世の中には色々なものの見方があるようです。********************************************* ジム・ロジャーズ氏: ウクライナ危機でドルは暴落する 2022年3月14日 https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21358 ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを設立したことで有名なジム・ロジャーズ氏がStansberry Researchのインタビューでウクライナ情勢とドル相場について語っている。 ロシアのウクライナ侵攻 ウクライナ侵攻後、意見を表明している著名投資家は多くない。 あらゆる人が感情的になり、西側でも同調圧力という名の情報統制が行われているのだから、誰もメディアに顔を出して喋りたくはないだろう。 そんな中でも躊躇わずに意見を言い続ける投資家がいる。 ロジャーズ氏である。 彼はロシアの侵攻前から主張していた意見をそのまま主張している。 戦争は何にとっても良いことにはならない。 ウクライナ危機は2014年にアメリカの国務省がウクライナでクーデターを引き起こし、選挙で選ばれたウクライナの政治家を追い出した。 今われわれはその代償を払っている。 また、NATOはロシアの隣国ウクライナまで勢力を拡大してきた。 この状況は完全な狂気だ。 この戦争は起きる必要がなかった。誰の利益にもならないことをしている。 日本を含む西側のメディアではロシアのウクライナ侵攻は突然起きたような報道になっているが、元々の原因は2014年にアメリカが支援したウクライナのクーデターで当時の親ロシア政権が暴力デモによって追放されたことである。 それはベルリンの壁崩壊以降、東側に勢力拡大しないという約束を破って行われたNATOの勢力拡大の最終局面として行われた。 ウクライナはロシアと国境を接しており、しかもモスクワまでミサイルを打ちやすい位置にあるからである。 ジム・ロジャーズ氏: 米国のウクライナ支援はロシアが米国直下のメキシコの反米を煽るようなもの 誰のための戦争か ロジャーズ氏はこの誰の利益にもならない戦争が誰の利益のために行われたのかを語っている。 だがある官僚にとっては利益になるのかもしれない。 彼女の名前はビクトリア・ヌーランドで、彼女は2014年のウクライナのクーデターを引き起こし、彼女の行為のためにわれわれは大きな代償を支払っている。 ヌーランド氏はアメリカの外交官で、2014年のウクライナのクーデターの後に新しい政権に誰が就くべきかを話し合っている会話をリークされニュースになった。 つまり、ウクライナの現政権はアメリカの傀儡だということである。 ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから これは当然ウクライナ国民にとっては悲劇なのだが、ロジャーズ氏によればアメリカの政治家は戦争を引き起こすことでアメリカにも危害を加えている。 アメリカはロシアに対して制裁を加えた。 それは世界の貿易で幅広く使われているドルという通貨の使用権をアメリカが決めることが出来るからである。 しかしロジャーズ氏によれば、ドルを武器として使い始めたことで元々危ぶまれていたドルの命運が尽きたという。彼は次のように言う。 これはドルの終焉を意味している。 何故ならば、国際的な通貨であるためにはドルは中立でなければならないが、米国政府はそのルールを変えようとしているからだ。 もしアメリカが誰かを気に入らなければ、制裁を加えてドルを使えなくする。 これは西側メディアの偏向報道に惑わされず、ウクライナにおけるアメリカの行動に疑問を持つ人々にとってはかなり現実的な黄色信号となっている。 ドルを持つということは、アメリカに資産を預けるということだからである。 ひっそりと進むドル離れの動き ロシアや中国がドルからの離脱を考えるのは当たり前の話だが、その他にも同じように考えている人々は日本人の思うほど少なくない。 以下の記事に書いたようにアメリカの共和党の議員がこの問題におけるNATOの責任を指摘しようとしてペンス元副大統領に黙らされているくらいだから、むしろ西洋の政治家の危険性を認識していないのは日本人くらいなのではないか。 欧米諸国を席巻する反ロシア同調圧力 そういう事情を分かっている人々は当然ながらドルを持つことを躊躇し始める。 そしてアメリカと距離を置く行動はドルだけではなく、西側の株式市場や西洋の政治観・文化などにも波及する。 ドルだけではない西側への疑問 筆者が現状一番危険に思っているのは、西側諸国に上場するロシア関連の証券が取引停止になったこと、そしてFacebookやYoutube、EUなどがロシアメディアを遮断したことである。 前者は投資家にとって大問題である。 西側のシステムを通して投資をしていると、西側の政治的利害のために資産を遮断されたり、最悪奪われたりする可能性がある。 また西側のロシアメディア遮断については、筆者は世界中のあらゆるメディアを読んでいるが、西側がアゾフ連隊などウクライナに不利な情報を一切報じない一方で、西側に遮断されたロシアのSputnikなどはウクライナ情勢に関してプーチン氏にとって不利な反戦デモのことなども報じていた。 アゾフ連隊: ウクライナ国家親衛隊に実際に存在するネオナチの暴力集団 日本や西洋の人々はロシアや中国は情報統制されていて自分たちは報道の自由を享受していると思い込んでいるが、実際に両方のメディアの記事を読んでいるとむしろ逆であることが分かる。 ロシアや中国で西側メディアの情報を完全にシャットアウトすることは難しいが、ロシアの主張は西側にはまったく入ってこない。 だがやはりこうした脱西側の流れで一番ダメージが大きいのはドルからの離脱だろう。ロジャーズ氏はこう続ける。 