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消費税批判を巡り大新聞がケンカを買ってくれることを望む 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262224
2019/09/25 日刊ゲンダイ
消費税は、常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる税(C)日刊ゲンダイ
2ケタ税率の直前になって消費税に関する原稿依頼が相次いだ。政府の宣伝は大嘘で、実はこれほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない、とする持論の再構成ではあるものの、「サンデー毎日」とウェブの「論座」に寄せた新原稿はなかなか好評らしい。「目からウロコだ」という反応が目立つ。
もっとも、反響のすべてが好意的とは限らないのは当然だ。まれにだが、デマ呼ばわりの書き込みもあった。
消費税批判の本を最初に出した9年前から繰り返されてきたのと同じ。で、どれもが冷笑や罵倒だけに終始している点も、また共通している。
私が繰り返し書き、語ってきたのは――。
@消費税とは原則すべての商品およびサービスのあらゆる全流通段階で課される税であり、納税義務を負うのは消費者ではなく年商1000万円超の事業者であること。
A市場原理で価格が決定される自由主義経済の下では、常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる税であること。
B1989年の導入以来、強調され続けている社会保障の充実や安定化は一向に実現せず、増収分は大企業や富裕層の減税財源に費消されていること。
C仕入れ税額控除という納税上の計算式が、下請けに負担を押し付ける輸出産業を不当に潤わせ、また非正規雇用を拡大させる“効果”を伴うこと。
D増税“対策”とされる軽減税率やポイント還元、インボイス制度等には、人間を権力や巨大資本が都合よく操るシステム構築の狙いがあること。
E消費税とはもともと歪んだ税制であり、弊害を改めようとするほど歪みは広がり、ついには社会全体をひしゃげさせる結果が招かれること。
……等々だ。いずれも長期の取材と調査、自営業者としての出自と体験、ジャーナリスト稼業40年弱の知見から導いた、全人格を懸けた主張ではあるのだが、しょせんは人間。完璧ではあり得ない。
だから誰でもいい、反論があるなら、根拠をしっかり示してほしい。私は大マスコミをぶった斬ってもいるのだから、新聞社がケンカを買ってくれたらなおうれしい。大いに議論しようではないか。
最後に私に共感してくださる方々にも一言。消費税のテーマに関心を持ってもらえたなら、ぜひ掘り下げて考えてみていただきたい。拙著の他にも興味深い文献は多くある。そうやって、事に臨んでいちいち深め、思索を重ねていくことだけが、この時代に自分自身のアイデンティティーを保ち続ける方法ではなかろうか。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2019年9月24日
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