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「『原発をやめるのは簡単じゃない』枝野氏に聞く」 (西日本新聞 2021/2/14)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/692686/
2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく10年を迎える。立憲民主党の枝野幸男代表(56)は当時、菅直人政権の官房長官として危機対応に当たった。原発政策、行政のあり方…。未曽有の災害と政府の中枢で対峙(たいじ)した経験は現在、野党第1党の党首となった自身の考え方や政治姿勢にどう影響しているのか。枝野氏に単独インタビューした。(聞き手は川口安子)
◆「小さな政府」の誤り
《枝野氏は震災直後に官邸で危機対応を指揮するとともに、政府のスポークスマンとして1日に何度も記者会見し、国民に説明する役割を担った》
−当時を今、どう振り返りますか。
「被災者の皆さんも同じように答える気がするんですが、振り返る話じゃないんですよね。昔のことを振り返るみたいな意識はまったくない。11年3月11日から今まで現在進行形、という意識です」
−震災は、ご自身の考え方にどのような影響を及ぼしましたか。
「考え方が変わったわけじゃないけど、確信を深めたことはあります。(行政のスリム化を追求する)『小さな政府』、競争万能主義みたいなところは違うよね、と」
「例えば、平成の大合併が明らかに失敗だということに気づきました。(05年に1市6町が合併した)宮城県石巻市の場合、(中心部から離れた)旧雄勝(おがつ)町は明らかに市役所の本庁から見え方が遠かった。逆に合併していなかった小さな町や村は独立した基礎自治体という単位があることで、情報が集まりやすく、中央のわれわれも対応しやすかった。
当時はまだ、役所は小さいほど良いという空気が世の中を覆っていました。行き過ぎた行政の効率化は間違いだ、変えないとまずいという確信を持ちましたね」
−小さな政府は、バブル経済崩壊後、日本が下り坂にある中で生き残りを図るために採られた方策だったのではないですか。
「そこは僕は違うと思いますよ。逆に下り坂だと気づいていなかったからやっちゃったんですよ。高度経済成長期の延長線上にあると思っていたから、新自由主義的なことをやれば効率化され、経済が良くなっていく。合併すれば、財政力が大きくなって旧町村も発展するに違いないと。でも、こうした昭和の発想のままではまずいということが、震災で顕在化したんだと思います」
−小さな政府の問題は、10年後のコロナ禍でも医療人材の不足などの要因となっていると。
「そうです。だからこの10年間、残念ながら前に進んでいなかったということが今顕在化していると思います」
◆「この国どうなるんだ」
−政府の中枢で原発事故を経験したことで、ご自身の原発に対する考え方に変化はありましたか。
「あれがなければ、たぶん原子力政策に僕はコミット(関与)していなかったと思います。つまり、あの時点までは『原発は安全だ』と世の中全体で言われていたので、私も『まあ、安全なんだろう』と思っていた一人でした。でも全然違うじゃない、と」
「原子力は止まらない。ある段階を超えると人の手ではどうにもならない。あのとき感じたのは『恐怖』ですから。個人的な恐怖じゃなく『この国どうなるんだ』っていう恐怖です」
−それまでは安全だと思っていたのに?
