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ロシア軍「プーチンの戦争」に嫌気で自暴自棄か…誤爆、命令違反、寝返り相次ぎ大混乱
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/303325
2022/04/01 日刊ゲンダイ
いつまで持つか(ロシア軍戦車の車列) (C)ロイター/ロシア国防省
軍事侵攻が6週目に突入し、ロシア軍が“自暴自棄”に陥っている。停戦交渉は1日、オンライン形式で再開するが、即時停戦は期待できない。最大19万人といわれるロシア兵がウクライナ国境に集結させられてから約5カ月。攻撃を続ければ続けるほど、前線の兵士は「プーチンの戦争」にますます嫌気が差してくるのではないか。
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3月29日にトルコのイスタンブールで行われた対面形式の交渉で、ロシア側は「攻撃縮小」を発表したものの、ウクライナの首都キーウなどへの攻撃はやむ気配がない。一方、ロシア軍の“ほころび”が次々と指摘されている。
英国の情報機関である政府通信本部のフレミング長官は3月31日、ロシア軍が自軍の航空機を誤って撃墜したと公表。ロシア兵の一部が命令に背いたり、自分の装備を破壊したりしているという。元陸自レンジャー隊員の井筒高雄氏がこう指摘する。
「額面通りに受け取るのは難しいですが、ウクライナに展開するロシア軍部隊の司令官20人のうち7人が死亡したとの情報を踏まえると、指揮命令系統はかなり混乱していると思われます。最前線の兵士は、自分たちの判断で動かず、上から言われた通りに動くことを叩きこまれているはず。それが徹底できないのは裏を返せば、末端が自分たちで考えて動かないといけないほど、組織が壊滅的だからでしょう。結局、戦況の良し悪しは最前線の兵士ならよく分かるので、自暴自棄や『コントロール不能』に陥っていても不思議ではありません」
前線だけでなく、クレムリンも迷走中だ。米ホワイトハウスや米国防総省によれば、プーチン大統領は軍事侵攻での苦戦について、軍幹部から正確な情報を知らされていない可能性があるという。側近すらも近づけさせなくなったプーチン大統領に、幹部が怯えて真実を話せない「恐怖のドツボ」にはまっているようだ。
プーチン大統領すら戦況をよく分かっていないフシがあるのに、現場の兵士の士気が高まるはずがない。訳も分からず前線に送られ命を落とすくらいなら、「プーチンを相手に戦った方がまだマシ」と思っているのではないか。ウクライナのゼレンスキー大統領が明かしたように、「(ロシア兵の)遺体は埋葬さえされず、路上に置き去りにされている」のであれば、なおさらだ。
実際、ウクライナ軍に投降したロシア兵の一部は、プーチン大統領に反旗を翻した。ウクライナ国防省によると、投降したロシア兵100人以上が「自由ロシア軍団」を結成、ウクライナのために戦うことを志願。チェチェン共和国のカディロフ首長率いる私兵部隊「カディロフツィ」を相手に戦うという。
ウクライナは“投降の手順”を図示
敵を味方に(ウクライナ首都キーフで、「ウクライナ侵攻に反対する」と涙で会見する投降したロシア軍兵士) (C)Lafargue Raphael/ABACA/共同通信イメージズ
ロシア軍はもはや、情報隠蔽や命令違反、寝返りなど何でもアリ。その隙を狙ってか、ウクライナの弁護士会はネット上でロシア兵に“投降の方法”を図示。@武器を下ろすA手を上げるB「投降する」と叫ぶC投降の“合言葉”として「ミリオン(100万)」と叫ぶ──と説明している。投降した兵士にはカネを与え、家族などへ安否確認の電話をさせるという。
「ちゃんと捕虜として扱われることが前提ですが、投降の“誘い水”にはなります。とはいえ、なるべく捕虜にはなりたくないでしょうから、軍服を脱いで民間人に紛れる兵士もいるでしょう」(井筒高雄氏)
投降したロシア兵の中には1万ドル(約124万円)とウクライナの市民権を申請する権利を与えられた者もいる。これから先、「プーチン戦争」に付き合いきれない兵士が続出することになるのか。
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