http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/742.html
Tweet |
コラム2019年11月29日 / 19:24 / 6時間前更新
日本も気候変動のストレステストを、金融機関の命運左右
田巻一彦
3 分で読む
[東京 29日 ロイター] - 地球温暖化の影響とみられる自然災害が多数発生した2019年は、いよいよ経済的な打撃の大きさに対応するべきと気づかされる年にもなった。国内損保会社は合計1兆円を超す保険金請求に直面しそうだが、「50年に1度」の災害が毎年発生するようになれば、企業や個人の損害は金融システムを通じて金融機関に集約される。
政府・日銀は欧州連合(EU)にならって、気候変動に絞ったストレステスト(健全性審査)を金融機関に課し、今から自然災害リスクへの備えを厚くするべきだ。超低金利環境の長期化と人口減少、AI化の流れで収益環境が悪化している大手銀や地銀にとって、温暖化という力は、対応を誤れば、経営の致命傷にもなりかねない。
<台風被害、大手損保3社は1兆円の保険金支払いへ>
台風28号が今月26日に発生した。11月に入って6個目で、これは1951年の統計開始以来、64年と91年に並んで最多。海水温度の上昇が多数の台風発生につながっているとみられ、地球温暖化が関係しているとの見方が専門家の中では出ている。
近年は巨大な勢力を保ったまま、台風が日本に接近するケースが増加し、被害の深刻化につながっている。9月9日に上陸した台風15号は、千葉市付近に接近した際の中心気圧が960ヘクトパスカル、最大風速は40メートルだった。
台風被害は各地で想定を超える規模となり、大手損害保険グループの3社が支払った台風15号と19号による保険金見込み額は8688億円にのぼった。今年発生した他の自然災害分を含めると、3社だけで1兆円を超すとみられている。経常利益見通しを3社はそろって引き下げた。
<自然災害の発生は非線形>
だが、「50年に1度」の自然災害が、地球温暖化を反映して毎年のように繰り返された場合、人的な損害にとどまらず、経済的な損害もこれまでの想定を超えて巨大になるリスクが高まっている。
保険監督者国際機構(IAIS)などが2018年7月にまとめた「保険セクターに対する気候変動リスクに関する論点書」には、興味深い視点が数多く盛り込まれていた。
そこでは、損害保険会社のリスクに言及し、将来の気候の影響は「非線形」であると指摘。リスク膨張の可能性を提起している。
また、イングランド銀行が2016年にまとめた自然災害から金融セクター、マクロ経済に至る「伝達マップ」も紹介。そこでは、保険会社だけでなく、銀行にも大きな影響が出るとされた。災害によって個人と企業のバランスシートが弱体化して「不良債権化」するだけでなく、資産の投げ売りによる資産価格の下落が進み、銀行経営を圧迫すると予測した。
実際、今回の災害で中小・零細企業では、事業の継続が危ぶまれるケースが多数みられ、地域金融機関を中心に「問題債権」が増加する傾向にある。地域金融機関は人口減少と産業の衰退、さらに超低金利の長期化で業務純益の先細り傾向に直面している。
そこに大規模な自然災害の被害が数年に1回の間隔で発生すれば、深刻な経営状況に直面しかねないところが相次ぐ可能性がある。
<日銀総裁も自然災害リスクに言及>
こうした中、日本の政策当局にも自然災害リスクと金融機関経営との関連を注視しようとする動きが出てきた。
日銀の黒田東彦総裁は、28日のパリ・ユーロプラス・ファイナンシャル・フォーラムで、自然災害関連リスクは金融機関の大きな課題になる可能性があるとの見方を示した。具体的には「資産価格の下落や担保価値の毀損につながる可能性」に言及。「しっかりとした調査や分析を行う必要がある」と指摘した。
欧州中銀(ECB)のデギンドス副総裁は今月14日、欧州の銀行に対するストレステストに気候変動リスクの導入を検討していると表明した。
欧州連合の執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス委員(金融安定・金融サービス担当)も今月6日、気候変動リスクを銀行のストレステストに導入する方向性に言及。欧州の金融機関は気候変動リスクに対応した新たなバッファー機能の強化に直面する可能性が浮上している。
そこで、日本でも金融庁と日銀が主体になって、気候変動リスクを織り込んだストレステストの導入に着手するべきだと提案したい。
気候変動リスクが顕在化してきた場合、かつてのバブル崩壊後の不良債権問題のように、被災して発生した損失の累積は、金融システムという血管を通って、金融機関の不良債権として集積される。あたかも摂取した毒素が肝臓に集約されるように、金融システムがむしばまれることになる。
