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バブルか、誰が買っているのか 怪しい株高の今後を検証
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264422
2019/11/08 日刊ゲンダイ
年初来高値を連日更新(C)日刊ゲンダイ
足元の景況感はメタメタなのに、株価は絶好調だ。7日の日経平均株価は3日続伸。終値は前日比26円50銭高の2万3330円32銭だった。5日に2万3000円の大台を回復して以降、連日で年初来高値を更新。史上最高値を塗り替え続ける米株高に引っ張られ、昨年来高値(2万4270円62銭)との距離を縮めているが、この株高は謎だらけだ。
消費増税から1カ月が過ぎ、ポイント還元など思いつく限りの対策を打った安倍政権は「前回(の増税時)ほどの駆け込みと落ち込みはない」(西村康稔経済再生相)と自画自賛。増税ショックを覆い隠しているが、対策の恩恵を受けない業種は塗炭の苦しみだ。
特に百貨店は厳しい。1日に大手4社が発表した10月の売り上げ速報は、前年同月比で▼高島屋19・7%減▼そごう・西武19・2%減▼J・フロントリテイリング19・1%減▼三越伊勢丹HD20・2%減――と、前回の増税直後と比べ、下げ幅は拡大。軽減税率の対象外となる雑貨類などの売り上げが落ち込んでいるようだ。
自動車販売も悲惨な状況だ。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が1日に発表した10月の国内新車販売台数は、前年同月比24・9%減の31万4784台に沈んだ。
軽自動車を除く登録車数は同26・4%減と、10月としては1968年の統計開始以来、過去最低を更新した。
ただでさえ、賃金はちっとも上がらず、個人消費が減り続ける中、下支え策の恩恵にあずかれなければ増税ショックは当然の帰結だ。しかも、ポイント還元の期限は来年6月までの9カ月間。刹那の増税対策のリミットが切れれば、たちまち増税ショックが日本経済を覆い尽くすことだろう。
それなのに、景気を映す鏡であるとともに、その先行きを占う指標とされる株価が上昇を続けるのは不思議だ。一体、誰がどのような思惑で日本株を買っているのか。どんなカラクリが潜んでいるのか。怪しい株高の徹底検証が必要だ。
元凶がエラソーにダメ出し(C)日刊ゲンダイ
仕方なく株を買うしかない「静かなバブル」 |
過熱気味な株高の背景には、まず世界の金融市場からの「金利消滅」がある。日銀の異次元緩和に加え、米FRBは3回連続で利下げに踏み切り、欧州中央銀行も量的緩和を再開。マイナス金利を深掘りするなど、世界の主要な中央銀行が低金利策を打ち出し、世界中の金利を焼き払う役目を果たしている。
世界規模で国債運用による金利収入が期待できない中、海外の機関投資家は少しでも金利の付く商品を求め、「イールド(利回り)ハンティング」に躍起だ。
メガバンクや生保など日本の金融機関もその流れに逆らえず、米国市場での投資不適格企業向け融資で、高リスク・高金利の「レバレッジドローン」への投資が急速に拡大。近年の引受額の伸びは、米欧の金融機関に比べて高まっている。
また、日本の金融機関による海外のローン担保証券(CLO)への投資残高も上昇傾向。CLOは信用力の低い企業向けの融資を集めてつくった金融商品だ。低所得者向けの住宅ローンを集め、08年のリーマン・ショックの引き金となった「サブプライムローン」の仕組みに酷似しているため、「第2のサブプライムローン」とも言われる。
8兆円を保有する農林中金をはじめ、三菱UFJ、ゆうちょ銀行も残高を積み増し、今年3月末の国内大手金融機関のCLO投資残高は12兆7160億円と、3年前の2・5倍に拡大。世界のCLO市場に占める割合は実に約15%に達した。
金利消滅で投資先を失ったマネーの行方には日銀でさえ、10月の「金融システムリポート」で「市場価格下落などのリスクに留意が必要」と警鐘を発したほどである。
何が“蟻の一刺し”になるのか分からない
「マネーの行き場を失わせる状況をつくった黒田日銀が、金融機関を注意するとは、ブラックジョークもはなはだしい」と言うのは経済評論家の斎藤満氏だ。こう続ける。