制裁はアメリカを害している。 今や多くの人がドルの代わりになるものを探し求めている。 中国人、ロシア人、インド人、ブラジル人、イラン人…彼らは出来るだけ早く米国ドルの代わりになるものを作ろうとしている。 アメリカは毎日自分の足を撃ち続けている。 ドルはもうすぐ基軸通貨ではなくなるだろう。 それはアメリカにとって良いことではない。 イギリスにとって良いことではなかったように。彼らの通貨はかつて基軸通貨だったが、そのステータスを失った。 そして多くのものを失った。 ドルをこれまで支えていたもの 経済学上の大きなテーマの1つは、アメリカが大量に紙幣印刷し貿易赤字と財政赤字を抱えているにもかかわらず、何故ドルが暴落していないのかということである。 その答えはまずドルが基軸通貨であることである。 基軸通貨であれば貿易で決済を行うためにドルが必要なので、ドルを買おうとする人々は世界中から現れる。 それが本来暴落すべきドルを支えていたのである。 だがレイ・ダリオ氏などが研究していたように、基軸通貨を持った国は基軸通貨の上にあぐらをかくようになる。 どれだけ紙幣を印刷しても問題は起きないという幻覚を見るのである。 歴史上その幻覚は覇権国家の末期にいつも現れるが、名前は異なっている。 今回、その幻覚の名前はMMT(現代貨幣理論)と言うらしい。 この宗教の信者の合言葉は「インフレが来るまで紙幣を印刷し続けられる」だったが、いや、ある意味ではそれは正しかったのかもしれない。 インフレが来たからである。 2月の米国インフレ率は7.9%、今後更なる物価高騰へ しかしインフレは覇権国家崩壊の第1段階に過ぎない。ダリオ氏が研究したように、第2段階は通貨暴落である。 世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか 世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨 結論 このウクライナ危機をきっかけとして進むドル離れは、インフレで元々危ぶまれていたドルの地位を暴落させてしまうだろう。 投資家にとって重要なのはタイミングだが、タイミングについては以下の記事で書いているのでそちらを参考にしてもらいたい。 2022年ドル円の推移予想: インフレによるドル高は持続せずドル円暴落へ また、西側の政治家にコントロールされた決済システムを避けるために思いつくものはまず暗号通貨で、ポール・チューダー・ジョーンズ氏などはこの状況で暗号通貨を買っている。 チューダー・ジョーンズ氏、インフレヘッジで暗号通貨を買い増し しかしロジャーズ氏はそれについては否定的のようである。 ジム・ロジャーズ氏: 仮想通貨の価値はゼロになる ********************************************** 2022-03-13 BRICS、金本位による反ドル同盟結成か? 〜金貸し世界(欧米日)は、少数派に転落〜 http://www.kanekashi.com/blog/2022/03/9501.html ロシアのウクライナ侵攻から、ロシアを封じ込めているかのような報道がなされているが、実態は逆。 追従している国は欧米+日韓くらいで、世界で見ると少数派。 中国・インド・ブラジルというBRICSは全て、制裁に加わっていない。 世界経済は、中露側と米欧側に分裂している。 石油・ガス・金属・レアメタルなど資源の多くは中露側が持っている。 世界最大の人口大国・消費地帯である中国・インド・ブラジルも中露側。 欧米はすでに少数派に転落した。 ★中露側は、実物経済+金本位制に動いている。 ・ロシア金兌換通貨発行への動き。 ロシアは世界有数の金産出国でもある。 ロシア政府は、国内での金取引に付加価値税をかけるのをやめた。 金地金を通貨とみなし、資産を外貨で貯められなくなった国民に、金地金で貯めるよう政府が奨励している。 ・中国はリーマンショック後、金本位制に動いている。 14年上海金市場開設、15年ロンドン金市場に参入。官民あわせて現在2.5万トンの保有と推計される。 ・中国、インドという金を多く持つ国、そして南アフリカという生産国までもが、国連のロシア侵略決議を棄権しているのは意味があるはず。 ・・・既に何らかのネットワーク、反ドル同盟結成が結成されていると思われる。 ロシアの侵攻前に結成、その上での侵攻と考えるべき。 ★欧米はフェイクマネーが崩壊して敗北していく。 ・欧米の最大の強みはマネーの力。 債券金融システムが生む巨額のマネー経済。 しかし、バブルは崩壊寸前。 FRBがインフレ対策として、QEを停止し利上げに入ると、必然的にバブルは崩壊する。 米欧側は最大の強みを喪失し、生活必需品である石油ガス鉱物を中露側に握られ、インフレと不況と内政混乱で経済破綻していく近未来が見える。 ※金の裏付けのある中露の通貨と、金の裏付けのない通貨、どちらに信用ができ世界のお金が集まるか?しばらく、中露側も経済▼は続くだろうが、資源と実体経済があるので米欧を凌いでいく。 そして、欧米と切り離されたことで、債券バブル崩壊の影響も小さくなる。 ※日本はどうなるのか?資源高→貿易赤字△→円安の悪循環に陥っていく。 そして巨額の国債バブルの存在。 円はドルの従属通貨のままインフレ・円安の中に沈んでいくのか? それとも従米を演出しながら、中露追従に転換するか?推測だが、経済界の気持ちは既に中露に向いている、学者・マスコミ・官僚の頭が切り替わるか? ★追求課題 ・ウクライナ戦の意味。 制覇力が資力ではなくなった。 騙し観念もマスコミの洗脳力も世界には通用しない。 ・欧米市場(株・通貨・金利・国債価格)はこれから大暴落か?中露が仕掛けるか? ・各国通貨の裏付けとは?ロシアルーブルは資源通貨。 ドル・円はどうなる? ・日本人のアメリカ・西洋信仰はどうなるのか?このままいくのか、特にマスコミ・学者の酷さ。
|