全性に問題が出そうで、一般家庭では如何なものかと思います。 背面は音質には殆ど関係ないようですし、僅かでも遮蔽したいので、2020年3月まではフィルムはそのまま残していました。 現在は、下に追記したとおり、前後ともにフィルムは無くしています。 なお、枠は残して嵌め込んでありますので、お勧めはしませんが、再度フィルムを張ることは可能です。 2020/04/09 追記 不思議な事案に二件立て続けに遭遇しました。 一件目は防塵フィルムからのノイズです。 レストアが完成し、お送りしたことろ ジーーーッ という微かなノイズが出るとのことでした。 ノイズの音量が背面の方が大きいという何とも不思議なもので、トランスの鳴きまで疑いましたが、兎に角送っていただいて調べることに・・・ 後ろから息を吹きかけるとノイズが変化します ? ? ? ? 電源を入れたままフィルムを外していくとノイズが変化し、外し終わるとノイズは無し。 防塵フィルムが帯電してノイズが出ていると思い、帯電防止剤を塗布してみても、清掃してみても変化ありません。 帯電防止剤を塗布してもノイズが出るのは、帯電した静電気の逃げ場がないためではないのか、と推測しています。 手持ちの別のフィルムを嵌めてみるとノイズは出ませんので、これはこれで完了としました。 二件目は防塵フィルムのビビリです。 それほどの大音量でなくとも低音の( 特定の帯域 ? ) でビビリが出ていました。 最初は躯体のビビリなども含めて色々と調べましたが、結論としてフィルムから出ていました。 フィルムを見ても、厚み・材質ともにオリジナルのようで、何とも不思議な現象です。 前記のノイズのケースもあり、こちらの場合は、手持ちのものに交換することはせず、フィルムを外してしまいました。 原因究明は兎も角、かねてからの考えのとおり、今後は、リアの防塵フィルムもなしにすることにしました。 元々、防塵フィルムは不要と考え、フロントは外していました。 リアは音への影響も少ないだろうと思い残してきましたが、外すと低域の抜けが良くなるというご意見もあり、前後ともに外すことにしました。 入力端子
下の写真のとおり、モデルや製造時期によって色々なものが使われているようです。 PRO−63でも、比較的普通の形状のものもあれば、バナナプラグ専用のものもあります。 また、コネクターの形状も二種類あります。 左のものは、普通の形状ですが、上からはバナナプラグが入りません。 と書きましたが、2019年4月末に気付きました。 この端子は、上部の中央がプラグ(栓)になっていて、外すと三枚目の写真のようになり、バナナブラグが上から入ります。 つまり、このプラグは三枚目の写真のものと同じで、三枚目の写真の端子は、栓が無くなっているものでした。 こちらはバナナプラグ専用の端子です。これは作りが悪く、破損しているものが多く見受けられます。 ESL−63ではコネクターは設けられていません。 このタイプの端子ですと、上からバナナプラグが挿せますので、破損がなければ交換はしていません。 最初の写真の説明で追記したとおり、栓が無くなっていますが、支障はありません。 交換後の端子です。 バナナプラグにも対応した一般的なものを使用しています。 電源スイッチ シーソー型のものが使われていますが、動きがかなり渋くなっているものが多く、接触不良や破損のリスクがありますので、分解掃除をしています。 脚 オリジナルのものは、樹脂の筒を輪切りにしたようなものを本体に留め、それに蓋をしたような脚が使われています。 蓋がなくなっていたり、脚そのものが無くなっといるものが多く見受けられます。 同じような構造のものは手に入らないので、樹脂製のモールドタイプの同じような寸法のものを付けています。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-sonota/quad-how-sonota.html QUAD レストア費用 ・ 保証 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-howmuch.html ユニット 一枚8000円 一組二台 8枚で計64000円、 12枚のモデルでは96000円
