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※2022年3月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年3月14日 日刊ゲンダイ2面
【だとしたら、この戦争の結果は恐ろしいものになる】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 14, 2022
歴史家が指摘した プーチンとスターリン ヒトラーの類似性
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/wdVXMgMUwr
※文字起こし
戦況が思うようにいかないことでブチキレたのか。ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が内部粛清を始めたという見方が出てきた。
情報・治安機関のロシア連邦保安局(FSB)の対外諜報部門トップらが自宅軟禁処分になったと、隣国ラトビアに拠点を置く独立系ニュースサイトなどが報じた。容疑は着服のほか、ウクライナの政治状況に関する誤った情報を報告したことが挙げられているという。
ウクライナ政府によれば、ロシア軍の将官数人が解任されたとの情報もある。戦況の膠着状態が続けば、粛清は今後も続く可能性がある。
目的のためには手段を選ばず、気に入らない者は粛清し、狂った暴走を続ける独裁者──。プーチンの所業は、ソ連時代の最高指導者スターリンによる「大粛清」をいやでも思い起こさせるものだ。
スターリンが粛清した合計人数は、一説には1000万人規模ともいわれている。
ゴルバチョフ時代にKGBは、1930年からスターリンが死去した1953年までの間に「78万6098人が反革命罪で処刑された」ことを認めたが、粛清の総数は今も不明だ。
弾圧は政敵や反対派にとどまらず、一般大衆、さらにはスターリンに忠実だった部下にまで及んだ。
歴史作家の保阪正康氏は、9日付の日刊ゲンダイ連載でこう指摘している。
<プーチンがスターリンと同じような手法で、歴史を変えようとしていることは明白だ。この手法は極めて単純で、目的のためには手段を選ばないという一点である。軍事侵攻、裏取引、敵の敵は味方、虚言などいくつかの具体的な形はすでに史実として歴史の中に刻印されている。手法が同じという意味には、それが共産主義者だからという理由なのか、それともソ連の指導者であるからなのか、それは明らかではない。しかし、スターリンが、ソ連の社会主義体制を国際社会での多数派にしていこうという思惑を抱いたのと同様に、プーチンもロシアのない世界などは存在する理由がないとの信念の持ち主である点で共通している>
<スターリンが政敵を抹殺することをなんとも思わない感覚であるように、プーチンもまた政敵や自らの批判者を封じ込めるのにスターリン的手法を用いているように思える>
ロシア帝国復活を望んでいる
欧米メディアでは、プーチンをヒトラーになぞらえる論調も目立つ。
海外メディアの記事を紹介するオンライン雑誌「クーリエ・ジャポン」によると、歴史家でジャーナリストのナイジェル・ジョーンズ氏は、英週刊誌「スペクテイター」で、1938年にヒトラーがドイツ人居住者が多いことを理由にチェコスロバキアのズデーテン地方割譲を要求したことを引き合いに、次のように分析しているという。
<歴史的背景は異なっているものの、プーチンとヒトラーはふたりとも(関係国における)それぞれ重要なドイツとロシアのマイノリティの存在を、彼らの標的の防御を突破するためのトロイの木馬とした>
ロナルド・レーガン政権で国防総省副次官補を務めたドブ・S・ザケイム氏は、「ワシントン・ポスト」の取材にこう答えている。
<ヒトラーはヨーロッパ征服を望んだ。プーチンは、帝政ロシア、つまりロシア帝国の復活を望んでいる。このことは、帝国に属していたフィンランド、バルト三国、ポーランドにとってとりわけ脅威となる>
憲法学者の小林節氏も10日付の日刊ゲンダイコラムで<いまのプーチン・ロシア大統領が1930年代のヒトラーに重なって見える>と書いていた。
「ロシアとウクライナの戦争」という虚構 |
