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ワタミ、過労自殺社員の遺族へ頑なに謝罪拒否した渡邉氏が会長復帰…「過去振り返らない」
https://biz-journal.jp/2019/11/post_127895.html
2019.11.15 文=編集部 Business Journal
ワタミCEOの渡邉美樹氏(写真:NATSUKI SAKAI/アフロ)
外食大手ワタミは10月7日、都内で事業戦略発表会を開いた。10月1日付で会長兼グループ最高経営責任者(CEO)に復帰した創業者の渡邉美樹氏は「10年後の2029年3月期の連結売上高を19年3月期の2倍となる2000億円に規模に引き上げる。営業利益100億円を目指す」と語った。19年3月期の売上高は947億円、営業利益は10億円だった。
渡邉は参院選比例区に自民党から立候補するため13年に経営から退いていた。6年を経てトップに復帰したことになる。「これからの日本は厳しくなる。国会議員としてできなかったことに基づき事業をやっていきたい。向こう10年、20年のビジョンは創業者じゃないと発想できない」とする立場から、10年後の目標を明らかにした。
本業では直営店が中心だったチェーン店の展開をフランチャイズ主体に転換。「から揚げの天才」「しろくまストア」といったブランドで小規模な店づくりを進める。高齢化の進行で市場拡大が期待される宅配事業にも力を入れる。ベトナムのほか、中国や米国の海外市場を開拓する。
新しい事業として、有機農業や酪農を手がけるテーマパーク「ワタミオーガニックランド」を、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市につくる。レストランやショップなどを併設して、雇用の創出にも貢献したいという。テーマパークは21年3月に開業する予定だ。
かつて「ブラック企業経営者」として批判を浴びた渡邉氏は、戦略発表会の冒頭にこう述べた。
「私および当社が数年前にブラック企業批判を受けたこと、その後、経営危機と言われるまで経営状況が悪化したことについて大いに反省している。過去の指摘をすべて受け入れたい。過去を変えることはできないが、自らの未来を変えるべく新しいワタミを始めたい」
会見で配った資料で「ホワイト企業」に生まれ変わった、とアピールした。一般財団法人・日本次世代企業普及機構(JWS)が、ビジネスモデル、ダイバーシティ&インクルージョン、ワーク・ライフバランス、柔軟な働き方、人材育成、法令遵守の6項目で「ホワイト度」を診断し、ワタミは87点と認定基準の60点を上回ったとしている。
ワタミは社員の待遇を改善し、離職者は減っている。ワタミ社員の年間離職率は業界平均を下回る8.5%になっているという。
■日本は潰れるとして『警鐘』を刊行
この日の会見で経営復帰の理由を聞かれた渡邉氏は、「国会議員として何もできなかった。0点だ」と述べた。「ワタミを成長させることで、たくさんの人を幸せにできると考え、実現しないといけないという勝手な使命感だ」とした。10月7日、著書『警鐘』(アチーブメント出版)が出版された。「国会議員を経て、“日本は潰れる”という警鐘を世の中に伝えたかった」と、宣伝文にはある。「中小企業の経営者に読んでいただきたい(必読書)」とも。本書でアベノミクスは失敗したと断言している。「国会の中にいて、議員の人たちから感じた“危機感のなさ”を伝えなければいけない、という使命感と自らのけじめのためにこの本を書いた」と語った。
■女性従業員が過労自殺
ワタミといえば、「ブラック企業」の代名詞だった時期がある。08年6月、持ち株会社ワタミ傘下の外食事業会社、ワタミフードサービスが運営する居酒屋「和民京急久里浜店」(横須賀市)で働く女性社員(当時26歳)が、入社してわずか2カ月で自宅マンションから飛び降り自殺をした。会社は7日間連続の深夜勤務を含む、月140時間の時間外労働を強いてきた。
遺族の労災申請を不支給とした横須賀労働基準監督署の決定を取り消し、神奈川労災補償保険審査官は12年2月14日、「時間外労働で適応障害を発症したのが(自殺の)原因」と結論づけ、業務と自殺の因果関係を認め、労災適用を認定した。自殺した社員の生々しい日記が公開された。
<体が痛いです。体がつらいです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい>
亡くなる1カ月前の日記には、心身の限界に達した彼女の悲痛な叫びが記されていた。ワタミへ批判が殺到した。当時ワタミ会長だった渡邉氏が一連の報道に言及したツイートが非難の火に油を注ぐことになった。
<労災認定の件、大変残念です。四年前のこと昨日のように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社存在の目的の第一は、社員の幸せだからです>
さらに当日、バングラデシュで学校をつくる事業と、労災認定された女性従業員を結びつけるツイートをした。
<バングラデシュ朝、五時半に、イスラムの祈りが、響き渡っています。たくさんのご指摘に、感謝します。どこまでも、誠実に、大切な社員が亡くなった事実と向き合っていきます。バングラデシュで学校をつくります。そのことは、亡くなった彼女も期待してくれていると信じています>
この女性への一言の謝罪もなかったことから、渡邉氏はネット上で批判を浴びた。ワタミフードサービスは12年に「ブラック企業大賞」の市民賞、翌13年には大賞を受賞した。「自分の正義のみを重視し、被害女性に一切考慮しない思慮に欠けた発言」というのが受賞の理由である。
ワタミは遺族との面談や謝罪を拒否。女性の遺族はワタミや渡邉氏に損害賠償を求める民事訴訟を起こした。15年12月8日、東京地裁で、日本ではそれまで前例のなかった「懲罰的慰謝料」(計1億3365万円)を認める内容で“和解”が成立した。付帯事項として過重労働再発防止策を作成することが盛り込まれた。
「道義的責任はあるが、法的責任はない」と争う姿勢を示していた渡邉氏は、頑な態度を突然翻し、和解交渉の場に現われ、自殺した女性従業員の両親に謝罪した。「自殺した彼女の墓参りに行きたい」との意思表示をしたが、遺族は墓参を拒否した。
10月7日の事業戦略説明会では、「復帰によってブラック企業に戻るのではないか」との懸念が示されたが、渡邉はこう答えた。
「反省すべきところは反省する。今までのことは一切振り返らない」
■縮小均衡経営に対する危機感
ワタミは1986年、渡邉氏が創業。居酒屋「和民」で居酒屋ブームの先駆けとなった。宅食、農業、介護に進出するなど一気に業容を拡大した。しかし、「ブラック企業」批判による企業イメージ悪化で、主力のチェーン店「和民」や「わたみん家」の客離れにつながった。不採算店舗の閉鎖に伴う減損損失が発生し、2014年3月期には上場以来初の49億円の最終赤字に転落。翌15年3月期も128億円の赤字と2期連続の赤字に沈んだ。創業者の渡邉氏の復帰は、縮小均衡経営に対する危機感の裏返しである。
「渡邉さんは社内で『売上高5000億円を目指す』と大風呂敷を広げている」(ワタミ関係者)
06年にテレビ番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)に出演した時、渡邉氏は「たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも1週間やらせれば、それは無理じゃなくなる」と発言した。働き方改革が声高に叫ばれるなか、ワタミに復帰する渡邉氏は“ブラック企業”と批判されることを厭わず、「鼻血を出すまで働け」と再びハッパをかけるのだろうか。
(文=編集部)
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