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倉重篤郎のニュース最前線:野党連合「政権奪取」宣言 枝野幸男・立憲民主党代表、安住淳・同国対委員長 - 毎日新聞 https://t.co/73qBtARoAy pic.twitter.com/27igsCjOV1
— EDANON! (@yukio_edano) 2019年10月5日
倉重篤郎のニュース最前線 野党連合「政権奪取」宣言 枝野幸男・立憲民主党代表、安住淳・同国対委員長
https://mainichi.jp/sunday/articles/20191001/org/00m/070/006000d
2019年10月5日 05時00分 サンデー毎日
立憲民主党の枝野幸男代表=東京都港区で2019年7月21日、長谷川直亮撮影
9月19日、討議を重ねた末に、衆参合わせて170人を超える野党統一会派が結成された。この一大勢力はどんなスクラムで安倍政権と対峙するのか。将来の政権奪取、そして政権運営への構想とは。キーマン、枝野幸男・立憲民主党代表と、安住淳・立憲民主党国対委員長が語り尽くす。
ラグビーとかけて、野党統一会派と解く。その心は何か?
勝つためには、スクラムを崩さずに組み続けることです。
笑点の大喜利ではないが、永田町を歩いていて、こんな謎かけに出合った。
ラグビーとは、熱戦が始まったワールドカップ日本大会である。トップ20チームによる世界最高水準の試合はさすがに見応えがある。バックスによる華麗なるラインプレーも捨てがたいが、やはり勝敗を左右するのはフォワードによるボール争奪戦であろう。スクラムをがっちりと組み、マイボールをしっかり出す。どんなに押し込まれても崩さない。肉弾戦のモールではボールを相手に奪われない。その嫌というほど執拗(しつよう)な繰り返しがあって初めてトライチャンスが生まれるのだ。
野党統一会派とは、9月19日合意された立憲民主党、国民民主党、「社会保障を立て直す国民会議」などからなる新会派結成のことである。規模は衆院117人(定数465)、参院61人(同245)。国会内会派としては衆参で170人を超える一大野党勢力が誕生したことになる。
多少時間がかかり過ぎた感はあるが、よくぞここまでこぎつけたともいえる。
問題は、新勢力が10月4日開会の臨時国会でどういう仕事をするのか、である。当欄としては国際水準のラグビーに学んでほしい。つまり、最後まで強力なスクラムを組み続け、モールでボールを失わないことである。強い野党が国会を活性化、政治全体を盛り上げる。そんな試合を見せてほしい。2人のキーマン、立憲民主党の安住淳国対委員長と枝野幸男代表に聞く。
まずは安住氏だ。当選8回。民主党政権では防衛副大臣、財務相を歴任、民主、民進いずれの党でも国対委員長を務めた。2017年衆院選で民進党が分裂して以降は立憲、国民両党とも距離を置いてきたが、今回の統一会派結成を機に立憲に入党、3度目の国対委員長を引き受けた。
野党の一本化が持論。やや風呂敷の広めな楽観論者だが、軍師的センスが売りだ。「統一会派スクラム論」も彼の口から出てきた。
立憲入党、国対委員長就任の経緯は?
「2カ月前、枝野氏から入党要請があった時に条件を付けた。衆院小選挙区では野党を一本化しないと確実に負ける。まずは国会で野党の大きな固まりを作ることだ。立憲が独立独歩路線ではなく、各党に呼び掛け100人以上の統一会派を作る意志があるなら協力する、と言った。寄せ集めと言われようと、数あっての国会だ。50人規模の野党では相手にされないが、3桁の野党なら緊張感が出る。過去例を見ても、野党勢力が120人規模になると政権交代が実現している」
枝野氏はどう答えた?
「いろいろ考えていたようだが、参院選の結果が出て7月末に『わかった』との回答をいただいた」
8月5日、枝野氏は統一会派結成を呼びかけた。
「約束を果たしてくれたので、国対委員長も引き受けた。野党を再構築して国会を面白くしたい。緊張感のある政治と政権交代をもう一回実現する。そのためにはスクラムを組んだら絶対に壊さない。モールでは自分たちからボールを渡さない。悪い法案はバリケードを張ってでも阻止するし、いい法案は野党も協力して修正、成立させる。メリハリのある政治を見せることで野党の存在感を国民に示したい」
安倍首相の幸運は国家の不運
国会審議、どう変える?
「統一会派の利点は、質問時間占有率の高さだ。予算委を2日やると14時間あるが、慣例では8時間強を我々が使える。問題の深掘りが可能になる。民主党政権時代の大臣、副大臣、政務官経験者が50人いる。自民の重量フォワードと対等なスクラムが組める」
何を深掘りする?
