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長年義理の親を介護した妻が「相続法改正」でお金を請求できる権利が発生!
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2019/10/06 OTONA LIFE | オトナライフ
これまでの相続法では、義理の親(舅・姑)の介護で苦労した妻でも、相続人の夫が死亡した場合、妻に遺産が渡ることは一切なかった。しかし、これではあまりにも理不尽だということで、2019年7月の改正相続法では「特別寄与料」というシステムで救済されることになったのである。今回は、知らないと損する改正相続法について解説しよう。
義理の親を介護した長男の妻に財産分与はなかった!
「相続」は基本的に血縁関係のある親子や配偶者間で行われるのが基本的なルールとなっている。たとえば、寝たきりになった義理の親(舅・姑)を何年も介護し続けた妻の場合、相続人である夫(長男)が死亡したあとに義理の親が亡くなると、これまでの相続法では、長男の妻は相続人とはならず、1円も財産を受け取るとることができかった。逆に、一切親の面倒を見なかった夫の兄弟たちは相続人であるため、ガッツリ相続できるのである。これではあまりにも理不尽だということで、2019年7月からは改正相続法によって、このようなケースでは相続人以外の親族でも遺産相続した夫の兄弟に「特別寄与料」が請求できるようになったのだ。
ちなみに「特別寄与料」には介護だけでなく、農作業や家族経営の手伝いなども含まれるので、もし、該当しそうな場合は税理士や弁護士などに相談してみよう。
従来の相続法では、長女と次男は相続人なので親の介護を一切していなくても相続できる。しかし、被相続人(舅・姑)を介護した長男の妻は相続人ではないため、相続財産の分配はなかった(上図)。これに対し、改正相続法では財産分割は従来通り相続人の長女と次男で行うことになるものの、義理の親の介護をしてきた長女の妻は、長女と次男に相応の金銭を要求できるようになった(下図)
「特別寄与料」をもらうには具体的な記録が必要になる
改正相続法では「特別寄与料」が認められるようになったが、老人の介護をしたからといって、誰でも請求できるものではない。条件としては、まず、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をした場合。次に介護したことによって、被相続人の財産が現状維持または増加した場合。さらに被相続人の親族であることの3つの条件が、すべて満たされている必要がある。つまり、近所に住む他人が隣の家のおばあさんを介護しても「特別寄与料」は認められないのだ。
なお、「特別寄与料」で請求できる金額に規定はないので、相続人たちとの協議することになる。そのため、具体的な請求額を算出するには、介護日数、薬代やおむつ代、交通費など、請求額の根拠が明確になる記録が保存されている必要がある。だが、現実的には相続人に請求金額を認定してもらえない場合もある。もし、お互いが感情的に対立するくらいなら、最初から弁護士や税理士などに依頼したほうが、スムーズに「特別寄与料」を受け取れるかもしれない。
●法務省「遺産分割に関する見直し等」は→こちら
(文=塚本康裕/フリーライター)
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