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中国政府、香港を共産化、容疑不明の逮捕続出…中国進出の日本企業社員、突然の逮捕に警戒
https://biz-journal.jp/2020/08/post_173272.html
2020.08.11 18:20 文=編集部 Business Journal
『周庭 Agnes Chow(@chowtingagnes) • Instagram写真と動画』より
“民主の女神”と呼ばれる香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)さんが8月10日に香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕された。一方で、警察当局は国安法のどの部分に違反したのかを明らかにしていない。中国共産党と香港当局の非常に恣意的な捜査に、日本では抗議の声が広がっている。普段はネット上で論戦を繰り広げている保守派の論客から日本共産党の国会議員に至るまでTwitter上への投稿は続いていて、11日正午までに、ハッシュタグ「#FreeAgnes」「#周庭氏の逮捕に抗議する」が「日本のトレンド」入りを果たした。
香港の民主化運動“雨傘運動”をともに支え、現在は英国に拠点を移して活動を続ける羅冠聰(ネイサン・ロウ)さんは10日、以下のようにTwitterに投稿した。
「【拡散希望】アグネスは一緒に闘ってきた友人の一人です。独裁政権である中国共産党(CCP)は国安法違反「国家分裂」の容疑で23歳の女性を逮捕。彼女は無罪だが、無期刑を受ける可能性がある。日本の皆様のサポートが必要です。」
【拡散希望】アグネスは一緒に闘ってきた友人の一人です。独裁政権である中国共産党(CCP)は国安法違反「国家分裂」の容疑で23歳の女性を逮捕。彼女は無罪だが、無期刑を受ける可能性がある。
— Nathan Law 羅冠聰 😷 (@nathanlawkc) August 10, 2020
日本の皆様のサポートが必要です。 pic.twitter.com/hypedrsMVF
周庭氏逮捕の報に触れ、日本共産党書記局長の小池晃氏は次のように自身の公式Twitterアカウントで反応した。
「これは重大な人権問題であり、したがって国際問題。『懸念の表明』にとどまらず、中国政府に断固抗議し、弾圧の即時中止を要求すべきではないか」
一方、保守派の論客として知られる作家・ジャーナリストの門田隆将氏も以下のように呼びかけた。
「中国進出をやめない財界人に問いたい。カナダ人が2日連続死刑判決を受け、蘋果日報の黎智英氏に続き周庭氏も逮捕。日本と事が起これば必ず日本企業の社員が逮捕される。それが中国。社員の命より業績が大事か。そこまで弾圧国家の力になりたいか。いま貴方が胸に問う時、と。」
また“ヒゲの隊長”で知られる自民党国防議連事務局長の佐藤正久氏(参議院議員、全国比例)も以下のように投稿した。
「【両手を後ろで縛られて連行される様子、香港が香港で無くなる象徴的な映像→ 香港の民主活動家・周庭氏が逮捕 国安法違反の容疑 】先のメディア王の逮捕もそうだが、中国本土と香港の差は無くなった感ポンペオ国務長官同様、日本政府も声を上げるべき。外務省に働きかける」
同日には、中国に批判的な論調で知られる「蘋果日報(ひんかにっぽう/アップル・デイリー)」の創業者の黎智英氏も逮捕された。蘋果日報インターネット版では、黎氏の逮捕と時を同じくして行われた同社への家宅捜索の模様を詳述した。一連の報道では、編集局のパソコンやデータベースの接収や、社員に対する捜査員による“面接”が行われたことを動画や画像などとあわせて伝えている。香港市の法律では、明確な容疑なく、報道機関の通常運営を妨害する捜査は禁じられている。香港当局は黎氏の金の流れを調べるという名目で同社本体への捜査を強行したようだ。
■逮捕の背景には米厚生長官の訪台か
なぜ中国共産党政府はこのタイミングで、国際的な反発を招く行為に舵を切ったのか。 日本の外務省OBは次のように話す。
「間違いなく、アザー米厚生長官が10日、台北市内の総統府で蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談したことがトリガーでしょう。米閣僚の台湾訪問は6年ぶりです。米台が1979年に断交した後では、最高位の米高官の訪問です。
これに対して、中国外務省の趙立堅副報道局長は10日の記者会見で『中国は一貫して米台の公的な往来に断固反対している』と述べ、米側に抗議しました。私が驚いたのは、この中国共産党政府のコメントです。同政府は『一つの中国』の原則のもとに、『米国政府の台湾に対するあらゆる干渉に断固拒否する』姿勢を長年、貫いてきました。それは世界中の誰もが知っていることです。
ところが昨日のコメントでは『一貫して米国高官の訪台に反対している』と米国政府高官の訪台に限定しています。さらに『公的な往来に』という制限付きです。外交的に言えば、『非公式な訪台なら黙認する』というメッセージだと取ることもできます。
日本政府や米国政府の情報分析担当がどのようにこの発言を解釈したのかはわかりませんが、米国を中心とした対中圧力に対し、台湾に関しては姿勢を軟化し始めたと取ることができるのかもしれません。
一方で、香港は中国共産党が建国以来掲げる『欧米列強の帝国主義を打破』という成果を具体的に示す重要な領土です。『英国の植民地だった香港を取り戻した』というストーリーは中国共産党政府にとって、1文字も変えることのできないものです。
中国共産党政府が死守しなければならない『一つの中国』という概念の中で、中台関係と香港の民主化運動は切っても切り離せない関係にあります。その中で、『何かアクションを起こせば、即座に米中全面戦争に発展する可能性の高い台湾方面では一歩引きつつ、香港の実効支配に対する強い意志を示したということではないでしょうか。
だからこそ、このタイミングで『絶対に香港は手放さない』という意志を内外に示すために、周庭さんや蘋果日報への家宅捜索を実施したのではないでしょうか」
■それでも蘋果日報は「報道の自由を守る」
一連の事態を受け、蘋果日報は11日、記事『【壹傳媒聲明】堅守崗位,撐到底!』を配信。この情勢で、全世界のメディア関係者へのメッセージともとれる決意表明をしている。
「報道機関への不当な捜査は、文明社会では容認されない『言論・報道の自由』に深刻な影響を与える行為です。中国政府や香港当局はこうした迷惑行為と脅迫によって、私たちを沈黙させることができると考えていて、世界有数の国際都市である香港を、第三世界の全体主義社会のレベルに追いやろうとしています。
香港の報道の自由は崖っぷちに追いやられているのです。この危機的状況に直面しても『アップルデイリー』の社員同僚たちは、取材、記事出稿を堅守して実行し、報道の自由を守ります。
弊社、張建紅社長の言葉です。『アップルは続けなければならない』」
(文=編集部)
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