高圧発生回路関係 コンデンサーとダイオードを交換 コンデンサー14個、ダイオード8個で、一台5000円、一組二台10000円
ユニットと高圧発生回路の無償修理保証期間は三年です。 無償修理保証期間経過後は、ユニット一枚5000円、高圧発生回路は一台2000円で有償修理いたします。
本体分解費用・・・一台3000円 一組二台6000円 ESL-988 と ESL-989 に限り、一台6000円 一組二台12000円です。
以下はオプションです。
ユニット配置替え 音の出る位置が自然になりますし、低域も改善しますのでご好評です。 一組二台で4000円 ターミナル交換 製造時期やモデルによって色々なものが使用されているので一概に必要性は言えませんが、ご希望があれば一組二台で2000円 脚取付け オリジナルのものが無くなっているものが多く見受けられます。 シリコンゴムのものをネジ止めします。一組二台で1000円 電源SWオーバーホール 動きが渋くなって接触不良のリスクが高いものが多いです。 一組二台で1000円 保護回路切断 一組二台1000円 信号遅延回路(ネットワーク) 故障の可能性は殆どありませんが、コンデンサー交換の必要がある場合は一台5000円 防塵フィルム外し フィルムを外すのはお勧めですし、無料です。 防塵フィルムを外すと音の鮮度が上がりますし、フイルムからのノイズ発生やフィルムのビビリ発生の懸念がなくなります。 その他のものは一般的ではないので、その都度ご相談させていただきます。 保証は全て三年間です。 保証書をお渡しします。 保証は保証書をなくされても有効です。 商売のための転売を防止するため、当方の承認なく譲渡された場合は保証の対象ではなくなります。 愛好家のためのレストアいう趣旨をご理解いただき、ご了承をお願いします。 運搬費用は、全ての場合でご依頼者のご負担といたします。 方法は、大きく分けて、本体全部を送っていただく方法と、必要な部分だけを送っていただく方法とがあります。
本体全部を送っていただく方法としては次に挙げるような方法があります。 ・ 片道100km程度まででしたら、高速道路代とガソリン代実費の半額程度で引取り、引渡しにも伺います(ユニットが片ch四枚までのものに限ります。) ・ 梱包して宅配便(佐川急便 ラージサイズなど)で送っていただく方法ですが、自転車屋さんで、自転車用のダンボール箱を利用すると比較的楽に梱包できます。 自転車用の箱には、厚みが20cmと丁度良いものがありますので、それを二つ使うと一組の63を梱包できます。 緩衝材は殆ど必要なく、汚れ防止にプチプチを一重に巻く程度で十分です。 ・ 当方手持ちの元箱をお貸しする方法。 送料が二往復分かかってしまいますが、梱包の手間はかなり減らせます。 サイズは一個が220あります。 ・ 車で直接持ち込まれる方法。 容積的に積める車であれば積載方法は難しく考える必要はありません。 落としたりしてベースの樹脂が割れる事故が最も怖く、その意味では、宅配便の方がリスクが高いと言えます。 可動部分の質量は無い等しいくらいですので、ユニット自体は、振動や衝撃には極めて強いです。 私は、ハッチバック普通車に寝かせて積載しています。 ・ 赤帽を使う方法。 手間としては最も楽ですが、費用がかなりかかります。 とはいっても、高い引越便よりは安く済むようです。 次に、必要な部分だけ、つまり、ユニットだけとか高圧回路だけとかをお送りいただく方法です。 場合によっては、当面の措置として、ノイズの出ているユニットだけ修理する、ということも可能です (残りのユニットもいずれはノイズが出ますので、その都度対応するのは送料も結局高くつきますし、正直、あまりお勧めはしませんが・・・) ユニットや高圧発生回路を外す方法は文書でお渡しします。 普通にドライバーが使え、半田付けができる方でしたらそれほど難しい作業ではありませんのでご相談ください。 そのほか、ご不明の点は遠慮なくご質問ください。 http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-howmuch.html
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