「安倍政治の本質を突く戦いをしたい。例えば異次元金融緩和政策だ。カネを異次元にバラ撒(ま)き、公的資金で株価を下支えする政策をいつまでも続けるのか。円安と株高で企業経営者にとって居心地のいい踊り場を作っているだけ。解決すべき問題は先送りされ、見えないところに負の後遺症が蓄積されている。一言でいえば『今だけいい政権』だ。産業や企業の新旧交代といった新陳代謝がなく、新規雇用も生んでいない」
出口も見えない。
「400兆円近いカネを市中に撒くと、怖くて一気に回収できない。私が財務相の時(11年9月〜12年10月)は白川(方明(まさあき)・前日銀総裁)さんと阿吽(あうん)の呼吸で70兆から80兆円を市中に撒いていたが、それでも米国のグリーンスパン氏(元連邦準備制度理事会議長)からはやりすぎだと警告された。ここまでくると、ソフトランディングには相当な年月を要する。簡単ではない」
安倍後の政権は大変だ。
「安倍・黒田(東彦(はるひこ)日銀総裁)路線を大修正せざるを得ない。金融引き締め局面になり、経済が収縮していかざるを得なくなる」
その段階で政権が来る?
「尻拭いさせられる可能性はある。安倍氏は民主党政権を悪夢と言うが、我々はリーマン・ショックで経済がボロボロの、まさに悪夢のような麻生太郎政権を引き継いだ。39兆円しかない税収でどう予算を組むのか。基礎年金の2・5兆円の穴をどう埋めるか。自民党政権時代の積み残しの宿題に追われた。そこで行ったのが消費増税を軸にした税と社会保障の一体改革だった。リーマン、3・11大震災、消費税の三つで我々は倒れた。それに比べれば安倍氏は運がいい。ただ、それは安倍氏の運がいいだけで、国家としては不運だ。悪い状況が刻々と積み重なっている。そこを国会論戦で明らかにしていく」
外交・安保面では?
「軍事費を極力抑え、民生の充実に充てていくという吉田茂元首相以来の保守本流路線の踏襲がまだ可能であることを示し、いかに安倍政治が異質であるかを際立たせたい。もちろん、中国の台頭や半島有事に備え、一定の防衛力整備は必要だが、アジアの国々や世界から見た時に、先の大戦を忘れたかのごときやり方はどうかと思う」
統一会派後は?
「臨時国会の2カ月間共にスクラムを組み、どこまでよりを戻せるか。一体感が出てくれば次のステージに行こうという話になる。国会で一緒にやるというのは、選挙も一緒にやるということだ。その覚悟でこの会派に来てもらいたい」
いずれ元の鞘(さや)に収まる?
「元の民主党に戻るのではない。この10年間、我々も失敗と苦い体験を積み重ねてきた。昔の己にあらず。政治家としての味わいを増したはずだ。この国会では国民が真に望む質疑を代行したい。今回スクラムを崩さずに2カ月やり抜けば、必ず国民は我々に別の眼差(まなざ)しを向けてくれる」
「逆に我々のスクラムが脆(もろ)いと思われたら、安倍氏が衆院解散を打ってくる可能性もゼロではない。年明け通常国会冒頭もあるだろうし、“五輪人質解散”もあるのではないか。五輪という国家的な大事業の前に政権を変えていいのか、という与党有利な解散だ。都知事選とのダブルもありうる。我々はスクラムを組み続ける覚悟が必要だ」
小沢一郎氏が(9月23日都内の講演で)野党一本化の必要性を強調した。
「繰り返すが、一つになった方がいいと思える状況をこの国会で私たちが作れるか、ということだ。野党というのは国民目線に動かされる。国民が結束した強い野党を望み、お前らここで一本になってやれ、となれば結果は出ると思う」
山本太郎氏のれいわ新選組とは?
「関心を持って見ている。安倍政治にノーであるなら組んだ方がいい。この人いらないというのでは政権交代はできない」
結果は出る、というのが安住氏の強調点だった。結果とは、野党の一本化であり、衆院選での与野党逆転、政権交代であろう。その結果を出すも出さないもこの国会でのスクラム次第だというのだからわかりやすい。
ここからは軍師・安住氏をリクルートした総指揮官・枝野氏に聞く。
政権奪取後の政権運営が重要
統一会派による「スクラム」をどう組んでいく?