「いや、安全だということ自体も主体的に判断していたわけではない。政治的イシュー(課題)ではなかったということですよ」
◆苦渋の大飯原発再稼働
《枝野氏は官房長官退任後、野田佳彦政権で経済産業相に就任。原子力政策の指揮を執る立場になった。在任中、12年7月に関西電力大飯原発(福井県)を再稼働させた》
−大飯原発の再稼働はどういう理由で判断されたのですか。
「あのときは本当に電力供給が不足するかもしれないという、これまた恐怖ですから。関西圏でブラックアウト(全域停電)が起きれば、医療現場では人命に関わる。原発を使えば少なくともそのリスクは大幅に下がることが分かっているわけです。再稼働すれば、発生確率は低いが万が一の事故が起こった時のリスクが大きい。二つのリスクを比較、考慮しなければならなかった」
−大飯再稼働は苦渋の決断だったと。
「もちろんです。政治の決断ってほとんど苦渋の決断ですから」
◆「無責任なことは言わない」
−今後、原子力政策をどう進めるべきだとお考えですか。
「原発の使用済み核燃料の行き先を決めないことには、少なくとも原子力発電をやめると宣言することはできません。使用済み核燃料は、ごみではない約束で預かってもらっているものです。再利用する資源として預かってもらっているから、やめたとなったらその瞬間にごみになってしまう。この約束を破ってしまったら、政府が信用されなくなります。ごみの行き先を決めないと、やめるとは言えない。でも、どこも引き受けてくれないからすぐには決められない。原発をやめるということは簡単なことじゃない」
−立憲民主党は綱領に一日も早い「原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会」の実現を掲げています。
「使用済み核燃料の話は、政権を取ったとしてもたぶん5年、10年、水面下でいろんな努力をしない限り無理です。だから政権の座に就いたら急に(原発ゼロを実現)できるとか、そんなのはありえない」
−原発やエネルギーに関する現政権の方向性をどう評価しますか。
「(菅義偉首相が掲げる2050年までのカーボンニュートラル実現は)当たり前の話ですが、原発を活用して実現するのと原発に依存しないのとでは全然意味が違います。菅首相はそこをはっきりさせないので、原発を使いたい目的で言っていると受け取られても仕方がありません」
−立憲民主党としては、カーボンニュートラルを原発を使わずに実現すべきだと。政権を取った時の道筋をどう示しますか。
「皆さん道筋を示せと言うが、道筋を示すのは無責任だと思います。つまり使用済み核燃料の話もあるし、原油価格がどうなるかも分からない。カーボンニュートラルには技術革新も必要で、何年やったらできますなんて無責任なことは言えない」
−では、野党として責任を持って言えるのは。
「方向性です。原発に依存しないでカーボンニュートラルを進めていくという方向性は言えるけど、その道筋を言うのは無責任です」
「無責任なことは言わない。それが多分、私と今までの野党のリーダーとの決定的な違いだと思います。分からないことは分からないと堂々と言う」
◆震災後も「昭和」の日本政治
−震災から10年、日本の政治はどう変わったと感じますか。
「変わっていない。先ほども触れたとおり、まさに『昭和』なんです。バブルがあり、バブル崩壊があり、リーマン・ショックがあり、大震災があっても昭和なんですよ。変わっていないと思います。その典型が、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言を巡る問題です」
−40代という若さで震災対応を指揮する経験をしたのは、政治家として「強み」なのでは。「今でも昭和」とおっしゃる日本の政治をどう変えていきますか。
「強みというか、責任ですよね。もともと僕、リアリスト(現実主義者)なんですよ。官房長官になる前からリアリストだったけど、ますます徹底することになりましたね。なおかつ、あの経験をしているのは私しかいないわけなので。たぶん、生かさなければならない社会的責任があるんだろうな、と思います」
-------(引用ここまで)--------------------------------
野党のトップがこんなことを言っているようでは絶望的ですね。
原発の使用済み核燃料の行き先が決まらないと、原子力をやめられないというのは詭弁です。
行き先が決まらないからこそ、原発を停止しなければならないのです。
すでに核燃サイクルは破綻しているのですから、使用済み核燃料を再処理する意味はありません。
原子力を続けようが止めようが、使用済み核燃料はゴミです。
原発をやめるということは簡単じゃない、というのも大嘘です。
2013年9月から2年近くに渡って国内のすべての原発が止まりましたが、
誰かさんが叫んでいるように江戸時代に戻ることもなく、全く問題はありませんでした。
まず原子力を止め、火力を小水力を含めた再生可能エネルギーに
順次変えていけばよいだけの話です。
すでに再生可能エネルギーが電力需要の半分以上をまかなっている国はいくつもあります。
やる気がないだけですね。
かつてこの人は、「ただちに影響はありません」と言ってひんしゅくを買いましたが、
その「ただちに」が終わって、心臓病、脳卒中、がん、白血病などで、おびただしい数の人が
亡くなっています。
火葬場は2週間待ちも珍しくありません。
こんな筋の通らないたわ言を並べている間に、また大地震・大津波が来て、原発が大爆発し、
きのこ雲が上がるでしょう。
そして日本は今度こそ壊滅するでしょう。
バカは死ななきゃ治らない、というのは本当ですね。
(関連情報)
「元民主党閣僚の1F視察ビフォア&アフター 老化・劣化がひどい 被ばくの影響は明らか」
(拙稿 2016/6/13)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/831.html
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