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令和の下で初となる終戦の日を迎えた。戦後74年を経て、今日の平和が多くの犠牲の上に築かれていることを改めて胸に刻みたい。戦禍の記憶と教訓を継承し、次代へつなぐことは今を生きる世代のつとめだ。
中でも平和の礎である憲法を守り、引き継ぐ意味は重い。9条で戦争の放棄を宣言し、国内外に誓った平和主義は、わが国の国是である。
だが、その不戦の誓いは大きな岐路にある。国民の理解が進まぬまま政府は改憲への動きを加速させている。歴史の過ちを省みれば、危険な安全保障政策につながりかねない改憲を推し進めることは許されない。「戦争できる国」へ戻さぬよう、一人一人が歯止めをかけなければならない。
7月の参院選で、自民党は憲法への自衛隊明記を公約に盛り込み、国会での憲法論議の是非を争点化した。安倍晋三首相は改憲勢力が国会発議に必要な3分の2以上の議席を割り込みながらも、与党が改選過半数を確保したことから「改憲議論を行うべきだというのが国民の審判だ」と強調している。
9条改憲で自衛隊の違憲論争に終止符を打つのを悲願とする首相は、これまでも米軍と自衛隊の一体化を進め、平和憲法の理念を骨抜きにする政策を強行してきた。歴代政権が禁じてきた集団的自衛権行使容認を閣議決定。安保法を成立させ、国連平和維持活動(PKO)で武器使用を認める「駆け付け警護」や米軍艦艇、航空機などに対する「武器等防護」の任務も可能にした。
この上、憲法に自衛隊を明記すれば、米国から同盟関係を理由に他国での軍事行動を際限なく求められかねない。自衛隊が海外で容易に参戦できる道を開いてはならない。
自衛隊の打撃力強化も看過できない状況だ。9条の下では、相手国に破壊的な打撃を与える「攻撃型空母」の保有は認められないと解されてきたが、昨年12月に策定した防衛計画の大綱などで海上自衛隊の護衛艦を改修し、事実上、空母化する方針が明記された。戦後の安全保障の基本原則としてきた専守防衛は形骸化の危機にある。
さらには敵基地攻撃能力の保有につながる長距離巡航ミサイルの導入方針や、最新鋭ステルス戦闘機を大量購入する計画決定も行き過ぎた攻撃力となる懸念が拭えない。政府は中国や北朝鮮を念頭に、安全保障環境の厳しさと不確実性を理由に挙げるが、こうした動きは周辺国からも日本が掲げる平和主義に強く疑念を抱かせるものだ。
先の大戦はアジアの国々に多大な犠牲を強いた。その事実を決して忘れてはならない。過去の過ちと向き合うためにも、日本に求められるのは武力を背景にすることなく、世界の紛争解決を主導できる外交力を磨くことだ。この国が歩んでいる道は本当に正しいのか、問い続けることが必要である。
愛媛新聞社説 2019年8月15日
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201908150010
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