そうした展開を阻止するには、どの程度のバッファーが必要か試算しておくことが必要で、ストレステスト化は避けて通れない。
12月2日からマドリードで国連気候変動枠組み条約の第25回締約国会議(COP25)が開催される。温室効果ガスの増大を回避するため、EUが提案している国際炭素税には、最大の温室効果排出国である中国が強く反対を表明。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からは米国が離脱し、主要国の足並みがそろわない。
温室効果ガスの適切な削減にめどが立たない中で、気候変動リスクにどのように対応するのか、着々と切実感が増している。
(編集:石田仁志)
https://jp.reuters.com/article/column-kazuhiko-tamaki-idJPKBN1Y30TE
ビジネス2019年11月30日 / 00:45 / 26分前更新
独ダイムラー、世界で少なくとも1万人削減 「歴史的な変革期」
Reuters Staff
1 分で読む
[フランクフルト 29日 ロイター] - 独自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)は29日、全世界で向こう3年間で少なくとも1万人の人員削減を実施すると発表した。
自動車業界では販売減に直面する中、電気自動車(EV)に投資を振り向けるための経費削減が続いており、ドイツでは今週に入りフォルクスワーゲン(VOWG_p.DE)の高級自動車部門アウディ(NSUG.DE)が人員削減策、高級車メーカーのBMW(BMWG.DE)が賃金削減策を発表した。
高級車メルセデス・ベンツを傘下に持つダイムラーは声明で「自動車業界は現在、歴史上最大の変革期のただ中にある」と表明。労働組合と合意に達したとし、従業員数を3%削減すると発表した。
人事担当役員は、削減数は「5桁台の低い方」、もしくは少なくとも1万人になるとしている。ダイムラーの従業員数は第3・四半期末時点で30万4680人だった。
ダイムラーは人件費を2022年末までに約14億ユーロ(15億4000万ドル)節減したい考え。
ドイツでは自動車部品のコンチネンタル(CONG.DE)やオスラム(OSRn.DE)なども削減策を発表している。
https://jp.reuters.com/article/daimler-cut-idJPKBN1Y31V6
トップニュース2019年11月30日 / 01:00 / 8分前更新
ECB理事2候補がハト派表明、現行の緩和策やマイナス金利支持
Reuters Staff
1 分で読む
[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会の新メンバー候補である2人が29日、成長の弱さと鈍いインフレ見通しが刺激策を正当化するとし、ハト派的な姿勢を示した。
1月初旬の理事就任が見込まれるドイツのエコノミスト、イザベル・シュナーベル氏とイタリア銀行(中央銀行)のファビオ・パネッタ副総裁は、経済がECBの支援策に依存しており、銀行からは不評のマイナス金利も経済にプラスになっていると指摘した。
ECBは9月に利下げや量的緩和(QE)の再開など包括的な追加金融緩和策の導入を決定。この決定を巡り、理事会メンバーらが公に反対を表明するなどし、シュナーベル氏の前任者であるラウテンシュレーガー専務理事は任期切れを待たずに退任した。
シュナーベル氏は欧州議会の委員会の質問に書面で回答し、「低インフレ圧力を踏まえると、これらの決定は現在のインフレ指標や中期のインフレ見通しによって正当化できる」と指摘。また、「決定は金利が事実上の下限に近い状況で金融刺激策を維持することの難しさを反映している」とした上で、緩和的な金融政策が必要だという見解には「完全に同意する」と述べた。
パネッタ氏も「このところの指標は、インフレ見通しが理事会の目標である2%を下回るが近い水準に届かないようで、緩和的な金融政策が求められる」と指摘した。
マイナス金利政策については、両氏ともに副作用があり監視の必要はあるがポジティブと述べた。ただ、利下げは銀行の利益押し下げにつながり、合理的ではなくなる水準があるとの考えも示した。
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-schnabel-idJPKBN1Y31WM
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民133掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民133掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。