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【れいわ新選組・山本太郎代表に聞く】「20年デフレ」脱却のため、捨て身の集団をつくる(1)
http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2019771.html
2019年09月25日15:31 高橋清隆の文書館
7月の参院選で「れいわ新選組」は比例代表で228万票を獲得し、舩後靖彦(ふなご・やすひこ)氏(61)と木村英子氏(54)の2人の当選者を出した。政党でない確認団体が国政選挙に挑み、公職選挙法が定める政党要件を満たすのは初めての快挙。運動資金はすべて寄付で賄い、その額は4億円を超えた。ポスター張りやチラシ配布に携わったボランティアは数えきれない。
テレビがまったく報道しないなか、全国をまわる街頭演説は日に日に聴衆が増え、熱狂に包まれた。10月4日から臨時国会を迎えるにあたり、代表の山本太郎前参院議員に参院選の総括や今後の抱負など話を聞いた(取材日:9月11日)。
選挙結果を受けての変化
――熱い選挙戦でした。1カ月以上経っての総括を。
取材に応じる山本太郎代表(9.11参院議員会館)
山本太郎氏(以下、山本) 現場の熱は、群を抜いていた。熱だけで判断されるなら、もう与党(笑)。ふたを開けてみれば2議席だけで、本人落選というおまけまで付きました。
開票直後に言ったのは、「国会議員・山本太郎」としては負けたが、れいわ新選組としては前進したということ。あのときの総括と今の総括はほとんどずれていない。2013年に市民運動として1議席を東京から与えていただいたときより、大きく前進したといえる。
――1カ月間でご自身に変化はあったか。
山本 資料を取り寄せるときなど、国会議員でなくなったことによる不便さは感じる。しかし、議員だったときより今のほうが忙しい。会期中・閉会中の区切りがなくなり、党や政策、相談など、いろいろなことに対して動かなければならない。政党要件を得たことについては、まだ助成金をいただいてないから、実感がないですね。
――NHKの『日曜討論』に「れいわ」を出演させない可能性はあるかと質問したことに対して、NHKは「報道機関の自主的な検討の結果として十分ある」と答えました。
山本 相変わらずの寝ぼけっぷり。(NHKを)「ぶっ壊す」という人たちがいても、「やめといてやれよ」とはよう言わない。政党要件を満たしているわけだから、NHKの独自ルール※みたいなものに振り回されるってことではない。たった2議席の政党でも、この国の政治を運営していくうえで助成金やいろいろなものが使われており、どのような考えをもっているのか国民に対して情報提供されなければならない。
――出演依頼がなければ、何らかの行動を取るか。
山本 「生活の党と山本太郎となかまたち」のとき(2015年)、5人の議員がいたが、2%の得票率を満たしていないことがあった。今回と逆のかたちです。そのときNHKにおじゃまして抗議した。2回目に行こうとしたら、「もう来てくれるな、困る」と言われた。政党要件を満たしていれば、人々の知る権利を担保するために出演させるべきとの提案をしに行く。行動は必要だが、自分たちの権利だけ主張することにはならない。
つまり、私たちを番組に出していただくことを検討してくれということは、自動的に「NHKから国民を守る党」(N国)の出演も認めて、という主張とイコールになる。どちらも政党要件を満たしているのだから、片方の権利のみ尊重してくれという話にはならない。
――その場合は(N国と)一緒に行くのか。
山本 一緒には行かない。私たちは私たちで声を挙げる。
※2013年に「みどりの風」を出演させなかった際、NHKは「-15人以上の国会議員がいる-2直近の国政選挙で2%以上の得票、の両方が必要」との独自の基準を示している。
「国のオーナーはあなた。自信を奪われているだけ」と鼓舞する山本氏(2019.6.16広島パルコ前で筆者撮影)
【れいわ新選組・山本太郎代表に聞く】「20年デフレ」脱却のため、捨て身の集団をつくる(2)
http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2019772.html
2019年09月25日15:39 高橋清隆の文書館
参院選候補者の面々と(7.3ボランティアの集い)
障がい者施策は超党派で
――会派は今後、どのようにされるのか。立憲民主党や国民民主党などと交渉はされているか。
山本 交渉はまったくしていない。立憲と国民の合併をめぐる話し合いが決着していないことに加え、今、統一会派になる意味があまりはっきりしない。選挙が近付いてきて野党が固まりになっていくという話なら一緒になっていくこともあり得るが、今の時点では2人会派でいいのではないか。
舩後・木村両氏が求めていく政策は、与野党問わず、超党派で進めていかなければならないものが多い。政権交代に向け野党は力を合わせていくぞという特別な事情があり、気運が深まれば会派が1つになることもあるかもしれないが…。
