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マティス前国防長官の痛烈トランプ批判…沈黙を破った良識 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274342
2020/06/10 日刊ゲンダイ
マティス前国防長官(左)が唯一の良識だ(トランプ米大統領と、2018年)/(C)ロイター
「ドナルド・トランプは私が生きてきたこの人生の中で唯一、アメリカをひとつに結束させようとせず、また結束させようという努力も見せず、それよりも、分断させようとする大統領だ」
マティス前国防長官が寄稿した文章だ。黒人のジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害されたことをきっかけに全米に広がったデモに対して、トランプ大統領が軍の投入を示唆した時、トランプ政権の最初の2年間を支えた海兵隊大将は、ついに沈黙を破った。それは市民のデモを擁護し、そのデモを軍の投入によって鎮圧しようとした大統領を厳しく批判するものだった。
トランプ政権発足からの半年をアメリカの首都で見てきた私にとっては、これがトランプ大統領にとって厳しい一撃となったことは容易に想像できる。マティス氏は、有事には戦場で最前線に立ち、平時には歴史研究にいそしんだことで知られ、今も多くの人の尊敬を得ている軍人だ。そのマティス氏は寄稿の中で、第2次世界大戦の時のナチスの連合軍に対するスローガンを紹介している。それは「分断と征服」だった。これに対して、アメリカ軍は「結束こそ力だ」と団結したと書いている。これほど痛烈な大統領批判を私は知らない。
トランプ大統領はその後、エスパー国防長官の進言を受けてデモ鎮圧への軍の投入を取りやめたとされるが、私はエスパー長官の判断に影響を与えたのはマティス氏の言葉だったと考えている。マティス氏は、国防長官時代、トランプ政権の「唯一の良識」と野党・民主党からも評されてきた。「将軍、あなただけが頼りです」と長官就任の時、民主党の議員から声をかけられている。捕虜への拷問をトランプ大統領が容認する発言をした際に「それは正しくない」と進言したり、同盟国を軽視するトランプ大統領にその重要性を説くなどしたことは、政権発足時の有名なエピソードだ。首席補佐官が機能しない政権において、実質的な政権の要の役割を担った。
マティス氏が国防長官として言い続けたことは、憲法の順守、国際秩序の維持、そして同盟国への敬意だ。それこそが、アメリカの繁栄と価値を支える上で重要なのだと説き続けた。そして、この大統領がそれを理解できないと悟った時に辞任した。その辞表には、「閣下は閣下の考えに合った国防長官を選ぶ権利があるので私は辞任する」と書かれている。それが、政権と世界の秩序を維持するために奔走した国防長官の最後の言葉だった。それは同時に、トランプ政権から「良識」が去ったことを意味した。
マティス氏が発した言葉は、この第45代アメリカ大統領の実像を浮かび上がらせる。つまり、憲法を順守せず、国際秩序に関心を払わず、同盟国を軽視する。その政権には既に「良識」は存在しない。それでも、日本の総理大臣はこの大統領に付き従う姿勢を変えていない。アメリカに来いと言われれば何を差し置いても飛んでいき、あれを買えと言われればなんでも買う。民度の高い国のリーダーは、普通はそうしたことはしないものだ。
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立岩陽一郎
ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。
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マティス前国防長官の痛烈トランプ批判…沈黙を破った良識
— eiga323秋津島信 (@eiga323) June 9, 2020
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「ドナルド・トランプは私が生きてきたこの人生の中で唯一、アメリカをひとつに結束させようとせず、また結束させようという努力も見せず、それよりも、分断させようとする大統領だ」
マティス前・・・
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