「国会での行政監視の力を強めたい。消費税10%ではさまざまな検証が必要だし、台風被害への政府対応も議論する。シベリア抑留者の遺骨を14年も取り違えてきた問題もある。歴史を冒涜(ぼうとく)するような話であって、保守を名乗る政権がこんなことを認めていいのか。大きく取り上げたい」
消費税でお聞きしたい。参院選では8%凍結を主張、日本記者クラブの党首討論(7月3日)では、野田佳彦政権時代の3党合意による税と社会保障の一体改革について誤りだった、と発言した。その真意は?
「あの時点においては私も賛成した。ただ、増税分が社会保障の充実に使われず、10%に上げるタイミングを一番悪い時にした。3党合意は自民党により破棄された。私はそれに拘束されるつもりはない」
「消費税だけに財源を求めてきたこの20年の歩みは、今の時代状況にそぐわなくなった。財源確保は法人税や高額所得者に対する所得税に求めるべきで、逆直間比率の見直しが必要だ」
憲法論議、どうする?
「国民投票法の議論をしましょうと申し上げている。国民投票法が欠陥なのに、中身を議論してもしょうがない。レールを敷かないと電車は走れない」
安倍政治の本質とは?
「権力に対して抑制的でないことだ。政治をゲームだと思っている。野党に勝つことだと思っている。野党は与党に勝つのが一種のゲームだ。ただ、与党になった途端、野党を含めた全国民に対する責任を負う。その意識が非常に希薄だ。ここは我々も気をつけなければいけないと思っている」
日韓対立、どう見える?
「日本政府の対応を支持する立場だが、粛々と外交的にやればいいのに世論を煽(あお)ることに利用している。弱体政権がやることだ。そこもまたゲーム感覚だ」
統一会派をどう政権奪取につなげる?
「皆焦り過ぎだ。目の前の獲得目標を口に出し、最短距離で動こうとするから失敗する。世の中そんな簡単なものとは思わない。目先の話に一喜一憂してはいけない。私自身、あえてさめて見なければいけない立場だと思っている」
かなり抑制的だ。
「私に与えられたミッションは単に政権を取ることではない。政権を取ってしっかり回すことだ。2度選挙に勝つことだ。また次に自民党に戻ってしまうようではかえってマイナスだ」
回すために必要なのは?
「与党として政権運営をした経験値だ。だから私たちの世代がやらないと無理だと思っている。民主党政権で先輩たちが苦労しているのを一番そばで見ていたという経験だ」
その際、異次元緩和の出口にどう対応?
「政権を預かる時はどの国でも、前政権失敗の残務処理から入るのは必然だ」
アベノミクス敗戦処理には時間がかかる
その準備はできている?
「もちろんです」
どういう内容か?
「あえて言えば、金融については変えられない。(国債を)買い続けざるを得ない。全体の経済状況を見ながらソフトランディングさせる。もしかすると、その前にクラッシュするかもしれない。(政権交代は)クラッシュ後かもしれない」
異次元の混乱を伴う。
「そう思う。日米戦争に突っ込んだのと同じくらいの失策だ。同じくらい将来に禍根を残す」
世の中は気付いていない。
「日米戦争が始まったころの日本人も、(敗戦に)気付いた人はごく一部だ」
枝野氏は、日米戦争に終止符を打った鈴木貫太郎元首相を尊敬している。かつては、日本財政についてその膨大な赤字体質に終止符を打つ政権が必要だと語っていた。異次元金融緩和以降はそれがもっと複雑になっている。財政敗戦のみならず、金融敗戦もまた処理しなければならないからだ。
枝野氏にその覚悟があるのか。最後に聞いた。
「鈴木貫太郎さんの仕事は、戦争をやめる、という一瞬で終わった。(異次元緩和終結の場合は)区切りをつけ、次の時代に踏み込むには多分10年単位でかかる。そのくらいの政権にしないと次につながらない」
確かに政権交代があっても短期の政権ではとても処理ができないであろう。安倍亜流政権でも然(しか)り、である。本格的長期安定政権への交代が必須といえる。
◇ ◇ ◇
イケイケドンドンの陽性な軍師と、抑制的ながらも政権への意志を秘めた総指揮官。170人大会派結成を機にした事実上の「政権奪取宣言」と受け止めた。野党よ。スクラムを自ら崩すことなかれ。国会論戦、勝負のキックオフは間近である。安倍政治の本質をどう抉(えぐ)り、どう代案を示すのか。この国会は野党の再生がかかっている。
くらしげ・あつろう
1953年、東京都生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員
あずみ・じゅん
1962年生まれ。立憲民主党国体委員長。財務大臣、民進党代表代行などを歴任
えだの・ゆきお
1964年生まれ。立憲民主党代表。民主党幹事長、内閣官房長官などを歴任
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