――各党との協議のなかで2人の質問時間の確保も求めていくのか。
山本 これは完全な合理的配慮※。お願いするまでもなく本来、国会自体が動かなければならないが、当事者からもお願いする必要がある。
※障がいのある人から、社会のなかにあるバリアを取り除くために何らかの対応をしているとの意志が伝えられたとき、負担が重すぎない範囲で対応することを求めるもの。国連の「障がい者の権利に関する条約」の批准に向けた国内法として2013年に制定、2016年に施工された「傷がい者差別解消法」に明記された。
――質問時間を得た場合、当然障がい者施策以外のことも発言していくのか。
山本 メインは障がい者施策だと思うが、それ以外もテーマは多岐にわたる。ただし、すべてはつながっているはず。増税の問題も生存権につながる問題も、2人の議員は関われる話。そのなかでも、専門性、当事者性という要素が重視されてくるとは思う。
――舩後・木村の両氏とは臨時国会に向けた意見のすり合わせをされているか。
山本 事務所態勢もできつつある。2人の存在をさらに進化させられるような、障がい者施策におけるスペシャリストがサポートに付くことが決まった。一言で障がい者施策と言ってもなかなか幅広いが、たとえば、舩後さんであればALS(筋萎縮性側索硬化症)からウイングを広げた障がい者施策に対してカバーしていけるような態勢をつくっているところ。それ以外の部分に関してはこれからすり合わせていく部分はあるが、れいわ新選組としての基本政策には同意してもらっている。
木村氏(左)の当選報告をする(7.21開票センター)
――すでに国会も変わり始めた。議場に車いす用の議員席が設けられたし、公費による介護サービスを通勤・就労にも使えるよう「検討中」との答弁書が決まった。
山本 当事者が入ることによって物事が動くことがあるのだと実感しています。しかも、2人は一般にいわれる当事者より強力だから、初登院前から事態が動き、今も話し合いが続いている。
野党共闘とプラットホーム構想
――立憲と国民との合流協議が進んでいるのを、どうご覧になるか。
山本 もともと、1つ屋根の下にいた仲間のはずです。それほどハードルの高い話ではないと、よそ者としては思う。本当は参院選前にそういうことができれば、もう少し結果が違ってきた可能性はある。でも、ないよりあった方がいい。固まりになっていくことは必要ですから。
――国民の玉木雄一郎代表は、リベラルから穏健保守までカバーする党の「改革中道」路線は維持するとしている。共産党外しの野党分断工作の可能性は。
山本 我々が画策したものでないから、狙いは断定できない。ただ、共産党に対するリスペクトを忘れてはいけないでしょう。自分たちの候補者を降ろしてでも全体的な勝利に結び付けようとする努力は、共産党を見ていれば、その先頭に立ってくださっていたことは間違いない事実。これに対して、共産党とは一緒にやれないという話になっているなら、守りたいものは何なのかと思う。自分たちの既得権か。そんな小さな物事にこだわったりしている人たちには、到底この国のかじ取りは任せられない。まさかそんな考え方をされているとは思っていない。大きな固まりをつくっていくうえで、政権交代を実現するための一歩だろうと思う。
――山本氏が共産候補の選挙応援に入ったことを、志位和夫委員長が「非常に感謝している」と述べていた。
山本 もったいないくらいの評価ですね。むしろ、関係性を良好に保つやり方を私が勉強させてもらっている。でも、応援しに行くのは辰巳孝太郎さん(大阪選挙区)や倉林明子さん(京都選挙区)ら候補者の方々がすばらしい議員だからです。数々の問題を追及されてきた実績があります。
――選挙中、「プラットホーム構想」に言及された。採決で本心に逆らっている与野党議員の受け皿になる構想だが、具体的に何か働き掛けは考えているか。
山本 こちらから誰かを引っこ抜くみたいな話は一切考えていない。もめる原因だから(笑)。ただし、今でも現役議員や落選議員を含め、問い合わせはあります。お話をしたいとか、食事をしたいとか。実際に食事をした方もいるし、お会いした方もいる。だからといって、「じゃあ、うちでやりましょう」とはならない。これから野党共闘がどこまで進化して、そこに政策、私たちが求める最低でも消費税5%まで載せられるか見えていない。だから、いまのところはお互いの考え方を交換するにとどまっています。会いたいという問い合わせを現役議員から受けて、その人のことを少し調べると、「これちょっと無理やろ」みたいな方もいらっしゃいますね。
――魅力を感じたから接触を図ったのでは。
山本 もしくは、自分の選挙区に誰かを立てられるのが嫌だったのかもしれないし、狙いはわからない。考え方が180度違ったとしても、世の中を変えていこうという立場の先生方と意見交換させていただくという感覚でやっている。そのなかには自民党の方もいるし、別の党の方もいる。
(つづく)
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