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中古マンション販売、新築を上回る…条件に合う物件が格段に増加、“築深”が狙い目
https://biz-journal.jp/2019/11/post_130028.html
2019.11.30 文=山下和之/住宅ジャーナリスト Business Journal
「Getty Images」より
首都圏では新築マンションの販売が低調ですが、その一方、中古マンションの販売は着実に増加しています。3年前に年間の中古マンション成約件数が、年間の新築マンション発売戸数を上回りましたが、2017年、18年は両者が拮抗した状態でした。しかし、19年は新築が減少し、中古が増えるなかで、いよいよ中古マンションが主役に躍り出てきました。首都圏でマンションといえば、中古マンション――後で振り返ってみると、19年は名実共に“中古マンション主役元年”だったということになりそうです。
■年間発売戸数が10万戸近くに達した年も
長年、首都圏のマンション市場では新築が主役の座を保持してきました。図表1にあるように、特に2000年代の初頭には年間の新規発売戸数が10万戸近くに達したこともあり、中古マンション成約件数の4倍近くの市場規模を保持していたのです。
それが、2000年代の半ばから急速に減少し、10年代に入ると年間4万戸前後まで減ってしまいました。前回の消費税増税前の駆け込み需要で年間6万戸近くに回復した年もあったものの、この数年は年間4万戸を切る水準が続いています。
その一方、中古マンションは新築のような大きな変動はなく、毎年着実に成約件数を増やしてきました。その結果、ついに2016年には中古マンションの成約件数が、新築マンションの年間発売戸数を上回ったのです。
■2019年には中古が新築を大きく上回る可能性
とはいえ、17年、18年と新築と中古はほぼ同じ水準で推移してきました。中古はわずかながらも年々着実に成約件数を増やしてきましたが、新築もなんとか3万7000戸台で踏ん張って、両者には大きな差がつかなかったのです。
ところが、19年にはその力関係の変化がいよいよ明確になってきそうです。図表2をご覧ください。これは、19年に入ってからの新築マンション発売戸数と中古マンション成約件数の推移を月ごとの棒グラフと、その累計を折れ線グラフで表現しています。一見してわかるように、毎月、中古マンション成約件数が新築マンション発売戸数を上回り、結果として累計にも大きな差がついています。10月までの合計では両者の差は1万件以上に達しています。
■新築だけに目を向けていると物件探しは困難に
首都圏新築マンションは例年12月に大きく発売戸数が増加するため、この差がある程度縮小する可能性はありますが、それでもこれまでは想定できなかった大差がつくことは間違いないでしょう。
これから首都圏でマンション取得を考えている人は、当然のことながら新築だけにターゲットを絞っていては、希望の物件に出合えない可能性が強まってきます。まして、人気沿線の人気駅になると、これまでも新築は年間1棟、2棟しか出てこなかったのが、今後は何年かに1棟しか出てこない可能性も高まります。
年間2棟、3棟出るような駅であっても、その立地をみると最寄り駅から徒歩5分以内といった交通アクセスに恵まれたマンションは減少、徒歩10分程度はガマンしなければならないといった事態も想定されます。
■中古マンションなら新築の2倍近い選択肢がある
実際、首都圏のマンション市場をみると、図表3にあるように、新築の発売戸数が年間3万戸台にとどまっているのに対して、中古なら新規登録件数が年間7万件近くに達しています。中古に目をむければ、新築の2倍近い選択肢があるわけです。ですから、中古マンションなら、極端にいえば、いつでも、どこでも探すことができます。人気エリアでも、最寄り駅から徒歩3分、4分といった場所に売り物件が出てくる可能性があります。
すぐにはなくても、少し時間をかけてジックリ探せば、可能になってきます。そのためには、ネット上で物件が出てくるのを待っているだけではダメです。希望エリアが決まっているのなら、その駅に直接足を運んで、何度も不動産会社に立ち寄り、担当者と仲良くなる必要があります。熱心さを評価されれば、希望に近い物件が出てきたときには、優先的に案内してくれるようになるものです。
それも、三井のリハウス、住友のステップ、東急リバブルといった大手のチェーン店だけではなく、地元の駅前不動産など、地元で長く活動している会社こそ、地元の情報をいち早くキャッチするものです。少しでも得して、賢い消費者になるためには、それなりの努力が欠かせないということでしょう。
■中古市場では築年数の長い物件が急速に増えている
中古マンション市場が拡大しているといっても、物件選択はその分だけ難しくなると考えておく必要があります。中古物件は新築と比べてまさに玉石混合の世界。自分で善し悪しをシッカリと見極めていかなければなりません。
特に、マンションストックの増加に伴って、中古市場に出てくるマンションの竣工後の経過年数が長くなっている点に注意が必要です。東日本不動産流通機構の調査によると、図表4にある通り、首都圏の仲介市場で新規登録されたマンションのうち、築31年以上の物件の割合は08年には15%ほどだったのが、18年には35%以上に達しています。3戸に1戸以上が築31年以上の築深物件なのです。
当然ながら、経過年数が長くなれば老朽化が進み、外壁や共用部分が傷んでくるだけではなく、専有部の内装や設備も劣化が進んでいます。中古だから価格が安いといっても、リフォームやリノベーションに多額の費用がかかっては、安さのメリットが吹き飛んでしまいます。
■安さのメリットを享受するなら築深物件
反対に、築10年までのいわゆる築浅マンションの割合は急速に減少しています。図表4にあるように、最近では新規登録の2割を切っているのです。
2000年代に入ってから「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、構造部分の10年保証が義務化され、任意ながら住宅性能表示制度が導入されて、それを採用する新築マンションが増えてきました。また、09年には長期優良住宅制度が施行されて、マンションでも認定を受ける物件がジワジワと増えるなど、この10年ほどは新築マンションの基本性能が著しく向上しています。
しかし、そうした築浅のマンションは新築と比べての割安感が小さく、中古マンションの価格面でのメリットをさほど享受できません。人気エリアでは新築並みの価格で取引されており、エリアによっては新築が不足しているので、むしろ分譲時の価格より高く取引されているケースもあります。これでは、“中古マンション主役元年”の時代のメリットを活かせません。“中古マンション主役元年”のメリットを最大限享受するためには、築深物件に注目する必要がありますが、その見極めは簡単ではありません。その点に関しては次回、詳しくみていくことにしましょう。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
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