プーチンが類似性を指摘されるスターリンとヒトラーは、1939年に「独ソ不可侵条約」を締結。その1週間後にナチスがポーランドに侵攻し、第2次世界大戦の開戦につながった。プーチンのウクライナ侵攻にまつわる思考、行動はまさしく独裁者の共通項とも言えるものだが、決定的な違いがひとつある。それは、プーチンだけが核のボタンを握っているということだ。
「これをロシアとウクライナの戦争と思っていたら、本質を見誤りかねません。プーチンはウクライナの背後にいる米国を見ている。NATOの親玉である米国を引っ張り出そうとしています。核大国同士の米ロ戦争という実相があり、戦線は今後も拡大していく。破滅的な世界戦争に向かっているように思えてなりません」(政治評論家・森田実氏)
米国のバイデン大統領は、「ウクライナでロシアと戦うことはない」と明言してきた。軍事介入ではなく経済制裁でロシアを追い込む方針は、今のところ米国民も支持している。だが、共和党上院議員の一部は「今すぐNATOを通じてウクライナに戦闘機と防空システムの移転が可能になるようにしろ」とバイデン政権に圧力をかけ始めた。ロシア側は「戦闘機を提供したら戦争介入とみなす」と警告している。
バイデンは11日の下院民主党の会合で、「攻撃的な装備を送れば、それは第3次世界大戦だ」と戒める一方、「われわれにはNATO加盟国の領土に関する神聖な義務がある」とも言っていた。もし、ロシアがNATO加盟国の領土に攻撃を仕掛けたらどうするつもりなのか。誰も落としどころを描けていない。
アメコミと現実世界は違う
13日もウクライナとポーランドの国境でロシアが軍事基地を空爆。35人が死亡し、134人が負傷した。この基地は、NATO加盟国によるウクライナ軍事支援の拠点となっている場所だ。
戦闘機の提供こそ実現していないものの、欧米はウクライナに武器を供与して支援している。すでに、事実上の“世界大戦”の様相なのである。経済制裁だって、現代の苛烈な戦争だ。インタファクス通信などによると、ロシアのシルアノフ財務相は13日、ロシアが保有する海外資産の約6400億ドル(約75兆円)のうち、ほぼ半分の3000億ドルが欧米の制裁で凍結され、利用できなくなっていると公表した。
「追い詰められたプーチンが“窮鼠猫を噛む”という展開もあり得ます。歴史を振り返ってみても、戦争というのは、いったん始めたらエスカレートしていく一方で、当事者が途中で止めることは難しい。日本の場合、第2次世界大戦の真珠湾攻撃からポツダム宣言受諾まで3年半でしたが、ロシアはもっと長引くでしょう。しかし、人類の生存がかかる世界核戦争だけは、何としても止めなければなりません」(森田実氏=前出)
プーチンが粛清を始めたことは、国内でも孤立化していることの裏返しだという見方もある。側近からも敬遠され、最後はひとりで自殺したヒトラーの末路と重ね合わせて、「悪は必ず滅びる」とばかりにプーチン失脚説も飛び交うが、コトはそう簡単ではない。
極悪非道な独裁者が自滅して自由と民主主義が勝利するというストーリーは、アメリカンコミックの世界では定番なのだろう。しかし、現実の戦争は国益のぶつかり合いであり、偶発的な事故が流れを一変させることもある。
13日、ウクライナの首都キエフ郊外のイルピンで米国人記者が死亡した。こういう不幸な事例が相次げば、米国内の世論もどうなるか分からない。いきなり全面戦争にはならないにしても、ウクライナを舞台に、より攻撃的な兵器の供与でロシアを追い込もうとすることは考えられる。
「ロシアとウクライナの戦争」という虚構がいつまで通用するのか。核のボタンを握るプーチンは、今や引くに引けない状況だろうし、暗殺される危険もあり、自分が破滅するのなら世界も道連れとヤケになってもおかしくない。
ひとつ言えるのは、どういう結末を迎えるのであれ、もはやロシアによるウクライナ侵攻以前の世界には戻れないということだ。核大国同士の直接対決に至らなかった戦後の世界秩序が崩れようとしている。そしてまた歴史は繰り返すのか。だとしたら、この戦争の結末は恐ろしいものになる。
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