「とはいえ、同じリスク商品でも株式投資の方が相対的に有利と、日本の金融機関が見なし、持て余したマネーを株式市場に流し込んでいるのが、異様な株高の正体でしょう。9月までの累計で3兆円超と大幅に売り越していた外国人投資家も、日本株の地合いの強さに驚き、買い戻しに転じたのもひと役買っています。本来、景気指標の悪化や決算が下振れすれば株価には逆風なのに、今や業績が悪化しても逆転の発想で『底入れだ』と勝手な理屈がまかり通り、半導体や中国関連銘柄が買われるケースも散見されます。借金してでも株や不動産投資に走った平成のバブル期とは様相は異なりますが、他に投資対象がなく、株を買うしかないという『静かなバブル』が膨らみつつある。実体経済の裏づけに乏しいだけに、何が“蜂の一刺し”となるのか分かりません。トランプ米大統領の弾劾やイラン情勢の緊迫、入試改革問題で安倍政権が追い込まれるなど、『政局』絡みで破裂するかもしれないのです」
つまり、今の株高は政治ゲームで左右される幻想のバブル。専門家も実は肝を冷やしているのだが、株価に一喜一憂する余裕のない庶民にすれば、せめて世界規模の低金利のうちに住宅ローンを組み、夢のマイホームを手に入れておきたい。
そんな希望を打ち砕くように、マンション価格は高騰中。不動産経済研究所が発表した今年度上半期(4〜9月)の首都圏マンション市場動向によると、平均価格は6006万円と、91年度上半期(6137万円)以来、28年ぶりに6000万円台を突破した。
相場の末期症状後に来る賃下げの方向
価格高騰の要因は建設費と地価の上昇だ。慢性的な人手不足に加え、五輪開催が決まった13年以降、ホテルや公共施設の工事が急増。駅に近いエリアの用地取得競争の激化で地価も上昇し、高価格帯物件の増加が平均価格を押し上げている。
「ただし、売れ行きは鈍化の一途で4〜9月の契約戸数は前年同期比約15%減。契約率も64・6%で売れ行きの好不調の目安となる7割を下回り、08年上半期(63・9%)以来、11年ぶりの低水準です。明らかな供給過剰に陥り、特に地方では地銀から不動産融資を受けても供給過剰が家賃の低下を招き、借り手が家賃収入でローンを返せない事態も発生しています。いずれ価格が下がるのを待って手を出すべきですが、今後の少子化社会を考えれば、下げ止まらないリスクもある。資産価値減少の面からも、決してお勧めできません」(斎藤満氏=前出)
平成のバブル期は給与もジャンジャン上がったものだが、今後の賃金アップは期待できるのか。経済アナリストの菊池英博氏に聞いてみた。
「平成のバブル期は実体経済も絶好調。庶民が豊かだったからこそ、投資ブームも生まれた。今の株高は実体なきバブルで、13年の異次元緩和で始まった大きな投機相場の末期症状だと見ています。とにかく日本経済の現状はボロボロ。頼みの輸出は主力の自動車が頭打ちで、貿易統計は赤字続き。マイナス金利の悪影響で地銀の半数以上は経営赤字で、メガバンクでさえ行員に副業を勧めるほど青息吐息です。そもそも次世代を引っ張る産業は何ひとつ育っていません。この国は金融機能の減退と潜在的な経済危機が膨らむばかり。当然、賃金アップなど期待するだけムダです。むしろ、将来的な賃金は必ず下がる方向にあります」
ほぼ10年周期で繰り返すバブルに浮かれるのは愚の骨頂だ。絶対に踊らされてはいけない。
バブルか、誰が買っているのか 怪しい株高の今後を検証|#日刊ゲンダイDIGITAL https://t.co/oSAm0NUVF0
— ⛵️motty⛵️ (@novtnerico) 2019年11月8日
実は危機は膨らんでいる【バブルなのか 誰が買っているのか】怪しい株高を徹底検証 刹那のポイント還元で増税ショックを覆い隠しているが、賃金は上がらず、個人消費は減り続け、百貨店はボロボロの惨状の中、政治ゲームで左右される幻想の株高に、専門家も実は肝を冷やしている(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/Xhvv9Dcnmw
— KK (@Trapelus) 2019年11月8日
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